【ARTIST NEWS】松山しげきの個展「これは人間ですか?」を開催。ネット上で人間のように振る舞うボットやAIをテーマにした新作を公開

松山しげきの個展「これは人間ですか?」を、FOAM CONTEMPORARYにて、2023年12月9日(土)~12月26日(火)の期間に開催します。
 
 
 
 
概要

松山しげきは、1998年よりイラストレーターとして制作活動を開始し、2011年以降はよりコンセプチュアルな作品制作を行う為にアーティストへと転身しました。現在は、国内外のギャラリーにて絵画・彫刻・インスタレーション作品を中心に発表しています。
インターネット上にアップロードされた人物の写真の目だけをトレースし、輪郭はモデルの人物とは全く異なる姿で幾何学模様のようなダズル迷彩を用いて描かれたポートレート作品《Portrait of dazzle》は、インターネットの匿名性や情報の不確かさが及ぼす危険性を表現した彼の代表作です。
本展のタイトル「これは人間ですか?」は、近年ネット上でよく目にする人間のように振る舞う「ボット」を警戒し、電子掲示板上に投げかけられた質問からつけられました。本展では、《Portrait of dazzle》のほか、そこから派生しボットをテーマにした作品《Portrait of dazzle(bot)》と、フェイクニュースの拡散をテーマにした新作《Clipping》を発表します。テクノロジーの進化とともにAI技術も私たちの生活とは切り離せない存在となった昨今で、技術や情報をどう取り扱うのかを鑑賞者に問いかけるような作品群が並びます。
 
《Clipping Louis David》 S80(1455×1455)/Acrylic on Canvas/2023
 
 
 
アーティストステートメント
 
2022年7月の個展で発表した作品《 Portrait of dazzle(bot) 》、これは「ボット」をテーマにした作品です。当時Twitter上のアカウントのうち約20%がボットアカウントだというニュースを見かけ、私が思っていたよりも遥かに多い数字だったことで興味を持ちボットについて色々と調べ始めました。ボットがネット上で人間の様な存在感を見せる「擬人化」という点に注目し、政治・戦争・愛・宗教などいかにも人間らしいモチーフで作品としてボットを表現できないかなと漠然と考えていた時、Yahoo!知恵袋でこんな質問を見かけました。
 
「このコメントはボットですか?人間ですか?」
 
これは、インスタグラムなどのSNSで利用できる質問箱アプリに関する質問で、この質問箱アプリでは「フォロワーの少ないユーザーは他ユーザーからの質問があまり届かない」という問題点を考慮し、アプリの利用を活発化させる目的で、アプリ側の用意したボットが人間の様な口調でユーザーに質問を送る仕様になっています。この仕様を知らないユーザーは人間から届いた質問として普通に返答しているのですが、質問者に一定数ボットが含まれている事を知っているユーザーは、自分に届いた質問が人間から送られてきたものなのかボットからなのか分からず返答に困り、Yahoo!知恵袋で前述の質問をしていたのです。調べて見ると他にもこれと同様の質問をされている方を多数見かけ、この「ボットだか人間だか分からない」という部分を作品にしようと思い付きました。当時ポートレートシリーズ《 Portrait of dazzle 》をメインで発表していたという事もあり、あえて「これはボットがテーマの新作です」とは説明せずに既存のポートレートシリーズに混ぜて発表する事で、気付かぬうちに生活の中でボットとのコミュニケーションが行われている状況が表現できればと思い、《 Portrait of dazzle 》と同じバストアップの画角で人間のシルエットを描き、ボット作品はポートレートシリーズのように実在の人間のモデルがいないため「目」は描き込まず、作品タイトルの語尾に(bot)とだけ表記して発表することにしました。
 
ボットをテーマにした作品《 Portrait of dazzle(bot) 》は発表から約1年半経ち全部で十数点の作品が存在しますが、今まで公式にはこの作品の説明をしていませんでしたので、本展ではこのような簡単な作品説明とともに、改めて過去の発表同様にポートレートシリーズと並べて展示し、さらにボットシリーズの新作としてフェイクニュースの拡散をテーマにした《 Clipping 》を発表します。これは、フェイクニュースの拡散初期段階においてボットを使い偽情報の信用度を高めたり、AI生成を併用し文脈から切り離したりする事象を、既存の絵画の一部を切り抜くことで表現した作品です。この新作では、作品制作の初期段階から対話型AIの「ChatGPT」と相談をしながら作品イメージを作っています。私とChatGPTとの対話の記録をプリントで用意してありますので、併せてご鑑賞下さい。
 
松山しげき
 
 
 
アーティストプロフィール
 
松山しげき / アーティスト
1998年よりイラストレーターとして広告やプロダクトのイラスト制作を手掛け、2011年以降はよりコンセプチュアルな作品制作を行う為にアーティストへ転身し、現在では国内外のギャラリーにて絵画・彫刻・インスタレーション作品を中心に発表している。
 
2023「ナルキッソスは水面を見続ける」 / 東京
2023「Study:大阪関西国際芸術祭 "二次元派展"」 / 大阪
2022「Fifty Shades of Grey」Geoffrey Bouillot × 松山しげき / パリ
2022「ubiquitous」松山しげき × feebee / 台北
2022「Portrait of Dazzle」/ ニューヨーク
2022「Portraits III Red room」/ 東京
2021「Duality」天野タケル×松山しげき  / ベルリン
2021「アイジェンは世界を二次元で見る」 / 東京
2020  ドコモ x rooms 「みる、みられる。」 / 東京
2019「Communication : Dazzle room」 / 神奈川
2016「Paint it Black」/ 東京
2014「これは花ではない。」松山しげき × feebee / 埼玉
2011「UNEASINESS」 / 東京

 
 
 
展覧会詳細
 
松山しげき「これは人間ですか?」
 
会期:2023年12月9日(土)~12月26日(火)※終了⽇は変更になる場合があります。
時間:11:00~19:00 ※最終日は18時までとなります。
会場:FOAM CONTEMPORARY
定休日:月曜日
入場:無料
主催:銀座 蔦屋書店
協力:AaP/roidworksgallery
お問い合わせ:03-3575-7755(営業時間内) / info.ginza@ccc.co.jp
 
 
 
販売について

展示作品は、会場にて12月9日(土)11時より販売します。
※作品はプレセールスの状況により、会期開始前に販売が終了することがあります。
※オンラインストアでは一部作品を販売いたします。
 
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OIL by 美術手帖2023年12月12日11:00~販売開始
 
 

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