【展示】井上大輔「かなた」

アート
銀座 蔦屋書店 スターバックス前 2024年01月06日(土) - 01月26日(金)
"たぬき"を再解釈し"TANVXI"として描くシリーズを主に制作するアーティスト、井上大輔の新作を含む作品展示 「かなた」を、2024年1月6日(土)〜1月26日(金)の期間に開催いたします。
 
井上は、北方ルネサンスを技術的標榜としつつ日本や中央アジア、コーカサスを中心にユーラシアの文化や世界観を混ぜ合わせて自己の表現としています。春に行われた銀座蔦屋書店の展示では、その驚くほど細かい描写や、深い目をしたずんぐりな"たぬき"のヴィジュアルが注目を集めました。
 
新たな年を迎え"たぬき"はどこへ向かっていくのでしょう。もはや彼の分身のような"たぬき"の行く先を、ぜひ銀座蔦屋書店にて見届けてみませんか。

『あんそく』、2023、606×727×20mm、キャンバスに油彩
 
 
 
『とう』、2023、606×727×20mm、キャンバスに油彩
 
[作家コメント]
基本的に私は自分の作品と言葉を関連させるのは好きではない。「文章も含めて作品」というのでなければ、作品は作品として完成しているべきであって、そこから何を感じ、読み解くかは鑑賞者の文脈に任せたい。何か文章を付随させ作品鑑賞を方向付けたり個々人の自由な想像を阻害したくないのです。…が。絵を売ってもらって生計を立てている状況ではそうもいかない。求められれば書かねばならぬ。
そこでとりあえず上記の建前と言い訳を記しつつ、あくまで私が自分の作品を制作しながら、或いは鑑賞して抱いた感想という体で、脈絡なく色々と述べたい。
まず第一に殆どの絵に描かれている「たぬき(TANVXI)」について。
このたぬきはデザイン的には元々、ポケモンカードの絵柄の募集で私がピカチュウで応募して残念ながら落選し、その後Twitter(現X)に投稿した際に28万いいね!がつくというよく分からない状況が発生して、その後紆余曲折を経てピカチュウ(初期)を散々歪めた末に生み出された成れの果てであります。
初期のピカチュウのあのずんぐりとした体型にチンチラ的要素と西洋絵画の人物の様なごちゃごちゃとした深い目、アライグマの尻尾に鳥の足。この一つも"生物学的なたぬき"の要素を含まない存在に無理矢理「たぬき」と呼びつけ、世に深く広めようというのが私の思惑であります。
というのも日本で慣れ親しまれているこの"たぬき"という生き物の概念はその認知度とは別に文化的なあやふやさを持っています。そもそも学名及び生物学的な和名は西洋的な科学の分類によって後から整理されたものであって、生き物の呼び名というものはそれ以前は、ある呼称が他方では別の生き物を指し、或いはある地域では別の呼称で呼ばれ、あるいはひとまとめに乱暴に総称されされたりと非常に流動的で地域的で一致を見ないものでありました。例として"たぬき"はムジナと呼ばれたり或いはアナグマ等と混同されたり地方によって逆だったり、そもそも狸という漢字は元々中国でジャコウネコの類を指していたり、と言った具合です。"たぬき"というイメージについても生物学的な"たぬき"は目の周りの隈取が口吻の下を通ってUの形になっていますが、信楽焼の狸や世の多くの"たぬき"のキャラクターでは目と目を一直線に繋いでいたり、「タヌキマリオ」を初め、"たぬき"と言いながら尻尾がアライグマの様なシマシマだったりと実に漠然としています。このあやふやで漠然として一致しない"たぬき"という概念が私は非常に日本的で好ましく思います。
そこでこの曖昧な"たぬき"を利用して上記の様に生物学的な"たぬき"の要素を一つも持たないがギリギリ"たぬき"と認識できる存在に対して「たぬき」と言い張り、終いには成り代わろうと野望しているわけです。
 
最近の私の絵はこの「たぬき」に自分の行きたい様な場所に行かせたり、したい事をさせたりと自己の願望の投影をしているのです。山に行きたい。
 
元々私はブリューゲルやファン・アイクをはじめとした初期フランドル派を標榜としていて画題も聖書や西洋神話等であったのだが、日本人である自分がそれらを描く事に文脈的な不一致を感じていた。「たぬき」を創ってからは技法、画題、自己を中継ぎする役割として大変役に立っている。
 
他にも自分が勝手に想像している「たぬき」の世界設定の様なもの等あるが長くなるのでまた別の機会に……最後に改めて、これは私の感想です。絵とは関係しません。
 
 
[アーティストプロフィール]
井上大輔

1989年 生まれ。
2007年 予備校にて初めて油絵を描く。
2016年 画材調整中に出火、熱傷で2カ月入院
武蔵野美術大学油絵科入学。
2019年 Twitterでピカチュウの絵が28万いいねでバズる。
2020年 武蔵野美術大学(油)卒業(2019年度)。
2021年 「elaboration」トライセラギャラリーにてグループ展。
2022年「ECHO」 the blank galleryにてグループ展。
「この世のほか」Gallery美の舎にて企画グループ展。
「100人10」東京ミッドタウンにて選出、参加。
「D O U B L E _ E N T R Y 」HASHIVA Gallery。
2023年 「-ANIMALS -」Gallery美の舎にて企画グループ展。
「STA Exhibition 2023」+ART GALLERYにて企画展。
「study:大阪国際芸術祭、アートフェア2023」Satelites ART LABより参加。
あおぞら銀行本店、あおぞらギャラリーにて展示。
「D- art ART2023」大丸東京店にてSatelites ART LABより参加。
「Sync」GALLERY DALSTONにてグループ展。
東京堂書店カフェスペースにて展示。
2023年 GINZA SIX銀座蔦屋書店 小個展「ほうろう」開催
マンダリンオリエンタル台北「共生SYMBIOSIS」参加
MDP GALLERY KAMAKURA 二人展「Mark.2」
MASATAKA CONTEMPORARY 企画展「mini○」参加
銀座三越 三人展 「Tryptich」
MASATAKA CONTEMPORARY 二人展「いつか眠る都市、記憶の塔」
銀座蔦屋書店 「ART SESSION by 銀座 蔦屋書店」
BSフジ「ブレイク前夜」出演
D-art,ART2023 松坂屋名古屋店 参加
Artglorieux GALLERY OF TOKYO SIGNS OF A NEW CULTURE vol.17 参加
2023 ART TAIPEI 台北国際芸術博覧会 参加
台湾WHIMSY WORKS 「STA All-Stars」参加
美の起原 企画グループ展「いきものたちの交差点」参加
Ztory Teller Gallery「AFTERGLOW」参加
銀座三越 「ART SHOW GINZA ONBEAT×MITSUKOSHI」参加
長亭GALLERY 「長亭GALLERY3周年展」参加
Empathy Gallery 「ブレイク前夜展in原宿エンパシーギャラリーPart.1」参加
TOKYO CHUO GALLERY「I IS ANOTHER」参加
富山大和「ONBEAT Art Show」参加
上海 伯爵庭 EARL 'S COURT HOOKAH 個展
ニューヨーク Haven Gallery 「Little Big VII」 参加
 
[販売について]
作品は銀座 蔦屋書店店頭、アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」にて販売いたします。
店頭:1月6日(土) 10:30~販売開始
オンライン:1月9日(火)10:30~販売開始

※作品はプレセールスの状況により展覧会会期開始前に販売が終了することがあります。
 
\オンラインストアで購入する/
2024年1月9日(火)10:30~販売開始
  • 会期 2024年1月6日(土) - 2024年1月26日(金)※終了日は変更になる場合があります。
  • 時間 当店Webサイトをご確認ください。
  • 場所 銀座 蔦屋書店 スターバックス前
  • 主催 銀座 蔦屋書店
  • 問い合わせ先 03-3575-7755
mail

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