僕は7歳からずっと、プロサーファーを夢見て進んでいました。
18歳の冬、いつも自分が練習している海で目の当たりにしたのは、海外のトッププレイヤー達と自分との間のあまりにも大きな差。

彼らのプレイを見た時に、サーフィンではない方法で、自分を表現したいと思うようになりました。
それからは、新しい自分を見つけるために過ごす日々でした。
そんな中、偶然訪れた代官山蔦屋書店で、雑誌「POPEYE」の2016年12号『僕の好きなアート』特集の五木田 智央さんの表紙を見た瞬間、自分の中で何かが爆発したような気がしました。
今思えば、それは"夢"が、見つかった瞬間でした。

その夢は、"同世代の誰よりも先に、この場所(代官山 蔦屋書店)に、アーティストとしてタッチダウンする事"。
しかし、そうは決意したもののそもそも、アーティストって……何？ からのスタートでした。自分なりに一歩ずつ、歩みを進めるために、世界中の雑誌や様々なジャンルの画集や専門書を読み漁り、アーティストとしての自分を懸命に模索してきました。
今回、そうしたプロセスの中でたくさんの偉大なアーティストたちがくれた刺激を昇華して、僕ができる精一杯のプレイスタイルを表現しました。
6年前の僕が目指した“夢の場所”に、幸運もあり、タッチダウンすることができました。
あの日、もう一度来ると覚悟した場所で、あなたに出会えることを楽しみにしています。

 

――KAITO FUKUI

 

 

 

【プロフィール】
KAITO FUKUI
1997年東京都出身。
幼少期から波と戯れ、サーフィン、スケートボード、恋に青春。あの時、あの頃の機微を紡ぐように幾層ものレイヤー重ね描き、未来を視る。美化されたり、湾曲、誇張される記憶を優しく繊細な浮遊感で。
@kaito_fukui