【ギャラリーEN ウォール】圧倒的なリアリズム彫刻と、肌の⾊彩にフォーカスした抽象画シリーズの新作を展開。上路市剛個展「Border 2.0 」を10⽉22⽇(⼟)より開催
「空也上人」2022/シリコン、FRP、レジン、⼈⽑、他/55×25×25㎝
アーティスト・上路市剛による個展を、ギャラリーENウォールにて、2022年10⽉22⽇(⼟)から11⽉7⽇(⽉)の期間に開催いたします。観る者に迫るリアルな肖像とともに、それらを創作する上で作者が向き合ってきた肌の明暗にフォーカスした抽象画「Border」シリーズの新作を発表します。
- ・概要
上路市剛はリアリズム彫刻を中⼼とした作品を精⼒的に発表しているアーティストです。思わず息をのむような⽣々しい肌の⾊彩、眼球や⽑髪の1本まで精緻に表現した作品を⽣み出す背景には、上路の⼈間に対する深い興味や探究⼼、そこから拡がるさまざまな美意識や問題意識が広がっています。
京都教育⼤学教育学部美術領域の在学中に4年間を過ごし、第⼆の故郷ともいえる京都において開催する本展では「空也上人」など、上路の真⾻頂ともいえる肖像彫刻3作品と、肌の⾊の明暗を抽象画として表現した「Border」シリーズの新作を発表いたします。タイトルの「Border―境界線」とはどのような意味を持つのか、リアリズムの裏にある、上路市剛のさまざまな問い掛けが込められた作品をごゆっくりお楽しみください。
- ・「Border」について
「Border」はリアリズム彫刻の肌の塗装技術を使って、肌の⾊のみを抽出した作品です。この塗装技術は、ハリウッドの特殊メイク産業の中で培われたもので、⾚・⻘・緑・⻩・オレンジ・紫などのいわゆる「肌⾊」ではない複数の⾊を⽤いて肌の⾊を表現する技術です。
この作品は⾊の違う⾯の組み合わせで出来ていて、マーク・ロスコの抽象画のような視覚効果を⽣み出していますが、実のところは、⽇焼け跡などの、肌の⾊に差がある箇所の境界線を描いています。
⼈間の肌の⾊は千差万別です。その違いは、メラニンの密度に由来します。
科学的な話をすると、⼈間の肌の⾊の違いは、⿊とか⽩とか⻩⾊などの「⾊の違い」ではなく、メラニンの密度の違いで、⾊彩学の⽤語でいうと「明度の違い」です。つまり⼈の肌の⾊は「暗いか、明るいか」と表現すべきなのです。
「Border」は彫刻作品の肌の⾊を抽出した「抽象画」でありながら、現実的なモティーフは「⽇焼けの境⽬」を描いていて、⼀⽅では、昨今⼤変な問題になっている「⼈種間の壁」に問題意識を感じながら作られた、複数の意味での「境界」をコンセプトとする作品です。(上路市剛)
「Border No.4」(左)「Border No.6」(右)/⽊製パネル、FRP、レジン、アクリル絵の具/100×80×5㎝
- ・展⽰に寄せて
今回のように京都で展⽰するのは実に7年振りとなり、それは僕が京都教育⼤学を卒業する間際に⾏った2015年3⽉ぶりの展覧会だという事になります。
京都にいたのは⼤学の4年間のみだったのですが、僕にとっては⼤変思い出深い⼟地で、そこでの展⽰は特別に感じます。
今回の展⽰は京都という事と、平安神宮の傍という⽴地から、和⾵な彫刻を揃えました。また本展では使える展⽰台が「六⾓形」であったことから、それも展⽰コンセプトに取り⼊れました。
そのコンセプトとは、ずばり「6と3」です。特に仏教世界において「6と3」はとても重要な数字なのです。
展⽰タイトルの「Border」とは何の「境界」なのかという事と併せて、僕が展⽰に込めた沢⼭の仕掛けを堪能してもらえたら嬉しいです。
上路市剛
- ・アーティスト・プロフィール
上路 市剛 (かみじ・いちたか)略歴
1992 年 大阪に生まれる
2011 年 京都教育大学教育学部美術領域 入学
2015 年 同大学 卒業
授賞
2015 年 SICF16 準グランプリ
個展
2015年「re:male」(京都・ギャラリー知)
2018年「Realism of Sculpture -A Reek of Horniness-」(東京・みんなのギャラリー)
2019年「Realism of Sculpture -The Place of Holiness-」(東京・A/Dギャラリー)
2019年「Realism of Sculpture -A Reflection of Self-」(東京・清アートスペース)
2020年「Realism of Sculpture」(東京・HOLE IN THE WALL)
2021年「上路市剛作品展」(東京・銀座蔦屋書店)
2022年「Border」(東京・リファーレ自由が丘)
2022年「Border2.0」(京都岡崎蔦屋書店)
グループ展
2015年「TENGAI 2.0」(東京・A/D Gallery)
2015年「巧術其之陸 濫觴」(金沢・ギャラリー点)
2016年「SICF16受賞者展示」(東京・スパイラル)
2016年「Japanese Contemporary Art Show」(フィリピン・セントラルスクエア)
2017年「アーホ展vol.2」(渋谷西武・オルタナティブスペース)
2017年「華炎-The Passion-」(東京・Lower AKIHABARA)
2018年「大Ah!!rt展」(東京・西部渋谷店)
2018年「~輝く異才~注目のコンテンポラリー作家展」(東京・アールグロリュー)
2019年「INTERMEDIA ART PROJECT EXHIBITION」(Neptune Gallery・台北)
2020年「アーティストの本棚」(東京・みんなのギャラリー)
2020年「ブレイク前夜 in 代官山ヒルサイド 時代を突っ走れ!小山登美夫セレクションのアーティスト38人」(ヒルサイドフォーラム・東京)
2020年「UNTITLED」(東京・清アートスペース)
2021年「アールグロリューPOPUP(人気作家抽選販売会)」(大丸東京店)
2022年「NUDE 礼賛ーおとこのからだ」(東京・DUB GALLERY AKIHABARA)
アートフェア
2015年「アート台北」
2016年「アートフェアフィリピン」
2016年「アート大阪」
2016年「アートバザールジャカルタ」
2016年「アート台北」
2017年「アートステージシンガポール」
2016年「アートフェア東京」
2016年「アートセントラル香港」
2016年「アート大阪」
2016年「アートステージジャカルタ」
2016年「アート台北」
2018年「アートステージシンガポール」
2016年「アートフェアフィリピン」
2016年「アートフェア東京」
2016年「アートセントラル香港」
2016年「アート大阪」
2016年「VOLTA14」(スイス)
2016年「蒐集衆商」(東京・spiral)
2019年「博多阪急×アートフェアアジア福岡Catch Good Signs!」(博多阪急・福岡)
2016年「LA ART SHOW」
2016年「アートフェアフィリピン」
2016年「アートフェア東京」
2016年「アート北京」
2020年「LA ART SHOW」
2021年「アートフェア東京」
刊行物
2016年「月刊美術2016年5月号」株式会社サンアート
2017年「SENSE 1月号」株式会社センス
2018年「Art Collectors 2018年9月号」生活の友社
2019年「美術の窓 11月号」生活の友社
2019年「Art Collectors 2019年2月号」生活の友社
2019年「HEY! DELUXE4 SEASON2 SEPTEMBER 2019」(フランス)
2016年「Art Collectors 2019年11月号」生活の友社
2020年「Art Collectors 2020年9月号」生活の友社
2020年「Art Collectors 2020年11月号」生活の友社
2021年「美術の窓 2021年3月号」生活の友社
2021年「美術の窓 2021年7月号」生活の友社(山下裕二の隠し玉に掲載)
2021年「美術の窓 2021年8月号」生活の友社(山下裕二の隠し玉に掲載)
2021年「craft art DOLL 2021」マリアパブリケーションズ
「美術の窓 10月号」生活の友社
メディア(TV)
2018年 フジテレビ「アー!!ット叫ぶアート Ah!!rt」出演
2020年 BSフジ「ブレイク前夜」出演
- ・トークイベントを開催
10月22日(土)18時よりレセプションを行います(入退場自由)。
上路市剛が在廊し、作品案内を行うほか、元川崎市岡本太郎美術館学芸員であり、現在オルタナティブスペース「京都場 KYOTO-ba」館長の仲野泰生氏をゲストに迎え「アーティストが作品に込める呪いとは何か」というテーマで語り合います。ぜひお気軽にお越しください。
⽇時|2022年10⽉22⽇(⼟)18:00〜20:00(18:30〜19:30でトークイベントを⾏います)
参加申込|不要
参加費|無料
登壇|上路市剛×仲野泰⽣(京都場 KYOTO-ba代表)
会場|京都岡崎 蔦屋書店 GALLERY EN
《仲野泰⽣⽒ 略歴》
1955年 東京⽣まれ
横浜国⽴⼤学⼤学院美術教育学研究科修了
1999年 川崎市岡本太郎美術館 学芸員として、開館記念「多⾯体・岡本太郎美
術館-哄笑するダイナミズム」展 他企画展多数
2011年 岡本太郎⽣誕100年「⼈間・岡本太郎」展担当
2012年 「記憶の島-岡本太郎と宮本常⼀が撮った⽇本」展担当
川崎市岡本太郎美術館 学芸課⻑
2016年 「岡本太郎と中村正義-東京展」担当 同年4⽉、川崎市岡本太郎美術
館定年退職後、メキシコにて「今道⼦写真展」をメキシコ・ベラクルス⼤学ギ
ャラリーで企画
2017年 オルタナティブ・スペース京都場「KYOTO-ba」を4⽉に開館
2017年 嵯峨美術⼤学 ⾮常勤講師
2022年 京都場開館5周年記念「個・⾝体・共同体」展を企画
仲野泰生氏
- ・作品販売について
京都岡崎 蔦屋書店店頭およびアートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」にて、10⽉22⽇(⼟)10時より販売いたします。
https://oil.bijutsutecho.com/gallery/1022
※作品はプレセールスの状況により会期開始前に販売が終了することがあります。
- ・展覧会情報
上路市剛 個展「Border2.0」
期間|2022年10⽉22⽇(⼟)〜11⽉7⽇(⽉)
会場|京都岡崎 蔦屋書店 GALLERY EN ウォール
主催|京都岡崎 蔦屋書店
お問い合わせ|075-754-0008(営業時間内)
※フェア終了⽇は変更になる場合があります。
「⿓燈⻤」(緑)「天燈⻤」(⾚)/シリコン、FRP、⾺⽑、その他/55×25×25cm