【展示】石原悦郎「The Beginning of Art Photography 写真をアートにした男」展

アート
2022年03月04日(金) - 03月31日(木)
伝説のギャラリスト・石原悦郎の活動と先駆性にフォーカスする展覧会「The Beginning of Art Photography 写真をアートにした男−石原悦郎コレクション」を開催。希少なコレクションを紹介するほか、オリジナルプリントの販売をします。期間は2022年3月4日〜31日、店内アートエディションコーナーショーケースにて。
 
石原悦郎は、1978年に日本橋室町にて日本で最初のコマーシャル・フォト・ギャラリーである「ZEIT-FOTO SALON」を創設したギャラリストです。
石原は写真の芸術性にいち早く気がつき写真画廊を創設しましたが、開廊当時の国内では、写真をアートとして扱うことはまだ一般的ではありませんでした。彼はアンリ・カルティエ=ブレッソン、ロべール・ドアノーなどの世界的巨匠らとパリで交流し、直接プリントを買い付けてきては日本で個展を開くことで、オリジナル・プリントの価値を根付かせていきました。
日本人作家の発掘にも尽力し、植田正治や荒木経惟、森山大道を世界に発信するとともに、畠山直哉、オノデラユキといった、のちに世界的に活躍する写真家たちを見出しました。1985年には国内初となる写真美術館「つくば写真美術館」を設立し、そこから写真のキュレーターや評論家といった人材を育んでいきました。今日のように写真家がアーティストとして活動し、写真が「アート」として受容され、コレクションされる写真の価値と歴史を語る上で欠かすことのできない存在です。

今回の展示では、ZEIT-FOTO kunitachiの協力のもと、石原悦郎のコレクションからウジェーヌ・アジェ、アンリ・カルティエ=ブレッソン、アンドレ・ケルテス、ビル・ブラントら、世界の巨匠たちの希少なオリジナル・プリント作品を展示・販売いたします。現像の名手と知られるピエール・ガスマンが手掛けた珠玉のプリントの数々をご高覧いただくとともに、石原悦郎とツァイト・フォト・サロン アーカイブ プロジェクトの協力のもと、石原悦郎の軌跡を記録したポラロイド写真、同時代のアートシーンの躍動を伝える安齊重男のフォトジンなど、希少なアーカイブ資料を展示いたします。
会場では、石原悦郎の生涯から日本写真史を立体的にとらえた書籍『写真をアートにした男』の著者である日本写真史研究家の粟生田 弓 (あおた ゆみ)氏によるアートとしての写真の見方やその価値を解くテキストをご紹介します。

写真がいまだかつてないほど、わたしたちの日常に身近になった現在──そして、現代アートが盛り上がりを見せる今日。「アートとしての写真」は多くの可能性に満ちています。
「ZEIT-FOTO SALON」創設の地、日本橋にほど近い銀座という場所で、石原悦郎の活動の軌跡を追い、日本におけるアートとしての写真の「はじまり」を見つめることで、現代を生きるわたしたちも「アート写真のはじまり」を体感するとともに、ユーモアとのびやかな悦びに満ちた石原コレクションの世界をお届けできましたら幸いです。
 
【展示作家】
アンリ・カルティエ=ブレッソン
ウジェーヌ・アジェ
アンドレ・ケルテス
ビル・ブラント
WOLS
Tommaso Cuccioni
福原信三
 
Cour, 41 rue Broca 1912 Jean-Eugène Atget(石原コレクションより)
 
Eunuch of the imperial court of the last dynasty, Peking 1949 Henri Cartier-Bresson
(石原コレクションより)
 
[アーティストプロフィール]
石原悦郎/いしはら えつろう (1941-2016)
 

東京都生まれ。日本橋室町に日本で最初のコマーシャル・フォト・ギャラリーであるZEIT-FOTO SALONを1978年に創設。カルティエ=ブレッソン、ブラッサイなど欧米の作家と交流し、彼らから直接オリジナルプリントを買い付け、日本に「アートとしての写真」という考え方を広める。同時に荒木経惟や森山大道といった日本を代表する写真家を世界に送り出し、2000年代に入ると中国や韓国といったアジア圏で自身のコレクション展を企画開催し大きな影響を与えた。一生涯を芸術に捧げ、写真に限らず、絵画やワイマール期のSPレコードの収集家としても、まとまったコレクションを築き上げた。
 
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