雑誌、ラジオパーソナリティーなど多方面で活躍されるモデル前田エマさん。2022年刊行の、独特な少女時代の煌めきを綴ったはじめての小説集『動物になる日』（ちいさいミシマ社）は、強炭酸ソーダ水のような透明で甘酸っぱくシュワシュワな口当たりで、一気に飲み干そうとすると残酷な喉ごしにもかかわらずいつのまにか心の滋養に効く読後感。

昨年『アニョハセヨ韓国』（三栄）に引き続き、このたび待望の初エッセイ集『過去の学生』がミシマ社より刊行されます。「人が大人になっていく幾つもの瞬間」、「子どもという弱くて完璧な存在への愛おしさ」、とある宝物のような一日を「取り出しては眺め、きらきらと輝いているのを確認しては、そっとしまうのを繰り返している」。子ども時代から最近の韓国留学の日々まで、学びの中で見過ごせない違和感や自分を再発見されるエッセイ集です。装画・挿画を担当された坂巻弓華さんをゲストにお迎えしトークイベントを開催いたします。坂巻さんは、美しくシュールな『坂巻弓華寓話集』（BOOKNERD）を刊行され、前田さんは巻末エッセイを寄稿されています。「寂しさと悲しさの真ん中のような気持ち」と、衒いなくくすくすわらってしまうユーモラスな作風、美大出身という共通点をもつおふたりの「アートがこの世にあってよかったな」や、子ども時代からいまのお仕事につながる「あれやこれや」をお話ししていただきます。

1号館2階キッズコーナーでは、おふたりの著作をはじめ、おすすめ絵本や児童文学などもご紹介いただくフェアも同時開催いたします。 どうぞふるってご高覧くださいませ。