【六本松の6オシ!】2025年4月 VOL.6 文学担当者のオシ!『月とアマリリス』/町田そのこ
当店の各ジャンル担当者が、今一番読んで欲しい本を厳選した『六本松の6オシ!』。
皆様におすすめの1冊をお届けします。
■文学担当者のオシ!
皆様におすすめの1冊をお届けします。
■文学担当者のオシ!
『月とアマリリス』
町田そのこ
-ミステリーという枠には収まりきれない、いまを生きる全女性に贈る著者渾身の傑作ミステリー。-
舞台は北九州です。
白骨化した遺体が発見され、地元でフリーのライターをしている飯塚みちるが、元恋人の編集者からの依頼を受けて、その事件を取材するところから物語は始まります。
事件の背景には、いまだ色濃く残る封建的な風土に生きる女性たちのいたたまれない現実があります。
事件の真相を詳らかにするミステリとしても秀逸ですが、この作品の素晴らしさは、事件の真相、それ以上にその背景にある、そうせざるを得なかった女性たちの姿を通して、人間の尊厳、業、生きるということ、愛するということ、存在証明を克明に鮮烈に描き切ったところにあります。
いまという時代を生きる全女性に読んでほしい作品です。
著者の新たな傑作です。ぜひ一読を。
著者の新たな傑作です。ぜひ一読を。
----------------------
書店に勤めて幾星霜。
日々、入荷する本の荒波に揉まれながら、より良き売り場を目指して粉骨砕身奮闘中。
好きな作家は開高健、町田康、向田邦子、小川洋子等々。
読みたい本が多すぎて、積読本が山脈となりつつある今日この頃。
日々、入荷する本の荒波に揉まれながら、より良き売り場を目指して粉骨砕身奮闘中。
好きな作家は開高健、町田康、向田邦子、小川洋子等々。
読みたい本が多すぎて、積読本が山脈となりつつある今日この頃。
【文学担当/峯】