お菓子とお酒とカクテルと

▲左から(反時計回り)
『洋酒、スパイス、ハーブ、塩を効かせた 香り高い焼き菓子 大人のBAKE』
『英国の郷土菓子 お茶を楽しむ「ブリティッシュプディング」のレシピブック』
『熟成ケーキ』
『大人のほろ酔いスイーツ』
『カクテル&スピリッツの教科書』
 
 
お酒を使ったお菓子には
味に深みと的(まと)がある
お酒に合うお菓子もある
お酒の使い残りでカクテルもできる
 

寝かせて美味しくなるケーキ

こちらのレシピ本の作り方はどれも混ぜて焼くだけ、あるいは蒸すだけ。
ただ、すぐには食べられません。焼いてから数日寝かせるのです。

『熟成ケーキ』
(磯貝由恵・著、河出書房新社・刊、1,500円(税別))

寝かせたあとは、それぞれ2週間から6ヶ月保存できるケーキができます。
レシピにはそれぞれの食べごろと保存期間が明示してあり、目安になります。

《この本に使われているお酒》
ラム酒(ダーク、ホワイト)、ブランデー、キリュッシュ、ウォッカ、スタウトビール、赤ワイン、桂花陳酒(またはシェリー酒)。
(※お酒の名称は、本書表記に従っています。)

「熟成味を作る素材」として、以下を挙げています。
「アルコール」「甘み」「油脂」「ドライフルーツ/ハーブ」「スパイス」「天然酵母(ドライイーストタイプ)」。


▲抹茶レモンミントのケーキは軽やかでしっとり。ホワイトラムはほんのり。寝かせて待つのがもどかしい。

「プディング」はイギリスのお菓子です
本書は、イギリスの「プディング」という料理(後に"デザート"の意味でも使われるようになっていく)を切り口に、歴史を辿りながら、イギリスのお菓子の進化を紹介する一冊です。

『英国の郷土菓子』
お茶を楽しむ「ブリティッシュプディング」のレシピブック』
(砂古玉緒(英国菓子研究家)・著、講談社・刊、1,500円(税別))

古くから飲まれているウイスキーが、焼き菓子のみならず、冷たいお菓子にも使われています。

《この本に使われているお酒》
スコッチウイスキー、アイリッシュウイスキー、赤ワイン、ギネスビール、ブランデー、キルシュ。
(※お酒の名称は、本書表記に従っています。)


▲ウイスキー浸けレーズンの苦みが、バターのトッピングのミルキーな味に溶けていく、大人のチョコレートケーキ。

「ウイスキーのスペルの違いは産地の違い」というのもおもしろい!
「スコットランドは、Scotch Whisky」
「アイルランドは、Irish Whiskey」

「日本は、ニッカウヰスキーの創業者」が「スコットランドで」学んだので"e"がなく、 アイルランドから伝わった製法のウイスキーには「e」があるのです。
(諸説あります。)


ホーローバットで大人の焼き菓子

ケーキはすべて「ホウロウバット」(21×16.5×深さ3cm)1台分、あとは数点、型不要のクッキーのレシピです。

『洋酒、スパイス、ハーブ、塩を効かせた香り高い焼き菓子 大人のBAKE』
(荻田尚子・著、誠文堂新光社・刊、1,400円(税別))

本書は、洋酒のみならず、スパイス、ハーブ、塩を使うお菓子が載っていますが、他書にはない、バーボン(アメリカのウイスキー)、ココナッツリキュールを使ったものもあります。

《この本に使われているお酒》
ラム酒、キルシュ、ブランデー、グランマルニエ、カルヴァドス、バーボンウイスキー、コアントロー、赤ワイン、ココナッツリキュール、洋なしのリキュール、コーヒーリキュール、アマレット、黒ビール、白ワイン。
(※お酒の名称は、本書表記に従っています。)


▲アメリカのウイスキー、バーボンは、キャラメル風味を持つ。アメリカで生まれたケーキ、ブロンディーにぴったり。
本書のレシピを基にして、ピーカンナッツにドライクランベリーを加え、クランベリー果汁を加えたホワイトチョコで飾ってみました。
頬張ると、噛むたびにいろんな味がして楽しい。


お酒を楽しむお菓子やおつまみ

お酒を使ったお菓子やデザート、お酒に合うお菓子、そして、お菓子に使ったお酒で作るカクテルのレシピが紹介されている本です。

『大人のほろ酔いスイーツ』
(若山曜子・著、産業編集センター・刊、1,500円(税別))

「本書に登場するお酒の保管や保存の方法」も役立ちます。

《この本に使われているお酒》
赤ワイン、白ワイン、シャンパン、スパークリングワイン、ブランデー、ダークラム、ホワイトラム、ビール、黒ビール、日本酒、桂花陳酒、キルシュ、ポワールウィリアムス、グランマルニエ、カルバドス、カルーア、アマレット、チョコレートリキュール。
(※お酒の名称は、本書表記に従っています。)


▲甘口赤ワインに合うロックフォール(ブルーチーズ)サブレ。
ほろほろチーズサブレとぶどうの香りで、お口の中がプチパーティー!

※代官山 蔦屋書店3号館1階料理コーナーでは、各種ワインもお取り扱いしております。


▲各国よりビオワイン(ヴァン・ナチュール、自然派ワイン)を取り寄せています。
ワインセラーで冷やしたワイン、シャンパーニュ、スパークリングワインも用意しています。
 

 お菓子で使ったお酒でカクテル

「カクテル方程式」「カクテルカタログ」「リキュールを知る」「スピリッツを知る」の4章からなる本です。
お菓子に使うお酒があればカクテルが作れることがよくわかる、親切なカクテルの教科書。

『カクテル&スピリッツの教科書』
(橋口孝司・著、新星出版社・刊、1,500円(税別))

カクテルの出来上がり写真だけではなく、お酒の製法やお酒のカタログ的な頁も有難い。

お菓子で使ったお酒でシロップをつくり、
カクテルで覚えた相性のいい果汁でゼリーを作れば、素敵なデザートができます。


▲ブラッドオレンジゼリーにカンパリシロップをかけました。
一度シロップをかけたが最後、かけずにはいられない味!

※ ご参考までに…。
【《シロップ+洋酒》で大人味】
水60ccとグラニュー糖60gを弱火にかけ、グラニュー糖が溶けたら火を止め、洋酒大さじ1杯を加える。
十分冷ましてから冷蔵庫で冷やすこと。


▲(左から)ブランデーシロップ、ラムシロップ。
大人の分にだけお使い下さい。


ブランデーシロップやラムシロップを作ったら、そのまま焼き菓子やアイスにたらしても、コーヒーや紅茶に加えても美味。

カクテルは、お酒と果物や他のドリンクとの相性を教えてくれます。
自由な発想で、お菓子作りの参考になります。

なお、お酒を使ったお菓子は、小さなお子様にはお与えになりませんよう、ご注意下さい。

お菓子とお酒は相性がいい。
カクテルの組み合わせを知ることで、
コーヒーや紅茶、ケーキやアイスやゼリーにも
魔法の一匙をかけてみて下さいね。
 

料理コンシェルジュ
澤 峰子

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