こねないパンは、がんばらない

▲左より、
『ボウルひとつで作れる こねないパン NO KNEAD BREAD』
『「ストウブ」で、パン』
『はるみのこねないパン』
 
 
こねないパンはがんばらない
必要なのは時間だけ
ゆっくり菌がはたらいて
おいしいパンにしてくれる
 
●こねないパンのレシピ本
パンを作ってみたくても、こねる、のハードルがありました。
そこで、こねないパンのレシピ本を3点と、パンの読み物2点をご紹介します。
鋳物琺瑯鍋が要るもの、霧吹きを使うもの、微量計(0.1gが計れる)と温度計が必要なもの、それぞれ少しずつレシピが違います。

●自分で焼いたパンはいとおしい
最初は、パンのある暮らしを提案してくれる栗原はるみさんの1冊です。
『はるみのこねないパン』(栗原はるみ・著、扶桑社・刊、860円(税別))

このレシピに従えば、初めてでもパンが焼けます。
栗原さんが300回焼いて完成させたレシピで、ブール(ハード系の丸いパン)が出来上がります。
 
▲強力粉、水、塩、ドライイースト、砂糖。

材料はこれだけです。
栗原さんのレシピは約4人分ですが、上記の写真は半量の2人分にしてみました。
粉は栗原さんと同じように強力粉(日清カメリア)を使っています。
 
▲焼きたてはふわふわのクラムがおいしい。

ハード系(リーンなパン)で、どんな味にも合います。
自分で焼いたパンは本当にいとおしい。

以下は、栗原さんとはちょっと違う食べ方のご提案です。
 
▲ゴールデンシロップと食塩不使用バターがパンとよく合います。

焼いて4時間は焼きたてを、その後と翌日はトーストしたてを食べましょう。
 
▲クリームチーズと紅玉りんごの甘煮をトーストにのせると、
ざっくり、ジューシー、クリーミー!
フレンチトーストに自家製苺ジャムは味も香りも抜群です。

こねないけれど、栗原はるみさんのレシピでは、鋳物琺瑯鍋(ル・クルーゼなど)を使います。
 
▲こちらはル・クルーゼの鍋。(スタッフ私物)
 
▲オーブンに入れる際は、蓋のつまみをステンレス製のものに取り替えます。
(スタッフ私物)

●おうちで焼いてプロの味
2冊目は、プロ級の味をおうちで作るレシピ本です。
『ボウルひとつで作れる こねないパン NO KNEAD BREAD』(真藤舞衣子・著、主婦と生活社・刊、¥1,300(税別))

こちらのレシピも材料は、粉、水、砂糖、ドライイースト、塩の基本材料のみです。
粉に対して水分量の多い「高加水パン」のチャバタがメインの1冊です。
 
▲焼きたては本当においしくて、パンだけでパクパク食べてしまいます。

一晩、冷蔵庫で発酵させる必要がありますが、ほとんどのレシピはお鍋も型も要りません。
ただ、チャバタを焼く際、霧吹きを使います。

粉は準強力粉(リスドォル)を使いました。

「発芽雑穀」(当店でお取り扱い中)も混ぜてみました。
※当店サイトのオフィシャルブログ、2016年11月3日「『発芽雑穀』はスーパーフード」の項もご参照下さい。
 
▲「発芽雑穀」を下ごしらえして(下記参照)、チャバタの生地に加えました。

粉は準強力粉(仏産小麦粉ブリアンス)を使いました。

「発芽雑穀」をチャバタの生地に入れて焼くと、どこにも売ってない最上級の雑穀パンになります。

「発芽雑穀」の下ごしらえ方法は以下をご参照下さい。

【雑穀パンに入れる「発芽雑穀」の下ごしらえ】(使い切り分)
①「発芽雑穀」大さじ1と水30ccを耐熱容器(250cc以上で高さのあるもの)に入れてラップをし(一部ラップをずらして通気口を開ける)、電子レンジ500Wに1分半かける。
②そのまま5分蒸らす。
③さらに500Wに1分半かけて出来上がり。
 
▲レンジ調理で下ごしらえした「発芽雑穀」。

●プロが教えるおうちパン
3冊目は、プロの理論を初心者でも作れるレシピにしてくれた一冊です。
『「ストウブ」で、パン』(ロティ・オラン 堀田誠・著、河出書房新社・刊、1,500円(税別))

こねないけれど、鋳物琺瑯鍋(ストウブなど)と微量計(0.1gが計れる秤)、温度計などが必要になります。
こちらも「高加水パン」です。

粉は、堀田シェフのおすすめに従い、「国産小麦粉」で「灰分量」は「0.4%以上」ということで、キタノカオリ(準強力粉)を使いました。
 
▲「カリッ」「しっとり」「もっちり」の、夢の食感がストウブでかないます。

「密閉容器で計量すれば」「粉が飛び散ることも、手を汚すことも」ないというのも本当でした。
 
▲こちらはストウブの鍋。(スタッフ私物)

●パンの世界を知る2冊
パンの世界は小麦粉の世界です。
関連書籍はいくつか出版されていますが、その中から以下の2点をご紹介します。
『FOOD DICTIONARY パン』(エイ出版社・刊、1,500円(税別))
『パンの世界』(志賀勝栄・著、講談社新書メチエ・刊、1,650円(税別))

『FOOD DICTIONARY パン』はパンの解説書。写真が豊富でわかりやすい1冊です。
小麦粉、水、酵母、塩などの素材について、3分の1近くページをさいています。

『パンの世界』は「高加水パン」の第一人者である志賀シェフの「まずはおいしさがあって、結果として健康になるのが理想」というコンセプトがよくわかる読み物。

●パンの心は手の心
フォカッチャも焼いてみました。
ビーツの茹で汁をたっぷり使ったものです。
冷えたスパークリングワインとよく合います。
 
▲『「ストウブ」でパン』の「フォカッチャ風高加水パン」を参考に焼きました。

粉は準強力粉(カプート社のピザ用00番)を使いました。

茹でたビーツは自家製サワークリームと合わせてディップクリームにし、
プロシュート・クルードとイタリアン・パセリものせ、イタリアのスパークリングワインと合わせました。
 
▲「シャルドネ・ブリュット・スプマンテ NV」
【生産地】イタリア・ピエモンテ州
【作り手】ボルゴ・マラグリアーノ
1,939円(税抜)
 
代官山 蔦屋書店 3号館1階 料理コーナーでは、お酒の販売も行っています。
他にも各種ワインをお取扱いしております。


手仕事は手が発見してくれます。

パンの心は手が気づいてくれるのです。

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【書籍紹介】
1.『はるみのこねないパン』
(栗原はるみ・著、扶桑社、860円(税別))

‣オンラインストアはこちら

2.『ボウルひとつで作れる こねないパン NO KNEAD BREAD』
(真藤舞衣子・著、主婦と生活社、1,300円(税別))

‣オンラインストアはこちら

3.『「ストウブ」で、パン』
(ロティ・オラン、堀田誠・著、河出書房新社、1,500円(税別))

‣オンラインストアはこちら

4.『FOOD DICTIONARY パン』
(エイ出版社 1,500円(税別))

‣オンラインストアはこちら

5.『パンの世界』
(志賀勝栄・著 講談社新書メチエ 1,650円(税別))

‣オンラインストアはこちら

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料理コンシェルジュ
澤峰子
 

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