【展覧会】Intersection

アート|GINZA ATRIUM
2023年06月17日(土) - 07月04日(火)
個性豊かな8名の若手作家による作品が集うグループ展「Intersection」を店内中央イベントスペースGINZA ATRIUMにて2023年6月17日(土)から7月4日(火)の期間に開催します。
 
本展覧会「Intersection」は、作風もコンセプトも全く異なる8人の芸術家たちが「交差する」場です。

世界的混乱に包まれた約4年という月日を経て、人々が再び交差し始めた今、芸術においてもまた様々な交差が起き始めています。文化や人種を超えた世界中の人々が交差し合う東京・銀座に位置する銀座 蔦屋書店の、そのまた中央に位置するGINZA ATRIUMにて、8人の作家たちそれぞれの世界が交差し、ひとつの世界を共につくりあげます。

岡田佑里奈は、絵画と写真の領域を横断し、次世代にあるべき平面作品の可能性について問いながら制作を続けています。草花や同世代の女性を被写体にした写真を転写の技法によって平面化し、そこに現れたクラック(裂け目、割れ目)に塗料を流し込みます。物体の強度と精緻さを手仕事によって丹念に突き詰められた作品は、新しい領域を示唆しています。

那須佐和子は、古典絵画の時代と、現代人である自らが属する時代を対比させながら絵画の可能性を模索しながら風景画と人物画を描いています。それらの作品を通して距離、つながり、関係について思考しています。

山ノ内陽介は、絵画の歴史や構造そのものと率直に向き合いながら作品を制作しています。絵画を単純なイメージに関する議論の枠に留めず、あたかも「視覚の触覚性」とも呼びうるような視覚効果を作品に与え、それを見る私たちに新しい絵画体験と現代絵画の可能性を提示し続けています。

山中雪乃は、絵画をモチーフ、写真、支持体、様々なレイヤーと自分の視点を通して構成しています。そうして生まれる操作と偶然から「存在」について考えています。

森ゆららは、見世物小屋やサーカス、映画、ロマンス、人間、宇宙、音楽をテーマに油画、水彩、立体作品、Zineなどを制作しています。ファッションブランド「WACKO MARIA」では、アロハシャツなどのデザインを手掛けています。

後藤夢乃の作品は、重厚感のある強いトーンの色調と、描かれた精神的な世界観によって独特の深みを感じさせます。「暗い色調でもたくさんの色を使い、そこに光をあてることで見え方が変わる」ように描き、層を重ねて画面に凹凸を持たせることによって絵画と現実の世界を近づけようと模索しています。

勝木杏吏は、美術教育の仕事に携わりながら野外彫刻や壁掛け彫刻などの作品を制作しています。近年は主に、金属の表面を磨いた後に炙って色を付ける独自の手法により鉄を藍色に輝かせた“藍染シリーズ”を発表しています。

カトウは、主に抽象的な作品を描くことと描かないことを考えながら描いています。また、絵と物理的動きの関係や「意味すること」「選択すること」などにも興味を持ち、考えながら制作活動を続けています。

会場には、平面作品、立体作品、インスタレーション作品など73点が集います。
 
カトウ《長い足での少しだけ長い散歩》220×273mm Oil on canvas 2023
 
[参加アーティストプロフィール]
岡田佑里奈/Yurina Okada
1995年 兵庫県出身
2018年 京都造形芸術大学 卒業
2020年 京都造形芸術大学修士課程 修了
岡田佑里奈の作品は絵画、そして写真の領域を横断しながら次世代にあるべき平面作品の可能性について問いを投げかけます。
草花や同世代の女性を被写体にした写真を転写の技法によって平面化し、そこに現れたクラックに塗料を流し込むというプロセスを経過する彼女の作品は、写真と絵画の双方の工程を含みながらも、しかしそのどちらにも傾かず、それらはむしろ物体の強度と精緻さを手仕事によって丹念に突き詰めるという、どこか工芸的な性格を伴いながら新しい領域を示唆しています。
その固有のマチエールはロシア・アバンギャルドの作家らのような、表面効果への工夫を思い起こさせる一方、岡田が作品について「全ては朽ちていく、という考えがある」と話しているように、そこには岡倉天心が茶湯文化に指摘した「不完全性の美」のような茶湯的、日本的な美学にも通ずる精神があると言えるでしょう。
 
那須佐和子/Sawako Nasu
1996年 東京都生まれ
2021年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業
2023年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程油画第一研究室 修了
那須佐和子は絵画という言語を用いながら距離、つながり、関係について語っています。「どのようにしたら昔の絵に触れるのか」と、那須は自らの制作について振り返るときに口にしますが、彼女の作品の根底には、本人が慕うところの古典あるいはモダニズム絵画やその時代と現代にいる自分自身の間に横たわっている、埋めようがない絶対的な距離に対するまなざしがあり、その感覚こそが那須の芸術に徹底したビジョンを与えています。古典絵画の時代と、そして現代人である自らが属する時代を対比させながら絵画の可能性に取り組む那須の姿勢は、彼女のパーソナルな関心の範疇を超え、常に更新され続ける美術の歴史の突端において何が可能かを模索する、今日的な意識があると言えるでしょう。
 
山ノ内陽介/Yosuke Yamanouchi
1996年 愛知県出身
2019年 名古屋造形大学洋画コース 卒業
2021年 東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻 修了
山ノ内陽介は絵画の歴史や構造そのものと率直に向き合い、その可能性をあますところなく引き出そうとする作品を制作しています。
古典絵画を引用しながらもわずかに、かつ大胆な改変を施すかのようなアプローチは前衛的な美術家やダダイスト、シュルレアリストのスタンスを思わせますが、彼の作品はそのさらに先へと進み、絵画のマテ物質性に言及しています。
かつてロシア・アバンギャルドの作家らが絵画の表面処理や効果に注意を払うファクトゥーラの概念を生み出したように、山ノ内もまた「表皮シリーズ」に見られる通り、絵画を単純なイメージに関する議論の枠に留めず、あたかも「視覚の触覚性」とも呼びうるような視覚効果を作品に与え、それを見る私たちに新しい絵画体験と現代絵画の可能性を提示し続けます。
 
山中雪乃/Yukino Yamanaka
1999年 ⻑野県生まれ
2021年 京都芸術大学 美術工芸学科油画コース 卒業
2023年 京都芸術大学大学院 美術工芸領域 油画領域 修了
絵画をモチーフ、写真、支持体、様々なレイヤと自分の視点を通して構成する。そうして生まれる操作と偶然から「存在」について考える。
 
森ゆらら/Yulala Mori
1996年 東京都生まれ
2020年 東京藝術大学絵画科油画専攻 卒業
2022年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程第一研究室 卒業
見世物小屋やサーカス、映画、ロマンス、人間、宇宙、音楽をテーマに油画、水彩、立体作品、Zineなどを制作している。
ファッションブランド「WACKO MARIA」にて、アロハシャツなどのデザインをてがける。
 
後藤夢乃/Yumeno Goto
1996年 東京都出身
2019年 女子美術大学 卒業
2022年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程油画専攻第一研究室 修了
綺麗な絵の具から凄い色を抽出してオイルと光を調合すること。魔術の目的が神話の再現にあること。
私は模倣ではなく霊感を降ろす、つまり魔術行為によって絵画で神話を再現する。
欧州古代の多神教世界、女神崇拝を復活させた現代魔女の信仰する世界を下地に、神話を再構成する。
幻想的な世界を描きながら、鑑賞者を“あちら側”の世界に誘うのではなく、絵画が“こちら側”の世界へ来ようとしていることを意識して制作していて、それは私がこの世界に立って絵を描いていることの姿勢である。
暗闇でじっと見る木の枝がいつも見えていない色に見えてくるように、普段見えない色を見つめながら描いている。
 
勝木杏吏/Anri Katsuki
2008 年 国立音楽大学付属高校卒業
2013 年 多摩美術大学美術学部彫刻学科 卒業
2015 年 多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程彫刻専攻 修了
主に金属を用いて作品を作る。美術教育の仕事に携わりながら、野外彫刻や壁掛け彫刻を手掛け、コンスタントに展示を重ね制作活動を続けている。近年は、金属の表面を磨いた後に炙って色を付ける独自の手法により、鉄を藍色に輝かせた〝藍染シリーズ"を主に発表。
 
カトウ/Kato
2017年 東京藝術大学絵画科油画専攻 入学
2021年 東京藝術大学絵画科油画専攻 卒業
2023年 東京藝術大学大学院 修士 美術研究科 油画 修了
主に抽象的な作品を描くことと描かないことを考えながら描いている。また、絵と物理的動きの関係や「意味すること」「選択すること」などにも興味し、考え制作を行なっている。
 
[販売について]
会場展示作品は6月17日(土)11:00より販売開始。
アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」にて、6月22日(木)正午12:00より販売開始いたします。
※プレセールスの状況により会期開始前に販売が終了することがあります。
 
\オンラインストアで購入する/
2023年6月22日(木)12:00~販売開始
 
 
 
  • 会期 2023年6月17日(土)~7月4日(火)※終了⽇は変更になる場合があります。
  • 時間 11:00~20:00※最終日のみ、18時閉場
  • 会場 銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM(イベントスペース)
  • 主催 銀座 蔦屋書店
  • 協力 biscuit gallery
  • 入場 無料
  • お問い合わせ 03-3575-7755(営業時間内) / info.ginza@ccc.co.jp
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