【展示】中田愛美里作品展「Black room」

アート
銀座 蔦屋書店 インフォメーションカウンター前 2023年07月08日(土) - 07月21日(金)
中田愛美里は、人間や動物などのモチーフを陶で制作し、それらを演劇のように動かし物語を演じさせ、映像作品として表現することで、人間が本質的にはらんでいる空虚さを示唆するアーティストです。
 
幼少期よりバレリーナを目指していた彼女。舞台で役を演じる時、身体が自分のものでなくなり、からっぽになったように感じる瞬間があったと言います。演劇に限らず社会で生きるために、誰もが無意識に何かしらの役割を演じさせられているのではないか。人間の本質的な空虚さに気づいた中田は、その表現のために陶を素材として選びます。
 
陶で立体作品を制作する場合、中空の構造にしなければ、乾燥と焼成の段階で割れてしまい、作品として完成しません。また、陶の多くは、うつわの材として用いられています。中身がからっぽで、入れ物である。陶は、彼女の直感した人間の本質的な空虚さを表現するのに、最適な素材と言えます。
 
モチーフは、童話に登場するような幻想的な人間や動物たち。そのかたちから、モチーフが何であるかは理解できるものの、それら目はくり貫かれ、表情はうつろで感情を読み取ることはできません。中田は、これらの立体を動かし物語を展開して、映像作品として表現します。バレエや演劇の演目や童話から着想を得た物語を、からっぽな人形たちが演じていく。無理やり動かされているようにも見える悪夢にも似たその様子は、無意識に社会に規定された役割を生きる、我々の姿と重なるのです。
 
TOKYO MIDTOWN AWARD 2022 グランプリ、CAF賞2022 ファイナリストなど、若手アーティストの中でその動向が注目されるアーティストのひとり、中田愛美里。今回は新作7点と映像作品が展示されます。
 
作品たちにぽっかりと開く黒い瞳をのぞいた時、あなたの目には何が映るでしょうか?中田愛美里の生み出す世界を、どうぞご堪能ください。
 
[アーティストプロフィール]
中田 愛美里(なかだ えみり)
 
プロのバレリーナを目指し舞台上で役を演じる経験をもとに、セラミック、CG/映像を用いた作品を制作している。日常生活から感じられる演劇的な要素を、バレエや演劇の演目、童話などをベースとした物語に落とし込む。空洞なセラミックと人間たちを重ね合わせ、ひとの在り方を模索する。
1997 東京生まれ
2021 東京藝術大学 美術学部彫刻科 卒業
2023 東京藝術大学 大学院美術研究科 彫刻専攻 修了
 
[アーティストステートメント]
「一軒の家を描いてください。何も考えず、直感で描いてください。その家のサイズは幸せの大きさを、窓やドアの数はあなたの外向性を表します。」ドアを開け、その小さくて黒い部屋に入る。ひとつひとつお気に入りを置いていく。冷たくて空っぽなものたちは黒い目でいつもこちらを見ている。
 
[販売について]
作品は銀座 蔦屋書店店頭にて、7月8日(土)10:30より販売いたします。
オンラインストア「OIL by 美術⼿帖」では7月10日(月)10:30より販売いたします。
※作品はプレセールスの状況により展覧会会期開始前に販売が終了することがあります。
 
\オンラインストアで購入する/
2023年7月10日(月)10:30~販売開始
  • 会期 2023年7月8日(土) - 2023年7月21日(金)※終了日は変更になる場合があります。
  • 時間 当店Webサイトをご確認ください。※最終日は17:00閉場
  • 場所 銀座 蔦屋書店 インフォメーションカウンター前
  • 主催 銀座 蔦屋書店
  • 問い合わせ先 03-3575-7755
mail

メールマガジンで、イベント·フェア情報をいち早くお届けしています。ぜひご購読ください。

メルマガ登録はこちら

SHARE

一覧に戻る

RELATED EVENT

RELATED ITEMS

STORE LIST

ストアリスト