【トークイベント】批評誌『アーギュメンツ#3』刊行記念
「平成最後の夏」 宮台真司×仲山ひふみ×齋藤恵汰

アート
BOOK EVENT SPACE 2018年 08月07日(火)

銀座 蔦屋書店では、批評誌『アーギュメンツ♯3』の刊行を記念して、本誌立ち上げ人の齋藤恵汰さん、共同編集人の仲山ひふみさん、ゲストに社会学者の宮台真司さんをお招きしたトークイベントを開催します。

本イベント開催にあたっての、齋藤恵汰さんのステートメントをご紹介します。
■ 開催にあたって ―齋藤恵汰 (批評誌『アーギュメンツ』立ち上げ人)
私、齋藤恵汰は、この批評誌発行プロジェクト『アーギュメンツ』の立ち上げ人である。『アーギュメンツ#3』共同編集人の仲山ひふみは黒嵜想と共に巻頭言で今号を「2010年代の掉尾を飾るにふさわしい、豪華かつ、必然的な内容」と宣言した。私はそれを認めつつも、さらに議論を深めるため、今回のイベントを企画する。
登壇者としてお呼びする宮台真司氏は、1990年代「ブルセラ社会学者」としてデビューし、1995年にオウム真理教事件に関する見解をいち早く示し、政権交代時の民主党へ政策提言を行い、現在でも「マル激トーク・オン・ディマンド」といったメディアを主催し、活発な言論活動を行っている。
対して今回の『アーギュメンツ#3』において、私的に白眉と思う、仲山ひふみによる丸山善宏氏へのインタビュー「圏論はポスト脱構築的綜合をもたらすか」は、所与と予期の複雑に絡み合った現在における、認識の綜合のための一つの試論として、非常に興味深く読むことができた。すなわち、我々が恐怖する対象が、所与のものか、あるいは予期されるものかの区別さえ付きづらくなった現代において「震え」は我々の正常さの指標なのだ。

あえて大げさに言えば、この貧困が露出し、階層が目に見え、政治的にも恐るべき次元の低さを誇る現代の日本において、我々は正常であれば「震え」、我々が正常さを失った時、そこには「震え」のない静寂とともに深淵が口を開いている。オウム真理教事件の麻原彰晃被告の死刑が執行され、それと同じタイムラインでは延々と猫が戯れ、一部の人は筋トレに向かい、一部の人は虚無を呟く。そんな「牧歌的」な世界において、ただ「平成最後の夏」というキーワードの空疎さが、我々の世界を描写しているかに見える。
そのような時代を、その時代の体温と共に切り抜いた『アーギュメンツ』という批評誌は、3号雑誌として企画され、2号より黒嵜想という編集人の元、尽くしきれない最善を尽くしてきたと言えるだろう。そして、である。この先の未来のために、我々は今こそ、平成を総括すべきだと考える。

【参加条件】
イベント参加券(2,000円/税込)をご購入いただいたお客様にご参加いただけます。

【お申込み方法】
・店頭
・お電話 03-3575-7755
オンラインショップ
   ※オンラインショップでの受付は2018/8/6(月)午前9時の受注分までとさせていただきます。

【注意事項】
*参加券1枚でお一人組にご参加いただけます。
*受付はメインのレジカウンターです。ご来店いただきましたらメインのレジカウンターにお越しいただき、お名前をお申し付けください。参加券をお渡しいたします。
*イベント会場にはイベント開始の30分前から入場可能です。
*当日の座席は、先着順で自由席です。
*参加券の再発行・キャンセル・払い戻しはお受けできませんのでご了承ください。
*定員に達し次第、受付を終了させて頂きます。
*止むを得ずイベントが中止、内容変更になる場合があります。

【出演】
宮台 真司 (みやだい しんじ)
首都大学東京人文社会学部教授。社会学者・映画批評家。
1959年仙台市生まれ、京都市育ち。東京大学大学院博士課程で社会学博士学位取得。博士論文『権力の予期理論』(勁草書房1989)。麻布高校では前川喜平前文科次官の4年後輩。東京大学助手・東京外大講師・東京都立大学助教授を経て、現職。権力論・国家論・外交論・文化論・宗教論・性愛論・若者論・教育論・家族論などの各分野で単著20数冊、共著100冊以上。1995年よりTBSラジオ荒川強啓デイキャッチ、2001年より日本ビデオニュースのマル激トーク・オンデマンドのレギュラーコメンテーター。
著作に初期3部作『サブカルチャー神話解体』『制服少女たちの選択』『終わりなき日常を生きろ』。映画批評集『絶望・断念・福音・映画』『世界はそもそもデタラメである』『正義から享楽へ』。ワークショップを元にした『希望の恋愛学』『ウンコのおじさん』。他多数。

仲山 ひふみ (なかやま ひふみ)
批評家。
1991年生まれ。主な寄稿に「『ポスト・ケージ主義』をめぐるメタ・ポレミックス」(青土社、『ユリイカ』2012年10月号)、「聴くことの絶滅に向かって ―レイ・ブラシエ論」(青土社、『現代思想』2016年1月号)など。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程に在籍。現在、レイ・ブラシエ『ニヒル・アンバウンド』(今秋出版予定)の共訳に取り組んでいる。『アーギュメンツ#3』では黒嵜想とともに共同編集を務めた。

【司会】
齋藤 恵汰 (さいとう けいた)
美術家。渋都市株式会社監査役。
1987年生まれ。2008年に美術作品として家を借りる「渋家(シブハウス)」を制作し、展覧会やイベントなどのキュレーション作品を発表。主な企画に、「私戦と風景」(2016)、「自営と共在」(2017)など。美術分野のほか、演劇、批評の分野でも「非劇」(吉祥寺シアター/2015)劇作、戯曲集『戯曲|東京の条件』(岸井大輔/東京文化発信プロジェクト)編集、批評冊子『アーギュメンツ』編集・発行(2015-)などの多彩な活動を行う。今回、刊行された『アーギュメンツ#3』は渋都市株式会社の前身となる渋家株式会社により発行されている。


  オンラインショップでの受付は2018/8/6(月)午前9時の受注分までとさせていただきます。
  ※配送の無い商品(*1)のオンラインショップでの受付は、クレジットカードでのみ承っております。
   代金引換でのご注文はキャンセルとなりますのでご注意ください。
    *1 参加券のみ及び店頭にてお渡しの商品は配送がございません。

  • 日程 2018年8月7日(火)
  • 時間 19:30~21:00
  • 場所 BOOK EVENT SPACE
  • 定員 50名
  • 主催 銀座 蔦屋書店
  • 問い合わせ先 03-3575-7755
mail

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