【ARTIST NEWS】線と余白の関係性から形を生み出す彫刻家、髙山瑞の作品展「山の端、切り込み」を開催

彫刻家 髙山瑞の作品展示「山の端、切り込み」を2023年4月29日(土)〜5月26日(金)の期間に店内インフォメーションカウンター前にて開催します。
 
 
 
 
概要
 
髙山瑞は線を引き、木を彫ることで余白を浮かび上がらせ、その線と余白の関係性から形を生み出す彫刻家です。
木彫を初めたばかりの頃は、木が持つ起伏やうねりをもとに線を引き彫り進め、年輪と作家の時間を交差させながら木が主軸となる作品を制作していました。近年では、自分自身の生活や人間の手振りから生まれる線や平面的要素に興味が広がり、書物、文字、活字、文学作品、文字絵がモチーフの作品を多く生み出しています。そこには線が2次元から3次元へ変換される不思議さを感じさせます。
木に線を引き、鑿(のみ)で彫り、余白を立体的に浮き上がらせる。その線と余白のゆらぎにより形がどう見えてくるのか。選びとる線には、髙山独自の時間・空間・次元の往来や交わりへの意識があり、制作の根底にあるものは一貫しています。彫られた木の鑿跡(のみあと)には、彼女の素材に対する視線や観察、そこから得た感触を手繰り寄せ確かめようとする手の動きが写し出されます。

本展は、初期作から近年の作品までをつなげる展示となっています。
最近では、文字や記号のような決まりのある形ではなく特定の意味を持たない線に着目しており、即興性のある乱雑な線や単調な線を彫った新たなレリーフ作品を発表します。ぜひ会場にてご覧ください。
 
「地平面」H450×W1400×D1300 mm/樟/2016
 
「lines-2」H250×W245×D50mm/樟/2023
 
 
 
アーティストステートメント
 
一本の樹をみているとたくさんの力が線状に折り重なっているのを感じます。もちろん幹や枝といった表面的な線もそうですが、さらに内部にある大きな直線的な力や、それらを繋ぐ曲線的な力の存在があり、周辺の樹々たちと取り巻く環境や関係性にまで、あらゆる線が満ちているように思われるのです。たとえば落ちた枝がばらばらと置かれている様や、大小さまざまな石がちらばっていたり、土から浮いてまた沈みゆく根だったり。それぞれがそれぞれの場所に置かれている事で、星座を結ぶような関係の線も生まれます。

それらと相対し線を木に彫ることで、かつて作られた年輪が地層のように表面に現れ、その木がここに至るまでの過去を少しだけみてとることができるのです。私自身の身振りも加わって、彫ること・かくこと・みることで、鑿跡と共に時間が溜め込まれ、これから重ねゆく時間的な線の存在も刻々と積みあがります。それを目の当たりにした誰かの時間もまた同様に積み重なっていくのではないでしょうか。

人も木も、あらゆる方向にあらゆる線がねじれ絡まってここにある。そんな時間の遠さ、そして空間の遠さを今ここに少しでも記しておけたらと思います。

髙山瑞
 
 
 
アーティストプロフィール
 
髙山瑞/Midori Takayama
撮影:コムラマイ

1993年神奈川県生まれ。
武蔵野美術大学造形学部彫刻学科を卒業し、東京藝術大学美術研究科彫刻専攻修士課程を修了。線と余白を主題に、木彫技法にて作品を発表している。主な展覧会に、個展「森のスケッチ」(2023年/沖縄県立芸術大学/沖縄)、個展「やまびこ」(2022年/galerieH/東京)、「木のシンギュラリティ #2」(2017年/旧平櫛田中邸/東京)
 
 
 
展示詳細
 
髙山瑞「山の端、切り込み」
 
会期:2023年4月29日(土)~5月26日(金)※終了⽇は変更になる場合があります。
時間:当店Webサイトをご確認ください。
会場:銀座 蔦屋書店 インフォメーションカウンター前
主催:銀座 蔦屋書店
お問い合わせ:03-3575-7755(営業時間内) / info.ginza@ccc.co.jp
 
 
 
販売について
 
銀座 蔦屋書店店頭および、アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」にて、4月29日(土)10時30分より販売します。
 
\オンラインストアで購入する/
2023年4月29日(土)10:30~販売開始
 

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