【コンシェルジュのコラム】あなたに向けて作られた雑誌|雑誌コンシェルジュ 久住
家でのんびりしながら、雑誌を読むこと。これが私にとって、最高の休日の過ごし方です。先日手にしたのは、『UNION』(ユニオン)の16号。
この『UNION』は、ファッション雑誌などで活躍中のスタイリスト、Hiroyuki Kuboさんと百々千晴さんが立ち上げた雑誌です。百々さんの「ファッションとカルチャーを視覚的に楽しめて、見る人の想像を掻き立てるような雑誌を作りたい。」という想いから2012年に誕生した、美しい写真がメインの雑誌です。
また”美しさは常にタイムレス”という考え方をコンセプトにしており、創刊当時から世界中のアーティストとコラボレーションし、日本だけでなく海外でも販売されています。そのためテキストも英語(創刊当時はバイリンガル)で、これも「SNSのように、世界共通になりえる雑誌を提供したい。」という想いからです。
常に美しさを追求し、世界中に発信をし続けて来た『UNION』。
今年発売された待望の最新号では、10名のフォトグラファーによるパーソナルワークのみで構成されています。 ページをめくるたびに、思わずため息が出てしまうような美しい写真の数々。毎回、新たな作品との出会いに感動しています。 一冊で、ここまでたくさんのフォトグラファーの作品を楽しむことが出来るのも、雑誌ならではだと思います。
この『UNION』の他にも、毎日たくさんの雑誌が発売されています。 日々売場作りをしながら、数多くの雑誌を目にしていて改めて思うのは、作り手たちは、自分達の伝えたい想いを、試行錯誤しながら”雑誌”というカタチで読者に届けているということです。
今回ご紹介した『UNION』も、現在までに何度も装丁やロゴが変化しながら、さらにより良いものへとリニューアルされていきました。 また、毎月発売されるファッション誌であれば、同じブランドの同じアイテムが掲載されていることも多々あります。それでも、そのアイテムが、雑誌によって全く違った表情を見せるのは、それぞれの雑誌の読者に向けた提案の仕方になっているからです。
編集者やスタイリスト、フォトグラファーなど、数多くの人が関わり、時間をかけて作られた誌面は、大勢の誰かに向けられているのではなく、その雑誌を楽しみにしている、”あなた”に向けて作られているのだと強く感じます。 是非、ひとつの雑誌が変化していく過程や、それぞれの雑誌の違いなども含めて、楽しんで頂ければと思います。