【展示会】Bitter Sweet Circuit
bitter sweet circuit
子どもの頃、銀紙に包まれたレーシングカー型のチョコレートに強く憧れていた。
大嫌いだった歯医者に行くと、治療のご褒美にその“チョコカー”を買ってもらえることがあった。
虫歯の痛みを治したあと、レーシングカーが描かれた銀紙をそっと剥がし、
中から現れるチョコカーを口に運ぶ——。
その矛盾した行為が、たまらなく幸せだった。
好きなレーシングカーのかたち、そして口の中に広がる甘さ。
その“ダブルパンチ”の感動を、今も鮮明に覚えている。
今回のエキシビション “bitter sweet circuit” は、
そんな幼少期の記憶をモチーフに、自身の作品として再構築したものである。
bitter sweet circuit
As a child, I was fascinated by the racing car–shaped chocolates wrapped in shiny silver foil.
Whenever I had to go to the dentist — which I absolutely hated — I was rewarded with one of those “choco cars.”
After the pain of a cavity treatment, I would peel away the foil printed with a racing car illustration and bite into the chocolate hidden inside.
That small act of contradiction — eating sweets right after the dentist — was pure bliss.
The shape of my favorite racing car, and the sweetness that spread through my mouth —
that double punch of delight remains vivid in my memory.
This exhibition, “bitter sweet circuit,” translates that childhood memory into my current artistic practice.
【プロフィール】
内藤慶(Kei Naito)
車の整備士として働く傍ら、アーティストとしても活動。「#weeeels」の立案者。
クルマへの深い情熱は、PORSCHE公式ライフスタイルマガジン「TYPE 7」Vol.2への掲載を通じて国内外に知られている。
自身の育った環境や体験を背景に、車をテーマとした作品を多く制作。代表作「TOKYO 911 TALES」では、生まれ育った東京を舞台に、人・車・街が重なり合ってできる瞬間を切り取った世界観を表現している。
「東京という街はとても大きく、沢山の人が集まってできた街です。作品の中で見る車や、すれ違う人々は、その時の一瞬にとらえられたものなのですが、そこには無数の物語が存在していて、それはとても切なくもあり、尊いものという事がこの作品たちを作る上でのテーマになっています。東京の街を歩いていると、時にノスタルジックで不思議な気持ちになる時があります。そんな場面にはいつも “車” と道を行き交う “人々” が在り、このシリーズには 911通りの物語が存在するのです。」
- 会期 2025年12月26日(金)~2026年1月12日 (月)
- 時間 営業時間の通り
- 場所 蔦屋書店 2号館1階 ギャラリースペース(アート側)
- 主催 代官山 蔦屋書店
- 問い合わせ先 03-3770-2525