【展示】映画『WANDA』公開記念ミニコーナー
BOOK|CINEMA
2F映像フロア 2022年06月25日(土) - 07月21日(木)
ソフィア・コッポラ、イザベル・ユペール、ジョン・カサヴェテス、マルグリット・デュラス----
世界中の映画人たちから賛美された、映画史にのこる「小さな宝石」『WANDA』が、7月9日(土)に日本で初めて公開されます。
監督・脚本・主演を務めたのは、バーバラ・ローデン。
巨匠監督エリア・カザンの妻である彼女は、彼からの独立宣言として本作を残しました。
巨匠監督エリア・カザンの妻である彼女は、彼からの独立宣言として本作を残しました。
そして、労働者階級の仕事によって生計をたてながら執筆をつづけ、死後10年を経て再発見された作家 ルシア・ベルリン。
映画界のバーバラ・ローデンと、文学界のルシア・ベルリン。この2人に共通点を見出すひとは多いのではないでしょうか。
ルシア・ベルリンの『掃除婦のための手引き書』を好きな方は、ぜひ『WANDA』を劇場で観てみてください。
パンフレットも販売予定です。
【映画『WANDA』について】
世界中の映画人たちから「忘れられた小さな傑作」と賛美された、バーバラ・ローデン監督・脚本・主演のデビュー作にして遺作となった『ワンダ』。70年代アメリカ・インディペンデント映画の道筋を開いた奇跡の映画。
1970年ヴェネツィア国際映画祭最優秀外国映画賞を受賞するが、その名声とは裏腹にアメリカ本国ではほぼ黙殺される。フランスの小説家・監督のマルグリット・デュラスはこの映画を「奇跡」と絶賛し、配給することを夢見ていると語る。デュラスの夢を実現すべくフランスの大女優イザベル・ユペールは配給権を取得しフランスで甦らせた。マーティン・スコセッシ監督設立の映画保存組織とイタリアのファッションブランドGUCCIの支援を受けプリントが修復される。その後、ニューヨーク近代美術館で実施された修復版上映会は、行列が出来るほどの大成功を収めた。本作の熱烈な支持者であると公言するソフィア・コッポラ監督が自ら作品を紹介、観客の中にはマドンナの姿もあったという。
ペンシルベニア州。ある炭鉱の妻が、夫に離別され、子供も職も失い、有り金もすられる。少ないチャンスをすべて使い果たしたワンダは、薄暗いバーで知り合った傲慢な男といつの間にか犯罪の共犯者として逃避行を重ねる…。その粒子の粗い16mmフィルムの質感はティファニーブルーを基調に、シネマ・ヴェリテ・スタイル(ドキュメンタリー撮影手法)で剥き出しのアメリカの風景をスクリーンに映し出す。
巨匠監督エリア・カザンの妻でもあるローデンは、彼からの独立宣言とも言うべき本作を残し、癌により48歳の生涯を終える。だが、その評判は次第に高まり、ジョン・レノン、オノ・ヨーコ、ジョン・ウォーターズ、ケリー・ライカート、ダルデンヌ兄弟監督ら名だたるアーティストが彼女を不世出の作家として敬意を表する。“インディペンデント映画の父”と称されるジョン・カサヴェテスは「『ワンダ』は私のお気に入りの作品。彼女は正真正銘の映画作家だ」と高く評価する。見向きもされなかった映画が、2017年、後世に残す価値がある作品として認められアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録される。
崖っぷちを彷徨う女の人生を漂流するロードムーヴィーが、近年これほどまでに愛されるようになった。
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- 場所 2F映像フロア
- 期間 2022年6月25日(土)~7月21日(木)