【フェア】坂口恭平『Pastel』(左右社)刊行記念パネル展
人文
蔦屋書店1号館 1階 ブックフロア 2020年10月26日(月) - 11月19日(木)
坂口恭平さんによるはじめてのパステル画の画集『Pastel』(左右社)が刊行されます。
発売を記念し、パネル展を開催いたします。
はじめてのパステル画、はじめての風景 ――画家・坂口恭平、第二章開幕。
個展チケット即完売、各界著名人注目、著者SNSで話題沸騰のパステル画集第一弾がついに刊行。
畑へと向かう道、江津湖、有明海、そして光と影、色彩、温度、空気……世界を徹底的に観察して描き切ったパステル画を厳選して収録。
2020年4月から8月までの風景の記録であり、坂口恭平の変化の記録。
僕は毎日発見している。風景を。今まで目に入らなかったことにどんどん焦点が当たっている、当たった瞬間に別のものに移動している、それくらい僕は変化している。風景も変化している。パステルをもつ指も変わり、指先はいつも動いている。その動きそのものが興味深いから、止まらない。
それくらい僕は何も知らない。空の青について何も知らなかった。今はいくつものパステルの色を塗り重ねる。晴れた日にも暗い色が入っている。光と影がそこら中に満ちている。躁鬱病の僕は鬱を忌避し、躁をあっぱれだと思っていた。しかし、晴れた日にはとても強い黒い影が生まれる。頂点があり、どん底があるのではなく、気分の上がり下がりではなく、気分、ムード、感情の、色調があるようなものが、その途端に、僕の内面もエベレストから海溝まであったジオラマが一気に粒子になって崩れ落ちて、ふわふわとそこら中に浮いている大気になった、自分の体が気象になった。線も面も粒子に戻って、そこら中に気配として残っているだけになった。
――「畑への道」より抜粋
数に限りがございますが、特装版、サイン本および通常版のご予約をオンラインストアで承ります。
発売を記念し、パネル展を開催いたします。
はじめてのパステル画、はじめての風景 ――画家・坂口恭平、第二章開幕。
個展チケット即完売、各界著名人注目、著者SNSで話題沸騰のパステル画集第一弾がついに刊行。
畑へと向かう道、江津湖、有明海、そして光と影、色彩、温度、空気……世界を徹底的に観察して描き切ったパステル画を厳選して収録。
2020年4月から8月までの風景の記録であり、坂口恭平の変化の記録。
僕は毎日発見している。風景を。今まで目に入らなかったことにどんどん焦点が当たっている、当たった瞬間に別のものに移動している、それくらい僕は変化している。風景も変化している。パステルをもつ指も変わり、指先はいつも動いている。その動きそのものが興味深いから、止まらない。
それくらい僕は何も知らない。空の青について何も知らなかった。今はいくつものパステルの色を塗り重ねる。晴れた日にも暗い色が入っている。光と影がそこら中に満ちている。躁鬱病の僕は鬱を忌避し、躁をあっぱれだと思っていた。しかし、晴れた日にはとても強い黒い影が生まれる。頂点があり、どん底があるのではなく、気分の上がり下がりではなく、気分、ムード、感情の、色調があるようなものが、その途端に、僕の内面もエベレストから海溝まであったジオラマが一気に粒子になって崩れ落ちて、ふわふわとそこら中に浮いている大気になった、自分の体が気象になった。線も面も粒子に戻って、そこら中に気配として残っているだけになった。
――「畑への道」より抜粋
数に限りがございますが、特装版、サイン本および通常版のご予約をオンラインストアで承ります。
【プロフィール】
坂口 恭平 (さかぐち・きょうへい)
1978年熊本県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。作家、建築家、絵描き、歌い手、踊り手など、さまざまな分野で活動を続ける。
2004年に写真集『0円ハウス』を刊行。著書に『独立国家のつくりかた』『徘徊タクシー』『現実宿り』、近刊に『自分の薬をつくる』『苦しい時は電話して』がある。
美術家として、カナダのバンクーバー州立美術館にて個展を開催後、現在は展覧会を各地で開催する。2023年に熊本市現代美術館にて個展を開催予定。
- 会期 2020年10月26日(月)~2020年11月19日(木)
- 時間 営業時間の通り
- 場所 蔦屋書店1号館 1階 ブックフロア
- 主催 代官山 蔦屋書店
- 共催・協力 左右社
- 問い合わせ先 03-3770-2525