【展覧会】今坂庸⼆朗 個展「Wet-Land」

アート|ART-GALLERY-THE-CLUB
GINZA SIX 6F THE CLUB(銀座 蔦屋書店内) 2022年02月12日(土) - 04月16日(土)
銀座 蔦屋書店内ギャラリーTHE CLUBでは、NYを拠点に活動する若⼿アーティスト、今坂庸⼆朗の個展「Wet-Land」を開催いたします。
会期は2⽉12⽇(⼟)〜 4⽉16⽇(⼟)。
 
今坂は2007年に渡⽶し、以来NYを拠点に活動しています。今坂は各地の⾃然に⾶び込み、気候や⾵景の変化を観察し、何⽇もの時間をかけて唯⼀無⼆の⼀枚を写し出します。暗室の中で⽣み出される独⾃の⾊彩は、写真の域を超えたユニーク作品となり、鑑賞者をその⾵景に引き込みます。作品は東京都美術館やミネアポリス美術館などで展⽰され、サンノゼ美術館やミード美術館、カーネギー美術館などアメリカの名だたる美術館に収蔵されています。本展が⽇本での初個展となり、19世紀に使⽤されていた湿版写真/コロジオンプロセス*1という技法によって映し出された、淡くモノクロームな⼤型作品をご紹介いたします。なお同シリーズの作品は、ニューオーリンズ美術館による所蔵が決まっております。
 
「写真は時間を反映するメディアですが、私はいつも過去や現在だけでなく未来をも想起させるような作品作りをしたいと思っています。今作品は、2021年の春、約6週間アメリカ南部のルイジアナ州、バイユー*2と呼ばれる地域で撮影したものです。
 
湿板写真という撮影⽅法は、薄さ約1mmのガラスの板に薬品を塗ったものを“フィルム”として⼤判カメラに⼊れ、そのガラスにイメージを定着させます。古典的な技法のため、画像は時にぼやけたり、使⽤する薬品の跡が残ったり、⼀部が剥がれたりすることがあります。太古の森を思い起こさせるようなバイユーの湿地帯を奥へ奥へと歩きながら撮影を続けていると、この技法によって映し出されるイメージはまるで頭の中の記憶と似ているのではないかと思えてきたのです。⾮常に薄く脆いガラスをフィルムとして使⽤することもまたその記憶の脆弱性を強調する⼀因となりました。
 
今⽇、我々の⽣活には⽋かせなくなったデジタル機器には膨⼤な量の情報が記録されています。しかしながら私たち⾃⾝の⼼の中に記憶されているイメージは例えそれがぼんやりとした不完全なイメージであったとしても、とても重要な気がするのです。
 
これらの作品は決して特別な場所で撮影されたものではなく、むしろ⼈々が⾏き交う場所で撮影することもあるため、⻑時間の露光中にファインダー越しにカメラの前を通り過ぎる⼈の姿が⾒えることもあります。しかしコロジオン・プロセスの⻑い露光時間では、彼らがはっきりと画像に現れることはありません。
 
確かにそこに存在していたはずの彼らが、微かな痕跡としてイメージの中に残ってゆく。それはまるであたかも永遠と続くかのように⾒える⾃然と、私たちの存在との対⽐であり、⼈間以後の⾵景という未来像を私に思い起こさせます。それは、私たちよりもずっと前からここにあり、私たちよりもずっと後もここにあるのです。」
 
-今坂庸⼆朗
 
*1 湿版写真/コロジオンプロセス
コロジオン法は、初期の写真撮影⽅法である。コロジオン法は、主に「コロジオン湿板法」と同義で、約15分以内に写真材料の塗布、感光、露光、現像を⾏うため、現場には携帯暗室が必要であった。コロジオンは通常湿式で使⽤されるが、乾式でも使⽤可能である。上記の理由から、19世紀のプロの写真家の多くが⾏っていたポートレート撮影には乾式は不向きであった。そのため、乾式は⾵景写真や、数分から数⼗分の露光時間が許容される特殊な⽤途に限定されていた。
 
*2 バイユー
バイユー(/ˈbaɪ.oʊ/ or /ˈbaɪjuː/)はフランス語と英語で、アメリカの平らで低い⼟地にある⽔域のことを指し、⾮常にゆっくりと流れる川や湖、湿地のことである(しばしば海岸線が不明瞭である)。また、潮の満ち引きによって毎⽇流れが逆転し、⿂やプランクトンが⽣息しやすい汽⽔域を持つ⼩川を指すこともある。バイユーはアメリカ南部のメキシコ湾岸地域、特にミシシッピ川のデルタ地帯に多く、ルイジアナ州やテキサス州が有名である。
 
Yojiro Imasaka, #16, 2021, PhotographToned Gelatin Silver Print, Wet Plate Collodion Process, 135 x 168cm, ©THE CLUB
 
Yojiro Imasaka, #19, 2021, PhotographToned Gelatin Silver Print, Wet Plate Collodion Process, 76 x 102cm, ©THE CLUB
 
[アーティストプロフィール]
今坂庸⼆朗 (いまさかようじろう)

1983年広島⽣まれ。⽇本⼤学芸術学部を卒業後、2007年に渡⽶。ニューヨークのプラットインスティテュートでMFAを取得し、現在ニューヨークのブルックリンを拠点に活動。これまでにミネアポリス美術館、東京都美術館、パリフォト、Miyako Yoshinagaギャラリー等での個展やグループ展で作品を展⽰。作品は、サンノゼ美術館、ミネアポリス美術館、ミード美術館/アマースト⼤学、カーネギー美術館、ニューオリンズ美術館、また複数のプライベートコレクションに収蔵されている。
 
[展覧会詳細]
「Wet-Land」
 
会期:2022年2⽉12⽇(⼟)〜2022年4⽉16⽇(⼟)
時間:12:00~19:00
場所:GINZA SIX 6F THE CLUB(銀座 蔦屋書店内)
休廊:⽇曜、⽉曜、※2⽉22⽇(⽕)はGINZA SIX休館⽇のため休廊
⼊場:無料
お問い合わせ:03-3575-5605(営業時間内)/info@theclub.tokyo
 
感染症の拡⼤による⽣活様式の変化の中、多くの⽅に展覧会を安⼼してお楽しみいただけるよう、インスタグラム(@theclub.tokyo)でも様々なコンテンツを発信してまいります。
今後の国・地⽅⾃治体から休業要請内容の変更等があった場合、それに準じて本展覧会の期間なども変更になる可能性がございます。こちらも弊廊HPやインスタグラムなどでお知らせいたします。
 
Instagram:theclub.tokyo
お問い合わせ:info@theclub.tokyo
紹介サイト:http://theclub.tokyo/ja/exhibitions/imasaka2202/
 
 
  • 会期 2022年2⽉12⽇(⼟)〜2022年4⽉16⽇(⼟)
  • 時間 12:00~19:00
  • 場所 GINZA SIX 6F THE CLUB(銀座 蔦屋書店内)
  • 休廊 ⽇曜、⽉曜、※2⽉22⽇(⽕)はGINZA SIX休館⽇のため休廊
  • ⼊場 無料
  • お問い合わせ 03-3575-5605(営業時間内)/info@theclub.tokyo
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