【菅原敏 詩集『かのひと 超訳 世界恋愛詩集』×五人の陶芸家】竹村良訓×ライナー・マリア・リルケ「僕らはみんな落ちていく」編

5人の陶芸家が、詩集『かのひと 超訳 世界恋愛詩集』から一遍の詩を選び、その詩にインスパイアされ制作した作品を、銀座 蔦屋書店BOOK(文具)にて展示販売いたします。(3月20日(火)~)
発売を記念し、ライナー・マリア・リルケの「僕らはみんな落ちていく」を選んだ竹村良訓さんにインタビューを行いました。

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もともと理工学部を志していたほど、理系肌だった竹村さん。今回の作品では、その素養を垣間見せるような着眼点を発揮しています。彼はリルケの詩の「落ちる」というキーワードから、「放物線」という物理的事象をイメージし、そこから器へと転換することを試みました。数学的なアプローチから生まれた器は、美術と数学という一見相反するものが実は表裏一体だということを、気づかせてくれます。孤独の中へ落ちていく、小さな宇宙を彷彿とさせるうつわは、彼のロジカルな思考から生まれたアートピースです。

-なぜこの詩を選んだのですか?
竹村:候補として数篇に絞ったなかでも一番形、色、さらには陶としての表現技法までイメージ出来たので選びました。

-この詩をどのようにイメージ(器)に転換されたのか教えてください。その際に、ポイントとなったワードやフレーズがあれば教えてください。
竹村:終始繰り返される「落ちる」という言葉(というかその「落ちる」という事そのもの)に一番触発されました。落ちるという事から自由落下運動、落下放物線、等々かつて好きだったジャンルでの想像の枝が伸びていきました。そこから形を作りました。すなわちy=ax²という2次関数が描く曲線(下放物線)を内型とし、それをロクロで軸回転させる事で「放物面」という形状を内包する器を造形しました。

-リルケについて、何か思い入れやエピソードがあれば教えてください。
竹村:リルケが造形に造詣(笑)があるというのがおもしろく、しかも納得しました。造形をイメージして編まれた詩を、さらにその詩から造形を引き出すという連鎖もおもしろく感じました。

-今回、詩から器を作ってみて、いかがでしたか?率直な感想を教えてください。
竹村:言葉から作品を作るという事は(作る前から考えていた通り)とてもスムーズで楽しい作業でした。僕の印象では普段から「言葉」は「イメージ」であるだけでなく、かつ重さや手応えや色味のある「造形物」だと思っているので。その鏡写しに「造形物」には形・色だけでなく意味やイメージの側面もある事を考えると、言葉と造形とが「一対であり一体である」と手を通して再認識できて良かったです。

-ありがとうございました。

【プロフィール】
竹村 良訓 (たけむら よしのり)
2003年武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業。2005年東京芸術大学大学院保存修復学科修了。予め決まった形をつくらず、出来上がった形に対して合わせる色を想像し、服を着せるように釉掛けをほどこす、即興によって生まれる器が魅力。カラフルで遊び心溢れる器は、全てが再現性を持たない一点もの。

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構成:銀座 蔦屋書店 石谷

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