【展覧会】美術家・山口歴のスタジオGOLDWOOD ARTWORKSの中西伶、入江広基、サトウリホミ、平野啄也による「GROUP SHOW 2026」を2月20日(金)より開催。

展示・展覧会
2026年02月20日(金) - 03月28日(土)
ア-ティストの中西 伶、入江 広基、サトウ リホミ、平野 啄也による「GROUP SHOW 2026」を、2026年2月20日(金)~3月28日(土)の期間、5Fエキシビションスペースにて開催します。
 
 
概要
美術家・山口歴(やまぐち・めぐる)のスタジオGOLDWOOD ARTWORKSでアシスタントを経験してきたアーティスト4名の最新作を紹介するグループ展を開催します。

中西伶は最初のスタジオアシスタント経験者です。従来の美術の制作手法と最新技術との垣根を横断していく中西の表現は、代表作「flower of life」シリーズより見られますが、本展では、東京国立博物館とのコラボレーションワークを機に制作した狩野永徳《檜図屏風》を参照とした大型作品を展示します。金地の圧力と空白の緊張関係は、描画と印刷の違いが生む質感によって分解され、現代の画面構造として再構成されています。本展で中西は、絵画に加えジュエリーおよび陶芸作品も発表します。唐草模様を参照したジュエリーシリーズは、伝統的な植物文様が“絡む草”という語源をなぞるように、身体に触れる装身具として異彩を放ちます。陶芸作品は3Dプリンタによる製版で緻密に設計された図柄と、焼成という不可逆的な工程を併せ持っており、それは制御と不可制御が拮抗する中西の現在の制作態度を明確に示してもいます。
入江広基は、新シリーズ「Satori Blur」を発表します。幼い頃から繰り返し抱いてきた「手ぶれはなぜよくないものとされるのか」という問いを起点に、一般に当然とされる認識からこぼれ落ちるものへ独自の視点を向け、作品として結実させています。また本シリーズは、入江が試行錯誤を重ねた末に辿り着いた表現の起点でもあり、シリーズとしての一体的な世界観と、個々の作品が持つ見どころの双方を備えています。
サトウリホミは、17世紀の画家を着想源とする最新作を展示します。色彩バランス、構図、テクスチャといった要素が織りなす独自性は一目でサトウの作と分かる特徴であり、キャリアを重ねるなかでその研究をさらに深めてきました。本展では、大型作品から手のひらサイズまで幅広い新作が並びます。
平野啄也は、2025年のグループ展ではスタジオ運用で生じる廃材を構築的に扱った作品群を発表しましたが、本展では家具の形状をもつ作品を発表します。実際に家具として使用できる一方で、スタジオの工作実務を担ってきた平野が、ホームセンターで購入できる部材のみを用いて、家具として成り立つための仕組みを表現しています。

本展にあわせて、4名の近作を掲載した小冊子の刊行を予定しています。また会期中には、ポーラ美術館主任学芸員・内呂博之氏と作家によるアーティストトークを開催します。
 
アーティスト・ステートメント

【中西伶】
花の名を借りた理由
 
私の代表作であり花を描いていくシリーズ《Flower of Life》の制作を始めた2019〜2020年頃、私はスピリチュアルや密教思想、チャンスオペレーションといった制作の手法に強く傾倒していました。
 
作家の意図やエゴを超えた部分を、いかに制作に関係づけるかという点に狙いがありました。
 
というのも私は制作を開始した頃から、自身の意図を超えていくような偶然性や、特別な時間が流れるように感じられる瞬間に、何度も立ち会ってきました。
 
そのような体験が自分の器量を超えた領域を扱いうるのではないか。という問いに確信を与えていきました。
 
そうして《Flower of Life》というタイトルがつきました。
この図形は時代を超えてあらゆる意味や解釈を引き寄せてきた図形の名前です。それを冠することは私自身の制作意図を外部にも委ねるようなイメージにもなりました。あらゆる意味や解釈を引き寄せてきた図形の名前をタイトルとして用いることは、作品が意図を超えた解釈を許容し、制作体験そのものをメタファーとして成立させていくことへとつながりました。
 
しかしそのような普遍性や象徴性に頼るような制作意図では私自身の制作する意図がどこにあるのかが少し不安定になり制作が私自身に問いかけるような構造になっていった事を感じました。
 
現在、私はその不安定な外側の抽象性から距離を取り、美術の文脈をより必要としています。
文脈という言葉自体が、ときに抽象的なミスリードを生むこともあります。ここでは、地に足のついた制作の動機をもった作品であることが伝われば良いと考えています。それはその人がどういう経験をしてどういう意思を持った結果、どこに向けて作品を送り出したいかという考え方に根ざしています。
 
私は日本人として生まれ育った自己理解と、この国で生まれた表現を、どのように世界へ向けて説明し、未来へとつないでいくのか。過去から何を受け取り、何を次へと繋ぐのかを、この時代を生きた1人の芸術家として意思表示していきたいです。
それを見誤らないためにも、私は今この時代を生きる人々へと問いかけることのできる作品、そして感動させられるような作品を、自身の手で作り続けていきたいと考えています。
 
【入江広基】
「Satori Blur」
私は、世界が揺れて見える瞬間を幼い頃から不思議に感じていました。
海の近くで育った私は、沈んでいく夕陽や海を背景に、居合わせた人たちの記念写真を撮ることがよくありました。
手ぶれした写真はいつも失敗とされ、撮り直しをお願いされるたびに、
なぜ揺れただけで失敗になるのか、幼いながらに疑問を抱き始めました。
回転遊具で回されて景色が流れていくあの感覚も、子どもの頃の記憶として鮮明に残っています。
普段、肉眼で確認できる静止した像とは対照的に、揺れや変化の中にある世界にも、幼少期の頃から同じように魅力を感じていたのだと思います。
「静止した像に美学があるように、揺れには揺れにしか生まれない像があるはずだ」とSatori Blur を始めたときも、理由は単純でした。
被写体を決めたあとはカメラを振り続け、
無心に近づくまで何百枚、時には千枚を超える撮影を繰り返します。
この方法は、一歩間違えればただの手ぶれ写真として扱われてしまう危うさがありますが、
続けていくうちに、色や線が崩れながらも、
ある条件を満たした時に一瞬だけ形を持つ像が現れることが分かりました。
揺れや抽象化を扱う写真は写真史の中でも繰り返し現れてきましたが、
その中でも私は、意図を手放すことで現れる予期せぬ像に関心があります。
そこには、作り込むことでは届かない現れ方があると感じています。
撮影を続けるうちに、この行為は写真だけの話ではないと気づき始めました。
歳を重ねるにつれ、人間関係も未来の出来事も、思い通りにならないことばかりだと痛感しています。
考えてもどうにもならないことが増え、
多様な価値観の中で異なる他者と共存する社会の中で自分にできることは、
違いを違いとして尊重し、自分自身に正しくあろうとする努力だけだと感じるようになりました。
Satori Blur で私が最も重要視し、実践しているのは、
最善を尽くして、あとは委ねるということです。
その過程で偶然に現れた一枚を受け取る。
その行為を続けることで、
自分を確かめ、正しているのかもしれません。

【サトウリホミ】
思いと想いの祭壇について
Feeling, Thought, Desire, Love, Hope, Wish, Mind, Expectation, Sentiment, Emotion, Heart.
 
今回のシリーズは、17世紀の女性画家アルテミジア・ジェンティレスキからインスピレーションを受け制作したものになります。彼女は歴史画を通して、自分の経験や抑圧、怒り、祈り、献身といった「想い」を絵に込め、身体を通して自分の意志を表現しました。
私も同じように、制作をただの感情や記憶の表現で終わらせず、身体を動かしながら思考や感情を目に見える形にして、空間に広げていくことを意識しています。ここでは、「思い(Thought)」としての考えや記憶と、「想い(Feeling)」としての感情や祈りが行き来しています。
展示では、キャンバスや絵の具、木材や立体的な素材を空間に置きながら、現代の不安や解放、境界をテーマに、人間と習慣、生活空間や環境、動物たちとの関係性を考えています。日常にあるものたちの集まりは、無意識のうちに形作られたそれぞれの「祭壇」のような存在だと感じています。
また、ワックスを使った作品はキャンドルのように燃やすこともでき、その選択は鑑賞者次第です。火が灯り、燃え、変わることで作品も変化していきます。日本でいう火葬や、悪いものを燃やす文化ともつながるこの行為は、ものがおもいを宿す器になり、新しい想いを託すこともできる、という可能性を示しています。
 
プロフィール

中西 伶|Rei NAKANISHI

《landscape - in the style of Kanō Eitoku #1》2025-2026/Oil paint, UV print, and gold leaf on wood panel /H1700×W4608㎜ ©︎2026中西伶 Photo: @padatk CharlesChauvet

1994年 三重県生まれ。2016年に渡米し、山口歴のアシスタントとして作品制作に携わる。2019年に帰国後、GOLDWOOD ARTWORKSに所属。静岡県を拠点に、国内外にて展示発表を続ける。従来の絵画の制作方法にプリンティングを組み合わせたアプローチで作品を制作する。近作では、グラフィックのほか、3Dモデリング、AI、NFTなどの技術を掛け合わせながら時代の動きによって変化し続ける価値について問い、制作を通して表現の本質を模索している。

Selected Exhibitions:
2025 グループ展「“ART CIRCLES” Charity Exhibition by Back Wall Project」- 大阪
2024 個展「表層の季節」- GINZA TSUTAYA BOOKS - 東京
2024 グループ展「Collection Exhibition」- Maison JE Bangkok - バンコク
2023 グループ展「ART TAIPEI 2023」- DOPENESS ART LAB - 台北
2023 グループ展「Chimera」- Powerlong Art Center - 上海
2023 グループ展「エウレカトーハク!◉89」- 東京国立博物館バーチャル展示室 - 東京
2023 グループ展「ART FAIR TOKYO 2023」- 西武百貨店 渋谷店 美術画廊 - 東京
2023 個展「街への距離、画家の記憶」- OIL by 美術手帖ギャラリー - 東京
2022 個展「yue」- DOPENESS ART LAB - 台北
2022 グループ展「ART FAIR TOKYO 2022」- 西武百貨店 渋谷店 美術画廊 - 東京
2022 個展「TREE OF LIFE」- DIESEL ART GALLERY - 東京


入江 広基|Hiroki IRIE

《Satori Blur No. 1》2026/Chromogenic color print, framed/H1070×W730mm(Print Size)/Edition: 1/1
©︎2026 入江広基


神奈川県葉山町出身。2018年に渡米し、ニューヨークを拠点に活動する写真家。視覚が不確かになる瞬間や、知覚の揺らぎに関心を寄せ、写真表現を通して探求している。新作「Satori Blur」では、実体験を起点に、イメージは意図的な操作ではなく、「待つこと」によって立ち現れるものとして捉え、その生成のプロセス自体を作品化している。2025年に写真集「わからない」を刊行。光灯ギャラリー(東京)にてグループ展に参加。写真集という媒体を通して独自の表現を追求している。


サトウ リホミ|Rihomi SATO

《Cats and Cars》2026/ミクストメディア/H440×W340×D100mm
©︎2026 サトウリホミPhoto: @Esteban Abdala Torres Campo


東京生まれ。現在はニューヨーク、ブルックリンを拠点に活動。2015年に渡米し、抽象芸術およびミクストメディアを学ぶ。ペインディング、ドローイング、コラージュ、スティッチングを軸に、布や木材、石膏、金属など多様な素材を用いたミクストメディア作品を制作している。近年は身体、構造、境界、既成概念や固定観念からの解放をテーマに、素材や支持体の構造に着目しながら身体感覚に基づく表現を探っている。近年の展示に、2023年 個展「Friday Night Humanism 」Hiro Okamoto Gallery(東京)、2024年 個展 「 Senses of Bonds 」銀座 蔦屋書店 FOAM CONTEMPORARY(東京)、グループ展EVERYWOMAN BIENNIAL (NY)、2025年 グループ展 「アマルガム」光灯(東京)などがある。


平野 啄也|Takuya HIRANO

《Untitled》2026/合板、木、ステンレススチール、メタル、ウレタンコーティング/H84.3×W46.1×D55mm
©︎2026平野啄也


1995年神奈川県生まれ。学生時代に建築を学び、数年間の実務経験を積んだ後、ニューヨークに渡る。主に素材やプロセスに重点を置き自身の作品制作に取り組んでいる。本展の「structure chair」シリーズでは椅子から構造的要素を抽出し、その役割や機能を直接的に表現している。
展示歴:group show"amalgam"2025
 
販売について
作品は、2月20 日(金)11:00よりエントリー受付開始。
3月1日(日)より、店頭にて先着販売を開始いたします。
プレセールスの状況により会期開始前に販売が終了することがあります。
アートのECプラットフォーム「OIL」では、一部作品を3月2日(月)12:00~3月28日(土)20:00の期間販売します。
 
\オンラインストアで購入する/
2026年3⽉2⽇(月)12:00 ~販売開始

 
展覧会詳細
「GROUP SHOW 2026」
会期|2026年2月20日(金)~3月28日(土)
時間|10:00~20:00 ※最終日のみ17:00閉場
会場|京都 蔦屋書店 5F エキシビションスペース
主催|京都 蔦屋書店
入場|無料
お問い合わせ|075-606-4525(営業時間内)/kyoto.info@ttclifestyle.co.jp

GOLDWOOD ARTWORKSについて
GOLDWOOD ARTWORKSは、ニューヨークを拠点に活動する美術家山口歴を中心としたアートコレクティブ。境界線の越境を基本理念とし、現代美術に限らず、様々なメディアやジャンルにおいて「誰も見たことのない究極のヴィジュアル表現」を追求している。過去にトヨタ、The X Games、UNIQLO、Oakley、Billionaire Boys Club、HUFなどとプロジェクトを発表。絵画制作を軸に、彫刻作品、エディション、マーチャンダイズ、スペシャルプロジェクト、限定出版物等の企画制作を行なっている。近年の活動はポーラ美術館でのグループ展への参加(山口、2024)、2024年度公益財団法人日本卓球協会派遣の卓球男子日本代表ウェアへの作品図版提供(山口、2024)、東京国立博物館創立150周年記念バーチャル展示への参加(中西、2023)、グループ展「アマルガム」(入江、サトウ、平野、2025)など。
 
  • 会期 2026年2月20日(金)~3月28日(土)
  • 時間 10:00~20:00 ※最終日のみ17:00閉場
  • 会場 京都 蔦屋書店 5F エキシビションスペース
  • 主催 京都 蔦屋書店
  • 入場 無料
  • お問い合わせ 075-606-4525(営業時間内) kyoto.info@ttclifestyle.co.jp

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