【アーカイブ販売】『庭の話』(講談社)&『手段からの解放』(新潮新書)刊行記念 宇野常寛・國分功一郎トークイベント「現代人にとって「快楽」とはなにか」

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オンライン 2025年 02月28日(金)
こちらは、2025年1月30日に開催されたイベントのアーカイブ配信視聴用のページです。
視聴期限2月28日23時59分までご視聴いただけます。
(視聴時間1時間42分)

『遅いインターネット』から4年、疫病と戦争を経たこの時代にもっとも切実に求められている、情報技術が失わせたものを回復するための智慧を提示した宇野常寛さんの『庭の話』(講談社)が刊行され、早くも話題となっています。
本書の帯に、國分功一郎さんは以下のコメントを寄せられました。
『暇と退屈の倫理学』『中動態の世界』への刮目すべき挑戦が現れた。 情報社会論より発せられた「庭」と「制作」という提案から私は目を離すことができずにいる。(國分功一郎)
國分功一郎さんは『手段からの解放―シリーズ哲学講話―』(新潮新書)を1月に刊行します。 今最も注目のお二人の対談です。どうぞお見逃しなく。

【書籍紹介】 宇野常寛『庭の話』(講談社)
政治→経済/国家→市場/メディア→プラットフォーム/コミュニティ→場/共同体→個人/物語→ゲーム。 こうした変化はあるレベルでは確実に人間を檻から解放した。声を上げる手段をもたなかった人びとが声を上げ、届かなかった遠く離れた場所にも声が届く。すばらしい時代と社会の到来。 しかし、この変化は人間を別の檻に閉じこめたのだともいえよう。物語と違ってゲームは人間を能動的にする。しかし能動的であること、自分の関与で世界が変わること/他のプレイヤーの承認を得ることの快楽は強力すぎて、人間をそれ以外の刺激から遠ざけてしまう。結果的に人間は問題そのものに関与する動機を失い、そして世界のあるレベルから多様性は失われている。 本書では経済=場=プラットフォームから、そこで展開するゲームが与える快楽を相対化する方法を考えたい。それも家族とか、国家とかの呪縛に回帰することなく、プラットフォームの時代を内破することを考えたい。 そもそも「家」族から国「家」まで、ここしばらく、人類は「家」のことばかりを考えすぎてきたのではないか。しかし人間は「家」だけで暮らしていくのではない。「家庭」という言葉が示すように、そこには「庭」があるのだ。家という関係の絶対性の外部がその暮らしの場に設けられていることが、人間には必要なのではないか。 「庭」とは(私企業のサービスにすぎないSNSプラットフォームのように)、私的な場である。しかしその場は半分だけ、公的なものに開かれている。それぞれの「家」の内部と外部の接点としての外庭があり、そして家事や農作業、あるいは集団礼拝や沐浴の場としての中庭がある。 「家」の内部で承認の交換を反復するだけでは見えないもの、触れられないものが「庭」という事物と事物の自律的なコミュニケーションが生態系をなす場には渦巻いている。事物そのものへの、問題そのものへのコミュニケーションを取り戻すために、いま、私たちにとってはプラットフォームを「庭」へと再構築していくことが必要なのだ。 だが、実際のところサイバースペースはもちろんのこと、「庭」としての機能はあらゆる場所から後退している。だからこそ、このプラットフォーム化した社会をどう「庭」に変えていくのか問題なのだ。本書はそのことへのチャレンジである。

國分功一郎『手段からの解放:シリーズ哲学講話』(新潮新書)
「楽しむ」とはどういうことか? 『暇と退屈の倫理学』にはじまる哲学的な問いは、『目的への抵抗』を経て、本書に至る。カントによる「快」の議論をヒントに、「嗜好=享受」の概念を検証。やがて明らかになる、人間の行為を目的と手段に従属させようとする現代社会の病理。剥奪された「享受の快」を取り戻せ。「何かのため」ばかりでは、人生を楽しめない――。見過ごされがちな問いに果敢に挑む、國分哲学の真骨頂!

【参加条件】
イベントチケット予約・販売サービス「Event Manager」にて下記の対象商品をご購入いただいたお客様がご参加いただけます。

【対象商品】
・アーカイブ視聴券(1,650円/税込)
(Event Managerへ遷移します)
受付締め切り: 2025年2月28日(金) 23:59まで
 

イベント参加方法や注意事項など、最新情報はヘルプページよりご確認ください。
https://store.tsite.jp/daikanyama/news/t-site/29174-1442420929.html


【プロフィール】
宇野 常寛 (うの・つねひろ)
批評家。1978年生まれ。批評誌〈PLANETS〉編集長。 著書に『リトル・ピープルの時代』『遅いインターネット』(ともに幻冬舎)、『日本文化の論点』(筑摩書房)、『母性のディストピア』(集英社)、石破茂との対談『こんな日本をつくりたい』(太田出版)、『砂漠と異人たち』(朝日新聞出版)、『ひとりあそびの教科書』(河出書房新社)など。 立教大学社会学部兼任講師も務める。

國分 功一郎 (こくぶん・こういちろう)
東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は哲学・現代思想。主な著書に『スピノザ 読む人の肖像』(岩波新書、第11回河合隼雄学芸賞受賞)、『中動態の世界 意志と責任の考古学』(医学書院、第16回小林秀雄賞受賞)、『暇と退屈の倫理学』(新潮文庫)、『ドゥルーズの哲学原理』(岩波書店)、『スピノザの方法』(みすず書房)、『目的への抵抗―シリーズ哲学講話―』(新潮新書)など。共著に『言語が消滅する前に』(幻冬舎新書)、『〈責任〉の生成 中動態と当事者研究』(新曜社)ほか。
  • 会期 2025年2月28日(金)
  • 場所 オンライン
  • 主催 代官山 蔦屋書店
  • 問い合わせ先 03-3770-2525

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