梅田 蔦屋書店のコンシェルジュたち 三砂[人文]

※こちらのインタビューは2020年の5周年企画として行われたものです
 
私と本、私と梅田 蔦屋書店

椎名誠さんの『蚊』(新潮文庫)のなかに「日本読書公社」という「ずっと本を読んでるだけで生きて行けないか」という読書人にとっての北極星のような小説が収録されています。筒井康隆さんの『壊れかた指南』(文春文庫)には、「耽読者の家」という、面白本だけが積み重なった家の物語が描かれていて、小説はもちろん、そこで紹介されている本をしらみつぶしに読みました。

 面白い本を読み終えるとどうしてもしゃべりたくなり、面白い本を読んでいるときは極端に人づきあいが悪くなるのは、本好きの欠点かもしれませんが、夢中になって読み終えるまで何も手がつかなくなるような本との出会いほど貴重なものもありません。
 
 名作『やんごとなき読者』(白水社)の作者アラン・ベネットは、その作品の中で本の魅力についてこう記しています。「本は想像力の起爆装置」。
毎日、通いたくなるような本屋でありたいと願っています。ご来店お待ちしております。
 
 
 
梅田 蔦屋書店の5年間 

梅田蔦屋書店で、主に人文書を担当しています。人文書はその性質上、広く開かれた本ではありません。
重厚な扉がぴったりと閉まっているような印象で、中に入るにはノックが必要な気さえします。実際、質、量、値段ともに本の中でも最高峰です。
 
ただし、どれだけ素晴らしい本でも手に取られなければ書店の店頭にある意味は失われます。私の課題は、書店の店頭で出会える混じりけなしの本物の知の面白さをどうしたら伝えられるのかで、お客さまと一緒に探究したいと思いました。
 
本棚のガイドを皮切りに、お客さまと一緒に続けてきた読書会、研究者同士の本物の議論、トークショーなどを通じて見えてきたのは、講師と生徒の関係ではなく、単純に著者の人間性や研究者の情熱にふれられたときに化学反応が起こるということでした。

ご登壇いただく著者が身を乗り出して語りはじめたとき、その情熱は観客にも伝播します。書店員としてその現場に立ち会えるのは、喜び以外の何物でもありません。
おととしから有志の出版社様にご協力いただき、本の面白さ、読書の愉しみを伝える企画「読書の学校」をはじめました。まだまだ発展途上ですが、本の面白や読書の愉しみを一緒に探求していければ幸いです。
 
 
 
 
梅田 蔦屋書店を代表する一冊

 
 
 
書籍名:『これは水です』
著者:デヴィッド・フォスター・ウォレス 訳:阿部重夫 出版社:書田畑書店
 
 
私を代表する一品

 
『文学カレー「漱石」』
 
 
学生時代から通い続けている東京は杉並区、高円寺にあるコクテイル書房が、本が読みたくなるカレーを開発しました。コクテイル書房は、文士料理で有名で、文士料理とは小説や作品の中に登場する料理を実際に、店主の狩野さんが再現して作る料理です。お店に行けば、『富士日記』の茄子にんにく炒めや、檀一雄の大正コロッケなど、夢のようなメニューに出会えます。関西に引っ越してからは、食べに行けなくなりましたが、この度、本屋でしか買えない、レトルトカレー「文学カレー 漱石」が誕生しました。本が読みたくなるカレーってなんだ?と思った方は、是非一度、お試しください。全身で漱石を味わうカレーです。
 
 
コンシェルジュプロフィール

梅田 蔦屋書店人文コンシェルジュ。こよなく本を愛し、新しい本との出会いの場をつくる企画「読書の学校」を隔月で開催している。2020年1月からNHKカルチャーセンター京都教室にて、「人生に効く!極上のブックガイド ~「読書の学校」出張編~」を担当。また、実際に読んでみたら途方もなく面白かった仏教書の読書案内を『サンガジャパン』(サンガ)を連載するほか、『WEB本がすき。』(光文社)でおすすめの本を紹介している。
 
 
 
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