【ダイレクターズ】2024年公開日本映画紹介企画

突然ですが……
映画は一体、誰のモノなのでしょうか?
総合芸術と呼ばれるほど多くの手がかけられるので、個人に所有を委ねるのはナンセンスと見る向きもあります。
観客が鑑賞することによって作品が完成するとも言えるでしょう。
勿論、誰にとっても正しい一つの正解がある問いではありません。
それが、映画です。
 
2024年の日本公開作品の展望
2024年が始まり、2020年代も中盤へと差し掛かりました。
コロナ禍という未曾有の事態からスタートした2020年代でしたが、完全に収まったとは言えませんが一時期の非常事態からは平穏を取り戻し、それぞれの日常が戻ってきたように思います。
しかし、世界情勢の悪化などさらなる問題は山積みです。
そして、昨年2023年は映画界でも大きなトピックがありました。
それはハリウッドでのストライキです。
アメリカの全米脚本家組合が5月から、全米映画俳優組合が7月からストライキに入りそれぞれ4、5ヶ月ほどの長期に渡り映画会社などと交渉を続けておりました。
これまでもストライキは行われてきましたが、2つの団体のモノが重なるのは珍しく、期間としても最長の部類に入るほどでした。
これらの期間中は映画の撮影だけでなく、その準備や公開に向けてのプロモーションなどあらゆる活動がストップしておりました。
ゆえに、今後の公開作ラインナップに大きな影響を与えることとなるでしょう。
2023年に公開された『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』や『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は、それぞれ前後編として制作されており、後編の公開を2024年に予定していましたが、ストライキの影響で延期となっています。
他にもアナウンスされていない延期や中止に追い込まれた作品があってもおかしくない状況です。
 
実はアメリカではコロナ禍やストライキの前から制作される作品のバジェットの二極化という問題が起きていました。
世界中で知られた原作やフランチャイズシリーズを映画化した超大作か、自由度は高いが小規模で撮られたインディペンデント作品か。
映画製作にOKを出す会社や投資家たちの中でリスクの高い中規模作品が敬遠される様になってきました。
コロナ禍やストライキはその流れを大きくしたとも言われています。
よって、今後は日本で公開されるアメリカの作品は少なくなってしまう可能性があります。
 
海外での興行における、日本映画の躍進
一方、海外で公開される日本映画がここ最近躍進を遂げています。
『ゴジラ −1.0』がアメリカでの日本実写映画の歴代興行収入記録を塗り替えたというニュースも記憶に新しいかと思います。
そして、元々人気の高かったアニメーションが本格的に興行として成功するようなってきました。
宮﨑駿監督の『君たちはどう生きるか』が全米週末興行収入ランキングで首位を獲得。
これまでもアカデミー賞で『千と千尋の神隠し』が受賞したりとジブリ作品の知名度はアメリカでも高かったですが、興行ランキング首位は実は初めてとなります。
『鬼滅の刃』『呪術廻戦』『ドラゴンボール超』なども立て続けに成功を収めており、一大ジャンルとして大きな注目を集めていることは間違いありません。
 
国際映画祭での日本映画の存在感
別の文脈で日本映画を語るとすれば、国際映画祭における存在感を挙げることができます。
2018年のカンヌ国際映画祭で最高賞であるパルム・ドールを受賞した『万引き家族』の是枝裕和監督がその筆頭であることは周知の通りでしょう。
その後も『真実』がヴェネチア国際映画祭のオープニングに、『ベイビー・ブローカー』ではカンヌでソン・ガンホに最優秀男優賞をもたらし、続く『怪物』でも脚本賞・クィア・パルムを受賞しました。
今や是枝監督がワールドシネマのトップランナーと言っても過言ではありません。
 
『万引き家族』がパルム・ドールを受賞した年に、初出品でコンペティション部門に食い込んだのが濱口竜介監督の『寝ても覚めても』でした。
こちらもその後の活躍はご存知の通りで、『偶然と想像』ではベルリン国際映画祭で銀熊賞、『ドライブ・マイ・カー』ではカンヌで脚本賞含む3冠を、『悪は存在しない』ではヴェネチアで銀獅子賞を受賞しました。
三大映画祭と呼ばれている国際映画祭のみでなく、『ドライブ・マイ・カー』はアメリカのアカデミー賞でも国際長編映画賞を受賞し、黒澤明以来の全ての受賞監督として記録されております。
 
間違いなくこの両監督が現代の日本映画を代表していると言えますが、他にも注目される作品や監督たちが数多く出てきています。
そして、2024年はそれらの作品が公開される年になりそうです。
 
2024年公開日本映画紹介企画【ダイレクターズ】
まだ年明けの段階ですが、すでに公開がアナウンスされている作品名を眺めるだけでワクワクできるラインナップが揃っています。
後年、振り返った際に2024年が日本映画のターニングポイントの一つであったと言われるような予感さえあります。
ムーブメントと呼ぶにはまだ手がかりが乏しいですが、どうしてもこの流れをリアルタイムで追いかけたいと我々は考えています。
 
そこで冒頭の問いに戻るのですが、
“映画は一体、誰のモノなのでしょうか?”
という命題に対して、
“映画監督のものである”
という切り口で紐解いていければと考えました。
それが日本映画紹介企画【ダイレクターズ DIRECTors'】です。
 
【ダイレクターズ】概要
概要としては、主にこのnoteで2024年に公開される日本映画を紹介していきます。
ラインナップはWATCH PLANが自信を持ってオススメする厳選された作品群です。
WATCH PLANのInstagramや六本木 蔦屋書店のYouTubeとも連動させて紹介記事を展開していく予定です。
さらに六本木 蔦屋書店2階の階段上スペースにはダイレクターズ専用の棚を1年間常設を予定しておりまして、こちらでは公開前後の作品ポスターや予告編をお楽しみいただけるようにいたします。
情報の更新は六本木 蔦屋書店の公式HPでも行ってまいります。
 
【ダイレクターズ】ラインナップ
こちらには随時、取り上げる作品のラインナップを記載していきます。

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