【ダイレクターズ】『ぼくのお日さま』
【ダイレクターズ】
六本木 蔦屋書店 WATCH PLANがお送りする日本映画紹介プログラム。
2024年に公開される日本映画の中から、映画監督という切り口で厳選したオススメ作品を紹介していきます。
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2024年に公開される日本映画の中から、映画監督という切り口で厳選したオススメ作品を紹介していきます。
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ダイレクターズ第十七弾は、9/13㈮公開の奥山大史監督『ぼくのお日さま』です。

(C)2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINEMAS
『ぼくのお日さま』
2024 | 監督:奥山大史
2024 | 監督:奥山大史
2024/9/6(金)
テアトル新宿・TOHOシネマズシャンテ先行公開
2024/9/13(金)
全国公開
テアトル新宿・TOHOシネマズシャンテ先行公開
2024/9/13(金)
全国公開
新世代の波
『ぼくのお日さま』は第77回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品されました。
日本人監督としては同部門で史上最年少の監督としてアナウンスされています。
同年に監督週間に出品された『ナミビアの砂漠』の
山中瑶子監督も二十代ということで、日本映画における新世代の波の到来という見方もできるかもしれません。
両監督とも今回が長編映画二作目で商業映画監督デビューとされています。
国際映画祭における若手や新人の扱いとして、この長編映画監督経験のキャリアはとても重要になっています。
カンヌ国際映画祭の独立部門である批評家週間は登竜門として知られていますが、ここでは長編2本目までと明確に制限が設けられています。
国際映画祭での評価が映画における絶対的な価値基準ではありませんが、世界中にいる映画ファンに映画を届けるにあたり、一つの武器になることは間違いありません。
そして、ここに入り込むには幾つかのルートが存在します。
短編などで評価を集めた後、長編映画企画を映画祭と併催される国際マーケットやピッチに参加し、出資者やスカラシップを得る方法です。
それらは完成前から映画祭の選定ディレクターたちに情報が入り、第一関門であり最も困難な“作品を見てもらう”という部分をクリアしやすくします。
『ぼくのお日さま』は第77回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品されました。
日本人監督としては同部門で史上最年少の監督としてアナウンスされています。
同年に監督週間に出品された『ナミビアの砂漠』の
山中瑶子監督も二十代ということで、日本映画における新世代の波の到来という見方もできるかもしれません。
両監督とも今回が長編映画二作目で商業映画監督デビューとされています。
国際映画祭における若手や新人の扱いとして、この長編映画監督経験のキャリアはとても重要になっています。
カンヌ国際映画祭の独立部門である批評家週間は登竜門として知られていますが、ここでは長編2本目までと明確に制限が設けられています。
国際映画祭での評価が映画における絶対的な価値基準ではありませんが、世界中にいる映画ファンに映画を届けるにあたり、一つの武器になることは間違いありません。
そして、ここに入り込むには幾つかのルートが存在します。
短編などで評価を集めた後、長編映画企画を映画祭と併催される国際マーケットやピッチに参加し、出資者やスカラシップを得る方法です。
それらは完成前から映画祭の選定ディレクターたちに情報が入り、第一関門であり最も困難な“作品を見てもらう”という部分をクリアしやすくします。
奥山監督は学生時代から映像制作をはじめ、在学中に撮った初長編監督作『僕はイエス様が嫌い』をサンセバスチャン国際映画祭に出品、最優秀新人監督賞を受賞という快挙を成し遂げています。
その後、広告会社に入り、CMやMV、ドラマ作品などで監督をし、満を持しての長編二作目となっています。
山中監督も、初めて監督した自主制作作品である『あみこ』がぴあフィルムフェスティバルで入選し、そのまま一足飛びでベルリン国際映画祭フォーラム部門出品と異例のスピードで駒を進めました。
『ナミビアの砂漠』までは6年を要していますが、その間に短編やドラマを手掛けています。
両監督ともキャリアのスタートから評価されていますが、長編映画というものを慎重に大切に扱っているという印象があります。
そして、これが世界に届けるための一つの成功例として道筋をつける役割も果たしています。
その後、広告会社に入り、CMやMV、ドラマ作品などで監督をし、満を持しての長編二作目となっています。
山中監督も、初めて監督した自主制作作品である『あみこ』がぴあフィルムフェスティバルで入選し、そのまま一足飛びでベルリン国際映画祭フォーラム部門出品と異例のスピードで駒を進めました。
『ナミビアの砂漠』までは6年を要していますが、その間に短編やドラマを手掛けています。
両監督ともキャリアのスタートから評価されていますが、長編映画というものを慎重に大切に扱っているという印象があります。
そして、これが世界に届けるための一つの成功例として道筋をつける役割も果たしています。
監督の眼差し
『ぼくのお日さま』を含めて奥山監督は撮影も自身で行います。
アイスダンスというモチーフと同じく、その時々で移りゆく少年の繊細な心の機微を優雅に滑るように捉えていくカメラワークは美しいの一言です。
一方で、偏見や妬みといった負の感情を排除したり無いものとするのではなく、矛盾なく存在しているということを示してもいます。
これは奥山監督の人への眼差しが反映されているように感じます。
前作『僕はイエス様が嫌い』もそうですが、異端であったり“普通”に対して違和感を感じることを肯定する眼差しが作家性の根底に流れているのではないでしょうか。
『ぼくのお日さま』を含めて奥山監督は撮影も自身で行います。
アイスダンスというモチーフと同じく、その時々で移りゆく少年の繊細な心の機微を優雅に滑るように捉えていくカメラワークは美しいの一言です。
一方で、偏見や妬みといった負の感情を排除したり無いものとするのではなく、矛盾なく存在しているということを示してもいます。
これは奥山監督の人への眼差しが反映されているように感じます。
前作『僕はイエス様が嫌い』もそうですが、異端であったり“普通”に対して違和感を感じることを肯定する眼差しが作家性の根底に流れているのではないでしょうか。
【六本木 蔦屋書店のオススメ:鑑賞前後に観たい作品】

(C)2004 Rockwell Eyes・H&A Project
『花とアリス』
2004 | 監督:岩井俊二
2004 | 監督:岩井俊二
奥山監督作品の淡いルックはどことなく岩井俊二監督作品での篠田昇ルックを思い起こさせます。
こちらはバレエがモチーフとなっていますが、キャストが経験者であることで生まれるリアリティを取り込んでいるところも共通しています。
こちらはバレエがモチーフとなっていますが、キャストが経験者であることで生まれるリアリティを取り込んでいるところも共通しています。