【インタビュー】「ここが、新たな日本と世界の文化発信拠点」日本文化・トラベルコンシェルジュ岡田

アートと日本文化をテーマに、世界一、アートを身近に感じられる書店を目指す銀座 蔦屋書店。
実は、2018年に入り、「旅」コーナーができたのをご存知でしょうか?

「日本文化」と「旅」をテーマに、選書・グッズ・イベント企画を新たに任されたのが、
銀座 蔦屋書店 日本文化・トラベルコンシェルジュの岡田です。
書籍だけでも優に15,000冊を超えたという売場づくり。
店舗一の面積を有し、様々なイベントも執り行われるスペースを任されるにあたり、
どういったアイデアを持ち、変えていったのか、ご本人に伺いました。

日本文化・トラベルコンシェルジュ岡田。
お気に入りのルイ・ヴィトンの書籍コレクション「ファッション・アイ」を手に、「動植物」テーマの前で。

—今回のテーマが「旅」に決まったのは、どういった理由からでしょうか?
岡田:「旅」は常に需要があり、恐らく全世界の書店で、一ジャンルとして欠かすことはできないものです。銀座 蔦屋書店では「旅」というジャンルを通して、世界の文化を発信していきます。つまりは、スペース全体を通して「日本と世界の文化発信の拠点にする」ことを考えました。

—なるほど。「旅」というフィルターを通して世界の文化を発信することで、書店としてまた一味違った棚展開にするというわけですね。実際、「宇宙」や「市場」、「ファッション」など、様々なカテゴリに特化し枝分かれしています。
未知のことが多い宇宙を知ること自体、旅に似た感覚がありますし、今は台湾の夜市やパリの蚤の市に行きたくて旅を組む人もいて、旅が連想しやすいです。一方で、「恐竜」や「動植物」はやや旅を連想しにくいのでは…?このカテゴリを選択した理由を教えていただけますか?

岡田:はい。例えば「恐竜」は、「古代トリップ」をイメージしました。時間や空間を超えることが一種の旅であると見立てたんです。世界に散らばる遺跡や博物館を見に行くことをメインにした旅を提案する場所、と考えていただければ分かりやすいでしょうか。また、「動植物」を選んだのは、昨年、雑誌のCasa BRUTUSが、水族館と動物園の特集をしていたんですが、それがすごくいい特集で。その時初めて「動植物」というテーマが、旅の目的の中の大きな要素の一つになり得ると感じました。具体的には「サバンナの像やキリンを見るためにアフリカに行く」や、「ペンギンに会うために南極に行く」などです。

—確かに、シンガポールのナイトサファリは大人の私が行っても十分に楽しめたな、という思い出が蘇りました。人によっては、それが旅の主目的になることだってあるかもしれませんね。
岡田:銀座 蔦屋書店が、「旅」と何かが掛け合わさった時にどういう旅が生まれるか、世界中の文化を発信することで、そのきっかけをご提案する。結果、その人その人の興味関心をきっかけに、多種多様な「旅」が生まれる場所になる。「これがしたいからここに行きたい」「あれが見てみたいからあそこに行こうかな」という旅の提案の仕方を、ここで出来ればと思っています。

「動植物」がテーマの棚。人気の図鑑も並べられている。

—さて、今回の「旅」テーマから派生して、グッズでは、サクラスリングの取り扱いが銀座 蔦屋書店で開始されましたね。
岡田:サクラスリングは、私が代官山 蔦屋書店で勤務していた頃、同じ敷地内に店舗を構える北村写真機店で販売していたグッズです。カメラは旅の必需品。サクラスリングが、今回の「旅」テーマに関連するグッズとしてぴったりだなと考え、取扱いを開始しました。

サクラカメラスリング。全て杉山さんの手作り、どれも1点物だ。

—ではここで、サクラスリングを詳しくご紹介。
サクラスリングは、杉山さくらさんが製作・販売する、デザインと機能性にこだわった「今までにないカメラストラップ」。「写真を撮るように」杉山さんが選ぶ様々な色・柄の生地を、「組み写真のように」2種類組合わせで製作されており、カメラの重さで首に負担がかかるのを、スリング独特の構造で分散してくれる優れものです。2014年に製作に取り掛かり12月から販売開始、翌年9月にはGOOD DESIGN賞を受賞されています。

銀座 蔦屋書店では取り扱い開始を記念し、2月6日(火)~8日(木)の間、創業者の杉山さくらさんにお越しいただいてスリングの実演製作を行っていただきました。
そこで、杉山さんに「旅とサクラスリング」のエピソードを伺いました。

—GOOD DESIGN賞受賞後、実際にサクラスリングを付けて、杉山さんご自身が旅された場所はありますか?
杉山:はい。2年に1度、ドイツのケルンで開催される世界最大級のカメラの祭典「Photokina(フォトキナ)」に参加しました。サクラスリングを広く世界の人に知っていただくため、メーカーのブースを巡りましたね。「面白い」とスリングに興味を持って下さる方もいて、現地で直接、情熱をご理解いただけた実感がありました。何より、写真集で見たことしかなかった場所へ実際に足を運び、自分の五感で確かめられたことと、「やっぱり、リアルに体験しないといけない、自分のフィルターを通して全てを感じることが、人生を豊かにするんだな」と感謝でいっぱいの旅になりました。

ドイツ ケルン駅での思い出の一枚。和柄のカメラスリングが映える。

—銀座 蔦屋書店での取り扱いも開始され、今後ますますサクラスリングが広がっていきますね。
杉山:そうですね。カメラが私の人生に新しいきっかけをくれたことに深く感謝し、これからはサクラスリング創業者として、カメラ業界に寄与したいと思っています。カメラを愛する世界中の人にサクラスリングを知っていただけるよう、これからも活動を続けたいと思います。

【プロフィール】
杉山さくら (すぎやま さくら)

1980年生まれ。株式会社サクラスリングプロジェクト代表取締役社長。「サクラカメラスリング」創業者。3児の母としての経験からベビースリングをカメラのストラップに応用して同商品を発案、商品化し現在に至る。介護福祉士、保育士資格を所有。サクラスリングに取り掛かるまでは保育士として勤務していた。
WEB:http://sakurasling.com

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»»オンラインショップ では、サクラカメラスリングの取扱い方法やカメラへの取り付け方、お手入れ方法など、動画も交えてさらに詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。
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—今後、サクラスリングは銀座 蔦屋書店で常設販売となるそうですね。スリングの新企画もあるとか?
岡田:はい、銀座 蔦屋書店限定のサクラスリング製作を企画しています。銀座 蔦屋書店のコンセプトを汲んだ「日本文化×アート」がテーマのものと、ゴールドの生地を使用した、男性でも手に取りやすい「高級×シック」がテーマのものの2種類を予定しています。今まさに、杉山さんと生地の選定を進めているところですね。

—サクラスリングの表現がさらに豊かになりますね。実物を拝見できる日が待ち遠しいです。
岡田:楽しみに待っていてください。

—最後になりますが、銀座 蔦屋書店のお客様へ一言お願いします。
岡田:銀座 蔦屋書店は「旅」テーマを取り入れ、アート、日本文化に加えて世界の文化の発信拠点となり、今後もより内容の充実した書店へと発展していきます。銀座 蔦屋書店にいらしていただいたことがあるお客様も、まだのお客様も、これからの銀座 蔦屋書店に引き続きご期待ください。そして、他の書店にはない、各カテゴリに精通したコンシェルジュに、沢山疑問・質問などを投げかけて頂ければと思います。皆様のご来店を心よりお待ち申し上げております。

—ありがとうございました。

取材撮影・構成・文 : 銀座 蔦屋書店 石谷

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