【展示】TERRI WEIFENBACH『CLOUD PHYSICS』刊行記念

銀座 蔦屋書店では、写真家 テリ・ワイフェンバック（Terri Weifenbach）の写真展『Cloud Physics』を開催いたします。

テリ・ワイフェンバックは、アメリカの写真家です。
日常にある何気ない自然をカラーで描き出し、ピンボケ画面の中にシャープにピントがあった部分が存在する写真が特徴で、夢の中にいるような瞑想感が漂う光り輝ようなその作品は、日本でも高い人気を誇ります。

 

この度、テリ・ワイフェンバックの作品集『Cloud Physics』がフランス Atelier EXB と米国 The Ice Plantから刊行されました。

「Cloud Physics」（雲物理学）は気象学・気候学と密接な関係があり、気候変動の研究と切り離すことができない大気物理学を意味します。本作でテリ・ワイフェンバックは自らの自然をテーマにした作品スタイルを、大気の中で起こる様々な気象現象と関連付け、地球上の雲と生物などとの複雑な関係性を、ヴィジュアルの形態や質感を通して探求しています。撮影はさまざまな場所で、あらゆる季節に、夜明けから夕暮まで行われました。数年かけて撮影された何千枚もの写真が、ウォレス・スティーブンス の詩を参考にして編集され、最終的に約 7 年の歳月をかけて、2020-21 年の都市のロックダウン中に「Cloud Physics」は完成しました。彼女は「パンデミックが起こり、自然は我々よりも強いということが明らかになりました。」とコメントしています。

 

フォトブック巻末には全作品の撮影場所、撮影日に加え詳細な気象データ（降水量、気温、湿度、風速、気圧）が記載されています。彼女はフォトブック刊行に寄せて「私が言葉ではなく、写真で表現したいのは、気候変動によって失われるものは美しさだということです」と記しています。

フォトブック「Cloud Physics」には、光、湿度、火、稲妻のわずかな変化、虹色の霧や蒸気などの織りなす気象現象を背景に、空、雲、水、植物、動物などの自然界や、都市などを撮影した作品が収録され、生きとし生けるもの、大地と空、太陽と雲の共同性が表現されています。ワイフェンバックの自然への愛着、その美しさと神秘性を讃えるまなざしに変わりはありませんが、同時に、自然の絶滅に直面したときの恐怖が明らかにされています。

 

今回の展覧会は、作品集収録作品が展示されるとともに、フォトブック「Cloud Physics」（ワイフェンバック直筆サイン入・アーティストステートメントカード付）を数量限定で販売いたします。環境を意識した、本作のコンセプトと共通する、リサイクルコットン製のエコバックが付属します。

テリ・ワイフェンバックの美しく叙情的な作品は、わたしたちに、当たり前の自然の尊さ、環境変化に対する未来について問いかけます。

是非、作品集をお手にとって、ご高覧ください。

 

[展覧会会期]
アートエディションコーナー　ショーケース：5月9日(月)～5月31日(火)
写真集コーナー：5月20日(金)～6月10日(金)

 

[アーティストプロフィール]

TERRI WEIFENBACH（テリ・ワイフェンバック）
1957 年米国ニューヨーク州、ニューヨーク市生まれ。2019 年以来、フランス・パリに在住。メリーランド大学で絵画を学んだ後、約 30 年以上に渡り写真家として活躍。また教育者としても、コーコラン・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン、ジョージタウン大学などで教鞭を執っていました。2015 年にはグッゲンハイム・フェローを受賞。写真集は｢In your dreams｣（1997 年）、｢Hunter Green｣（2000 年）、｢Lana｣（2002 年）、「Between Maple and Chestnut」（2012 年）など。初期作はレア・フォトブックとしてコレクターズ・アイテムになっています。作品は 15 年以上にわたって国際的に展示されており、サー・エルトン・ジョン写真コレクション、アリゾナ大学 Center for Creative Photograph、ドイツ・ケルンのルートヴィヒ美術館などに収蔵されています。日本では、2017 年、IZU PHOTO MUSEUM（静岡県）で個展「The May Sun」展開催。2020 年に「さいたま国際芸術祭 2020」に参加。ブリッツ・ギャラリーでは、複数回の個展、グループ展を開催しています。（カッコ内は作品／写真集として発表された年)

 

[販売について]

店頭・オンラインストアにて、販売いたします。