【展覧会】Since 1989 NOMART -アーティスト×工房展-

アート|GINZA ATRIUM
2022年09月03日(土) - 09月27日(火)
[vol.1] 2022年9月3日(土)~9月14日(水)、[vol.2] 2022年9月16日(金)~9月27日(火)
これまで多数のアーティストとともに作品を輩出してきた版画工房であり、ギャラリーでもある「NOMART」の取り組みを紹介する展覧会「Since 1989 NOMART(ノマル)-アーティスト×工房展-」を9月3日(土)から9月27日(火)の期間に開催いたします。本展に合わせて、小谷くるみが新作モノタイプ版画作品を制作、オンラインエントリー受付をいたします。
 
[概要]

1989年に大阪で「版画工房ノマルエディション」を開設し、その後デザイン編集スタジオ、現代美術画廊「ギャラリーノマル」、 前衛音楽のレーベルなど、現代を生きるアーティストたちと共に創造し、アートのプラットフォームとして拡張を続けるNOMART。本展では、「SENSES COMPLEX - 五感を超えて、感覚が交差・拡散する地点」をテーマに掲げ、さまざまな挑戦を続けるNOMARTとともに創作活動を行ってきたアーティストたちの作品を、前期(vol.1)、後期(vol.2)の二部に分け、一部作品の入れ替えをして展示いたします。

 

[vol.1] 展⽰アーティスト:2022年9月3日(⼟)〜9月14日(⽔)
伊庭靖⼦、今村源、植松奎⼆、⼤岩オスカール、⽊村秀樹、⿊宮菜菜、⼩⾕くるみ、⽥中朝⼦、張騰遠、名和晃平、⼭⽥千尋、.es(ドットエス:橋本孝之&sara)

 

[vol.2] 展⽰アーティスト:2022年9月16日(⾦)〜9月27日(⽕)
稲垣元則、伊庭靖⼦、植松奎⼆、⼤岩オスカール、⽊村秀樹、⿊宮菜菜、⼩⾕くるみ、張騰遠、中原浩⼤、名和晃平、⼭⽥千尋、.es(ドットエス:橋本孝之&sara)

 

※8/26更新・・・[vol.1]と[vol.2]での出展作家が一部変更となりました。
稲垣元則:[vol.1]から[vol.2]へ変更
⽥中朝⼦:[vol.2]から[vol.1]へ変更

 

[アーティスト・小谷くるみの新作モノタイプ版画作品をオンラインエントリー販売]
左:小谷くるみ(photo hanako kimura)、右:作品サンプル
 
本展を記念し、アーティスト・小谷くるみの新作モノタイプ版画作品をオンラインエントリー販売いたします。
作品点数・価格など詳細に関しては9月2日(金)11:00~公開の特設サイトにてご確認ください。

特設サイトURL|https://oil.bijutsutecho.com/special/154
※先着での販売ではございません。
※オンライン以外での申込受付は行っておりません。
※作品画像はサンプルのため、実物と異なる場合がございます。
作品サイズ|H76cm×W57cm(シート)、H81.5cm×W62cm(額装)
技法|紙にインクジェットプリントとシルクスクリーンプリント
 

■作品について 《 Landscape - 21g 》

21gというのは魂の重さらしい。小谷の21gシリーズは、抽象から具象まで様々なペインティングの上にストロークの抜けた半透明のレイヤーが重なっている。この半透明な膜は、生と死をつなぐものなのかもしれない。今回のLandscape-21gでは下(基)になるのは写真である。それはスナップ写真で、モバイルフォンに保存されていたものだ。ごく日常的でさりげない写真の上に、シルクスクリーンで半透明のレイヤー(同様にストロークの抜けた)が刷り重なっている。これは日常と非日常を行き来する膜だ。15種のスナップと5種のレイヤー用の版が用意され、その組み合わせで75種の作品が生まれた。この組み合わせに意味はなく、オートマティックに決められる、そのことによってこの作品群に込められた考えがより一層際立たされている。レイヤーによって生まれるそれぞれのパラレルワールド、そこに非日常が立ち現れるのだ。── NOMART ディレクター・林 聡

[展示作品の販売について]

銀座 蔦屋書店店頭・アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術手帖」にて、9月3日(土)より販売いたします。
店頭|9月3日(土)11:00より販売開始
オンラインストア|9月3日(土)12:00より販売開始
※オンライン上での販売は、⼀部作品のみの取り扱いとなります。
※作品はプレセールスの状況により、会期開始前に販売が終了することがあります。
OIL by 美術⼿帖|https://oil.bijutsutecho.com/gallery/730

[NOMART プロフィール]

1989年から30年以上変わらぬ姿勢で、長いキャリアの木村秀樹や植松奎二、後進へ影響を与え続ける今村源や中原浩大、世界的な評価が高まる名和晃平や新世代の作家など、多様な表現領域のアーティスト達と共に作品を創出、展示、販売。“SENSES COMPLEX - 創造とは、すべての感覚が関連しあっている”をコンセプトに、版画工房(ノマルエディション)、現代美術画廊(ギャラリーノマル)、デザイン・編集スタジオ、アート&サウンド実験工房を有し、独自の表現とものづくりを展開している。

 《 NOMARTディレクターコメント 》
NOMARTは版画工房としてスタートしましたが、その後、デザイン、画廊、音楽と機能が拡大していき、総合的芸術プラットフォームへと進化していきました。全てにおいて創ることから始まって発表・販売することに結びついていて、それらがさまざまなジャンルで結合しています。ここでは全てのアイデアが発展していき、そして実現する、そんなムードが溢れています。総合的であるから一つのプロジェクトが新しいアイデアと結合して、また新しいプロジェクトが生まれます。我々はそのような循環的構造として活動しています。今回、東京の銀座で一部ではありますが、NOMARTを紹介できる機会ができてとても喜んでいます。いい出会いが生まれるように願っています。── NOMART ディレクター・林 聡 
 

左:今村源 “ヒカリにかえる・キノコ” silkscreen on hologram sheet, 66 x 50.5 cm, ed. 20, 2017, courtesy of Gallery Nomart、右:伊庭靖子 grain #2019-1” silkscreen on BFK Rives, 76.5 x 57 cm, ed. 20, 2019, courtesy of Gallery Nomart
 
[アーティストプロフィール]

< 稲垣元則 Motonori Inagaki >

1971年京都生まれ。大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業。制作活動開始当初からつねに変わらぬ姿勢で自己と対峙し、写真や映像、ドローイング等のメディアを用いて作品を制作。自然や身体を主なモチーフとしたその作品は、見る人の意識の中にゆっくりと浸透し、深く強いヴィジョンとなる。
 

< 伊庭靖子 Yasuko Iba >
嵯峨美術短期大学版画科専攻科修了。素材感のあるクッションや瑞々しい果物、あでやかな陶器など日常にある素材をモチーフに、写真を描くという方法で油画を制作。被写体自体を問題とするのではなくイメージのみを純粋に描き出し、世界の忠実な再現とも、物語的な連想とも関係のない、光と色彩に満ちた世界の再現を試みる。版画でもイメージとインクという物質の2つの側面に着目した作品を展開。Depth Mapによる3D映像も手がける。
 

< 今村源 Hajime Imamura >
1957年大阪生まれ。京都市立芸術大学美術学部彫刻科卒業。普段、気にも留めないありふれたものに、少しの隙間を加える、あるいは天地を入れ替えたり裏返したり。一見するとユーモラスな造形も、心静かに対面すると、その軽く透明感のあるイメージから一転、日常と表裏一体にある深遠な世界が観る人の眼前に広がってくる。80年代初頭の作家活動開始時よりいずれにも寄らない独自の哲学的作風に定評がある。
 

<  植松奎二 Keiji Uematsu >
1947年神戸生まれ。神戸大学教育学部美術科卒業。重力、引力、自然、地球、宇宙といった根源的なもの、原初的なものへの素朴な興味と深淵な眼差しで、円錐による彫刻、映像や生木を使ったインスタレーション、石を削り出した作品等、常に予定調和におさまらない表現領域を創出。2013年には彫刻作品を対象とする国内で最も権威のある賞「中原悌二郎賞」を受賞している。NOMARTで版画も多数出版。

< 大岩オスカール Oscar Oiwa >
1965年ブラジル・サンパウロ生まれ。サンパウロ大学 建築都市学部 卒業。サンパウロに生まれ、東京、ニューヨークと移り住みながら創作活動を続ける大岩は、自らの人生を旅に例えている。複数の文化的視点から生まれた社会風刺と物語性に富んだ作品群は、世代を超えて世界的に注目を集めている。コロナ禍でタブレットを使ったデジタルによる作画で版画を制作・出版。

< 木村秀樹 Hideki Kimura >
1948年京都生まれ。京都市立芸術大学西洋画科専攻科修了。20代の頃から国際的な版画展に出展し多くの賞を獲得、国際的に高い評価を得る。写真製版によるシルクスクリーン技法を使って、必然的なつながりをもたない断片的な映像が浮遊した作品で知られている。NOMARTでは工房開設初期より作品を多数制作・出版。 

< 黒宮菜菜 Nana Kuromiya >
1980年東京生まれ。京都市立芸術大学・博士 (芸術学) 学位取得。主に人物像をモチーフとして、液状に溶いた油絵具による油彩作品と、重ねた和紙に染料を滲ませて描く紙作品、2タイプの技法を使い分けて作品を制作。画材の滲みをコントロールし、さらに描画を加えることでイメージの曖昧さを現実に引き寄せる描き方は、その綱引きのような微妙な行為自体が、作品制作のコンセプト「曖昧な世界」のリアリティの探求とも繋がっている。どちらの作品も絵を形作る絵の具の流動化が軸になっている。

< 小谷くるみ Kurumi Kotani >
1994年大阪生まれ。京都造形芸術大学 修士課程 修了。存在の痕跡と気配をテーマに主に絵画作品を発表。2018年から取り組んでいる「時間・痕跡〈錆〉」シリーズでは、支持体に染み付いた錆というマテリアルを時間や変容、事物の痕跡の象徴として使用。その後、銀箔とそれを硫化(化学反応)によって描いた作品に展開している。本展を記念し、新作モノタイプ版画作品を発表。

< 田中朝子 Asako Tanaka >

1972年大阪生まれ。京都市立芸術大学美術研究科博士(後期)課程版画専攻満期退学。日常的な視点から捉えた些細な錯覚(ズレ)を、写真・版画や立体作品によって繊細に、また大胆な発想で表現。視覚の純粋性と不確かさを浮き彫りにする。公共空間での作品設置や「本」をテーマとした作品の制作、アートブックの編集・出版など、“美術作品”の枠組みに捕われない制作活動を行っている。

< 張騰遠 Chang Teng-Yuan >
1983年台湾・高雄生まれ。国立台南芸術大学卒業。終末の考古学をコンセプトとして、この世の終わりの物語を創出。 フィクションを表現するために、絵画、ミクストメディア、アニメーションのインスタレーションなどを自身の思考を届ける手段とする。 作品の中で東洋と西洋の絵画の要素を組み合わせ、それらを記号化し、東と西を融合させた新しい視覚的イメージを再構築し創作している。

< 中原浩大 Kodai Nakahara >
1961年岡山生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科修了。80年代よりドローイング、立体、映像、パフォーマンス、インスタレーションなど多岐に渡る表現方法をもちい、それまでのアカデミックな意味での彫刻の概念の拡張をはかる。 版画、マルチプル作品においても既成概念にとらわれない展開をする。
 

< 名和晃平 Kohei Nawa >

1975年大阪生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程彫刻専攻修了。身体の感覚と視覚から得られる情報の境界を認識の変換点とし彫刻化する試みを、one texture one materialで表現。新たな造形概念を探求しつづける。PixCell(Pixel [画像]+Cell [細胞・器])と命名した概念に基づいて制作された作品群は世界的に高い評価を得ている。NOMARTから多数のマルチプル作品を出版。

< 山田千尋 Chihiro Yamada >
1994年京都生まれ。2016年京都市立芸術大学油画専攻卒業。山田の絵の特徴は、目を惹く軽やかな色彩、薄い層でありながら独特な質感を感じさせる筆跡、そして主にSNS上で掲載されている写真から抽出した、通常目を向けられることのない、いびつなモチーフへの強い執着がある。丹念に描かれたその画面には、物事をあらゆる角度から偏見なく捉え、かけがえのないものへと昇華する作家の眼差しが反映されている。

< .es (ドットエス : 橋本孝之 Takayuki Hashimoto & sara)>
2009年結成、NOMARTのサウンド・セクションを担う音楽ユニット。アートをはじめ表現領域を縦横無尽に横断する音楽家として独自の存在感を放つ。即興、ノイズ、電子音楽など国内外の音楽家とのコラボレーションを行う。2021年橋本孝之永眠後もsara(.es)として活動を展開。アルバム多数。
 

中原浩大 Text Book” silkscreen on paper, 78 x 108 cm, ed.30, 1995, courtesy of Gallery Nomart
 

 

  • 会期 [vol.1] 2022年9月3日(土)~9月14日(水)、[vol.2] 2022年9月16日(金)~9月27日(火)
  • 時間 11:00~20:00 ※各会期最終日のみ、18:00閉場
  • 会場 銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM(イベントスペース)
  • 入場 無料
  • 主催 銀座 蔦屋書店
  • 協力 NOMART
  • お問い合わせ 03-3575-7755(営業時間内)/info.ginza@ccc.co.jp
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