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【第3回】代官山映画オヤジの部屋『89歳の名優~クリント・イーストウッド~』

第3回目は、映画オヤジが大好きなクリント・イーストウッドについてです。

若い映画ファンの方々は、クリントのことをどう見ているのでしょう?
おそらく立派な映画監督というイメージで、自分たちとは若干縁遠い存在と見ているのではないでしょうか。

そして俳優というより監督としての認識の度合いが強く、たまに主演もしている、というところだと思います。(なんと嘆かわしいことでしょうか)

違います!一言で語るなら【89歳の名優】です!

『運び屋』
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それを証明する映画が最新作『運び屋』です。
映画を紹介する前に、ちょっとだけクリントの略歴を語らせてください。

1930年5月31日生まれ、60年代に何とか俳優となったものの、TV西部劇『ローハイド』以外は、まったく売れなかったので単身イタリアに渡って西部劇に出ます。それが黒澤明監督の名作『用心棒』を無断盗用した『荒野の用心棒』です。続けて『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン』と作り、本国アメリカ以外で人気を博し、マカロニ・ウエスタンのスターとなります。

アメリカでの人気を決定づけたのがドン・シーゲル監督の『ダーティハリー』、見事にシリーズ化になり彼の代表作として認められることになります。クリントの映画作りの師匠がこのドン・シーゲルとイタリアで一緒に仕事をしたセルジオ・レオーネ。“イーストウッド最後の西部劇”となった『許されざる者』は2人に捧げられた名作です。

ここから先の立派な監督ぶり(何だか嫌な言葉ですね)はアメリカ映画史を眺めれば、すぐに分かることなので、このぐらいにしましょう。

さて、今回の『運び屋』は自ら監督と主演を兼ねた作品ということで見れば2008年の『グラン・トリノ』以来(その間、主演だけの『人生の特等席』がありますが)です。

ではなぜ、主演もしたか?

それは主人公の年齢が90歳という、自分にしか演じられない役柄だったからです。

実話を元にした映画をクリントは好んで映画化しています。そこに悩めるアメリカの姿をみて、若い世代に警鐘を鳴らしているのでないかと思うほどです。今回も実際にあった事件を知って映画化を決めたということです。

主人公アールは90歳になっても、家族を大切にしない不良オヤジです。まさに『グラン・トリノ』のコワルスキーの10年後のようです。そうなのです。クリントの映画はいつもどこかで繋がっているのです。だから見続けなくてはいけないのです。

アールに事件を起こさせ翻弄するのがヒスパニック系のギャングたち。しかし、この老人、家族には優しくないのに、こいつら不良や事件を捜査するエージェントには凄く優しいのです。ここにこの映画の見どころがギュッと詰まっています。そこを感じて下さい。

クリントの親友であり、映画界の盟友は黒人俳優のモーガン・フリーマンです。モーガンには『インビクタス』でネルソン・マンデラを演じてもらった関係でもあります。ここから分かるようにクリントに人種的偏見は全くなく、もちろんそれはヒスパニック系も一緒なのです。

事件がどんどん大きくなっていくにつれ、ギャング連中は皆この老人を愛するようになります。そして、それは観客も同じ感情を持ってスクリーンを見つめます。これこそ映画監督・クリント・イーストウッドの術中にはまっていく快感なのです。

この『運び屋』の宣伝文句にクリントのことを“生ける伝説”とかすごく大袈裟に言っているのがありますが、映画オヤジ的には、まったくふざけるなと言いたい。

【89歳の名優で、現役の監督】それでいいじゃないか!

だって、まもなく撮影に入るのはアトランタ・オリンピックのテロ事件に人生を狂わせられた男の物語という。そして、しばらくすると出来上がるのだろう(早撮りで有名ですからね)。これぞ現役の証拠でしょ!

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