浦和 蔦屋書店の本棚Vol.9『medium 霊媒探偵城塚翡翠』相沢沙呼

商品紹介
2020年09月06日(日) - 09月30日(木)

今回ご紹介させて頂くのは、ミステリ最大の禁忌に手を出した小説『medium 霊媒探偵城塚翡翠』です。

 

推理小説家である主人公・香月史郎が、城塚翡翠という可憐な霊媒師とともに幾つかの殺人事件を解決へと導いていく本作。

霊媒の力により被害者の最期の声を聴き犯人がわかっても、霊媒能力では証拠にならない。そこで必要になってくるのが、推理小説家である主人公の明晰な頭脳です。霊媒により聴いた被害者の最期の声をもとに、犯人へと至る物証を見つけ出し、逮捕に至る道を着実に創り上げていく。そうして城塚翡翠とともにいくつかの難事件を解決していく主人公。しかし、二人の謎解きはやがて世間を揺るがす大きな事件へと交差していき―――――。

 

タイトルにもある通り本作はミステリでありながら、なんと霊媒師が登場します。

被害者の声を超能力で聞いてしまうという禁断の手法。これまでの凝り固まったミステリ小説観を全力で叩き割られるような快感、そして解放感。死者の声を聴いてしまうなんて、私が犯人だったら「そんなのありかよ!」と言いたくなってしまいます。けれど、主人公の視点に立つ私たち読者は探偵側。このズルをするような背徳感がたまりません。これぞミステリの新時代を駆ける最高の作品です。

何もかもが予想不可能な本作ですが、間違いなく令和ミステリ界を代表する作品となるでしょう。物語の始まりから終わりまで、そのすべてにおいて読者は相沢沙呼先生の掌の上で転がされ続けます。この時代に生まれ、この作品を読むことができたことは、書店員として最大の幸福でした。

ミステリ界の麒麟児、相沢沙呼先生が描く『medium 霊媒探偵城塚翡翠』。

これを機に、新たな名作の誕生を味わってみてはいかがでしょうか。

 

文芸担当:細矢

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