【展示】外丸治 彫刻展 野生のまにまに

アート
銀座 蔦屋書店 インフォメーションカウンター前 2024年08月24日(土) - 09月13日(金)
この度、銀座 蔦屋書店にて木彫作家・外丸治の作品展示を、2024年8月24日(土)〜9月13日(金)の期間に開催いたします。
 
本展では、外丸の新作・旧作を織り交ぜた彫刻作品を中心に、手漉き和紙に天然顔料でドローイングした作品なども展開いたします。
作品の大きさは家の中で飾ってもらいたいという外丸の想いから、小ぶりなサイズが多くを占めます。壁掛けや吊るす作品の多くは壁や天井の下地強化を施さなくとも掛けられる重さです。
暮らしの中に内在する多生物の野生感が大きなテーマであり、家の中にそのモノを持ち込みやすくしたいという想いも含まれています。
外丸は、木を彫り、組み合わせの場合は接着剤を使わずに木組みや麻紐で結ぶという分解可能な手法で作品を存在させています。特に結ぶ組み立て方は、結ぶ箇所を厳密に決めておらず、その都度組み立てる場所で固定していくので、微妙な揺らぎが生じます。その自在さが手の内から離れていく感覚なので好き、という外丸。直置きだったり、天井からぶら下げたり、壁に掛けたりして、展示した作品たちが見る人を逆に見ている、鑑賞者がナニモノかに見られている場を目指します。
彩色の素材は国産漆や天然顔料といった自然素材。外丸がそれらを作品に使用するのは、木の体液や、生き物の色素、金属、土、岩といった大地の色を纏わせたいという理由からです。
 
また、今回は工藤将成刀匠とコラボレーションしたナイフを併せて2点展示します。刀身と鞘やハンドルの制作は工藤氏が担当し、外丸はその鞘やハンドルに彫刻と漆塗りをデザインし、施しています。刀身はもちろん、日本刀と同じ素材と技法で作られています。
 
「地と空の水」、2017、H900×W1830×D500mm、木・大麻・天然顔料・膠・銀箔
 
大麻は約1万年前から日本人の暮らしの中で利用されてきました。また神道においては「おおぬさ」と読まれ、お祓いに用いる祭具を意味するものとして知られています。
群馬の山間部で大麻を育てている集落の方から、「昔は出産の時に赤ちゃんのへその緒を縛るのに必ず大麻を使い、お盆の迎え火と送り火の火種にも大麻を使った」という話を聞き、“暮らしの生と死にも根ざしている植物”だと感じたことから、外丸は作品に大麻を使うようになります。
 
[アーティストステートメント]
木を用いて彫刻を制作しております。
木は切り倒されて木材となっても腐らずに形と強度を保ち、生きているとも死んでいるとも言えない曖昧な状態で内部に樹液と香りを留めている不思議な存在です。木は伐採されてから300年ほどかけて強度を増していくと聞きます。いったい内部でどんな変化が起きているのでしょうか。
私の住む家は築140年の古民家。DIYでリフォームしながらの暮らしは、まるで生き物の内部にいるかのようなゆり籠のようでもあり、野生の感覚が開いていくようで楽しいです。
様々な生物が呼吸し混ざり合いその水分が山へ昇って雨となり木々が受けとめる。見えない所でいくつもの生物たちの呼吸がダイナミックに地下と空を循環している。
木を育む大地は様々な生物の死の堆積・交わりでもあります。つまり、全ての生物を喰らって木は生きる力を更新しているのです。生と死、他生物との境界を行き来することのできる木を用いて、日々の日常の中で変化していく自身の身体感覚とを交えながら、確かに立ち上がり幾層にも広がっていけるはずの「何か」をつかみ取りたいと考えています。
その狭間に私たちの生活が連続していっているような気がします。
 
「鯰」、2024、H320×W420×D190mm、木・日本漆・和紙・銀粉
 
「山花刀子」、2024、全長213mm、玉鋼、タガヤサン、オノオレカンバ、日本漆、弁柄、銀粉、金粉、正絹組紐
 
[アーティストプロフィール]
外丸 治 Osamu Tomaru
 
1980  埼玉県生まれ群馬県育ち
2005  東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科芸術文化専攻修了
 
◆個展
2023  家に住まう山(旧丸大扇屋・山形)
2023  TOHOKU CALLING(THE LOCAL・山形)
2023, 2021  外丸治 wood carving exhibition(+NOTION・東京)
2020  家に住まう山 外丸治 彫刻展(ビエントアーツギャラリー・群馬)
2018  OSAMU TOMARU solo exhibition(K’s Gallery・東京)
 
◆グループ展
2024  Art Fair NAKANOJO 2024(旧廣盛酒造・群馬)
2024  刀と彫刻 工藤将成 外丸治(+NOTION・東京)
2024  TUAD ART LINKS 2024(新宿髙島屋 美術画廊・東京)
2021, 2020, 2019   OBJECT(京都岡崎 蔦谷書店・京都)
2019  Wind of journey ― 光の遊ぶ庭 ― (赤山歴史自然資料館・埼玉)
2019  行動芸術展 ― 家は歌っている ― (風の沢ミュージアム・宮城)
2019   宮崎国際現代彫刻・空港展(宮崎ブーゲンビリア空港・宮崎)
2018, 2017  現代アーチストセンター 原風景(東京都美術館・東京)
2018   Selected Art Fair 2018 蒐集衆商(spiral・東京)
2017  Cross the river(SAKuRA GALLERY・東京)
2016  海の上を歩く 日本現代芸術展(53美術館・中華人民共和国)
2016  アートキャンパス2016(国指定重要文化財 旧風間家 丙申堂・山形)
2015  やまのは(やまきわ美術館・新潟)
2015, 2013, 2011, 2009    中之条ビエンナーレ(中之条町・群馬)
 
◆コレクション
渋川市美術館(群馬)
 
[刀匠プロフィール]
工藤 将成 Masashige Kudoh
1976 埼玉県育ち
2003 「将平鍛刀場」 独立
 
◆活動
2024 刀と彫刻 工藤将成 外丸治 (+NOTION・東京)
2016 啓蒙のための公開製作 (前橋東照宮・群馬)
2014 太刀を公開鍛錬 製作 寄贈 (モスクワ・ロシア連邦)
2009 小太刀を公開鍛錬 製作 奉納 (熱田神宮・愛知)
 
◆コンペティション
2021 現代刀職展 優秀賞 努力賞
2006 新作名刀展 努力賞
2005 新作刀展覧会 優秀賞
2004 新作刀展覧会 努力賞  新人賞
 
[販売について]
作品は銀座 蔦屋書店店頭、アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」にて販売いたします。
店頭:8月24日(土) 10:30~販売開始
オンライン:8月27日(火)10:30~販売開始
※作品はプレセールスの状況により展覧会会期開始前に販売が終了することがあります。
 
\オンラインストアで購入する/
2024年8月27日(火)10:30~販売開始
  • 会期 2024年8月24日(土) - 2024年9月13日(金)※終了日は変更になる場合があります。
  • 時間 当店Webサイトをご確認ください。
  • 場所 銀座 蔦屋書店 インフォメーションカウンター前
  • 主催 銀座 蔦屋書店
  • 問い合わせ先 03-3575-7755
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