【ギャラリーENウォール】中村夏野 個展「かわること、くりかえすこと」
《かわること、くりかえすこと#2》H1303mm×W1940mm×D30mm / キャンバスにアクリル絵の具 / 2025
- ・概要
アーティスト 中村夏野の個展「かわること、くりかえすこと」を店内のGALLERY EN ウォールにて開催します。中村夏野は「iPad」などのデジタルツールを用いて抽象的なイメージ作成し、それをもとにキャンバスに絵画を描き起こしています。本展では、新作を含む5点を展示予定です。相反するものの境目を無くしデジタルとフィジカルの“あわい”を行き来する、中村夏野の作品をお楽しみください。

《かわること、くりかえすこと#1》H1303mm×W1620mm×D30mm / キャンバスにアクリル絵の具 / 2025
デジタルの手法で作られた特定のモチーフを持たないイメージは、自然にある植物や、かたちのない音楽や宇宙といったものを想起させながら、その正体は分からないまま観る者に不定形なかたちと色彩のインパクトを与えます。何かのように見えるが何物でもないように、一見、デジタルイメージを出力したかのように思える作品もまた、手を動かして緻密に描いたものです。
- ・本展によせて
デジタル上で容易になる複製や反転などを使ってイメージを作る。すると偶然にも植物が葉や花をつける時の規則性や構造に似てくることがある。複製によって何度も同じ形を繰り返すと音や音楽を想起させる。RGBの色彩を使ってグラデーションを作ると、虹や、夕焼け、宇宙現象を思い起こすことがある。そのほかにも身体の一部や細胞に近づくことがある。
空や植物、虫などの自然物だけでなく、アニメーションや映画、MVで見られる視覚効果に着想を受けることも多いが、特定のモチーフは持たない。何かに見えてきても、具体的なもののようでそうでない曖昧なところに着地するようイメージを作る。
植物にも宇宙にも見えるが、どちらでもないこと。印刷かのようで手描きであること。抽象画のように見えるが、「iPad」の画面を描写しているのかもしれないこと。デジタルかフィジカルかではなく、デジタルとフィジカル、そのどちらでもであるということ。
このように境界線を越えること、曖昧であることは、私にとって既存のカテゴリーに対する抵抗であるとともに、新たなあり方を模索する過程でもある。(中村 夏野)
《めがまわる》H1000mm×W808mm×D30mm/キャンバスにアクリル絵の具/2025
- ・作品販売について
展示作品は8月30日(土)10:00より、店頭にて販売します。また、一部の作品はアートのオンラインマーケットプレイス「OIL」でも、9月1日(月)11:00から9月30日(火)23:59までご購入いただけます。
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- ・アーティストプロフィール
中村 夏野 Kano Nakamura
東京生まれ。2025年、京都市立芸術大学院美術研究科修士課程美術専攻油画を修了。デジタル空間とフィジカル空間を行き来しながらその間で見える世界を表現している。主な展覧会に2022年「令和三年度 卒業・修了制作 優秀作品展」(武蔵野美術大学美術館)、2024年「grid next」(biscuit gallery、東京)、2024年「Art Rhizome KYOTO2024」(no.317 ANEWAL Gallery、京都)がある。
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- ・イベント概要
中村夏野 個展「かわること、くりかえすこと」
日程:2025年8月30日(土)~9月30日(火)
時間:10:00〜20:00
場所:京都岡崎 蔦屋書店 GALLERY EN ウォール
主催:京都岡崎 蔦屋書店
お問い合わせ先:Tel.075-754-0008(営業時間内)