【銀座 蔦屋書店アートコンシェルジュが選ぶ、2018年注目のアーティスト】現代海外美術編

2018年も様々な展覧会・芸術祭・アートイベントが予定されていますが、今年はどのアーティスト・展覧会・アートイベントに注目が集まるのでしょうか。
西洋美術を主に担当するアートコンシェルジュ和田が、2018年特にオススメするアーティストを詳しくご紹介します。

和田がオススメするアーティストはゲルハルト・リヒター氏
和田:ゲルハルト・リヒターは、1932年旧東ドイツに生まれ、絵画制作を学んだ後旧西ドイツに移り、1960年代にアメリカの現代アートの影響の下ジグマー・ポルケらと絵画運動を開始。今日では、幅広い世代から支持を得る現代アートの第一人者です。
リヒターは、ポップアートやフルクサスの影響を受けつつも、あくまで絵画表現にこだわり続け、絵画本来の「目の悦び」に向き合ってきました。その証拠に、風景画を描く理由に「単に綺麗なものを描きたかったから」と彼は懐述しています。とはいえ、それは写実主義やロマン主義的なノスタルジーに回帰すること、あるいは写真的リアリズムを追いかけることを意味するのではありません。その狙いはイメージに付与されてきた様々な性質を一枚の絵画の中に溶解し、新しいものとして見つめ直すことにあります。
フォトペインティングの手法で描かれた彼の風景画からは、匿名的で無感情でありつつも、「目に直接語りかけてくる」ような感覚を覚えます。加速主義的な視覚文化に慣れた私たちの網膜には、単なるノスタルジーやリアリズムを超えた「見ること」それ自体の可能性が映っているように思います。

【プロフィール】
ゲルハルト・リヒター
1934年旧東ドイツのドレスデンに生まれる。地元で壁画制作を学んだ後、西側のデュッセルドルフに移る。1960年代に「資本主義リアリズム」と呼ばれる絵画運動で頭角を表し、1980年代に国際的なブレイクスルーを果たした。高度な作画技術に裏付けされた多様な作風で知られる現役画家。2005年に金沢21世紀美術館およびDIC川村記念美術館で大規模な回顧展が開催されたほか、最近では、ワコウ・ワークス・オブ・アートでも回顧展を開催(※終了しました)。

評伝 ゲルハルト・リヒター

『評伝 ゲルハルト・リヒター』4,968円/税込

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【関連展覧会】
Gerhard Richter「Painting 1992-2017」
日時:2017年12月16日(土)―2018年01月31日(水) ※終了
場所:WAKO WORKS OF ART
展覧会公式サイト:http://www.wako-art.jp/top.php
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>>【フェア】アートコンシェルジュが選ぶ 2018年注目のアーティスト
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撮影・構成:銀座 蔦屋書店 石谷

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