【コンシェルジュ偏集部】プロトピア・ジャポニズム
蔦屋書店には企画の中枢を担うそれぞれのジャンルのプロフェッショナルが存在します。
その専門分野においての豊富な経験や知性・感性を備えた熱狂人です。
六本松 蔦屋書店のコンシェルジュによる偏愛を表現した企画をお楽しみください。
その専門分野においての豊富な経験や知性・感性を備えた熱狂人です。
六本松 蔦屋書店のコンシェルジュによる偏愛を表現した企画をお楽しみください。
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The world rediscovers Japan’s quiet innovation.
伝統の手が、未来のかたちをつくる。
テクノロジーとクラフトが出会うとき、日本のデザインは新しい呼吸をはじめる。
海外でいま注目されているのは、派手さではなく静かに進化し続ける日本の美意識。
「プロトピア・ジャポニズム」では、アート・工芸・デザインの境界を軽やかに越え、未来の暮らしに寄り添うモノたちを集めました。
手の温度と、未来の質感。そのあいだにある“まだ見ぬ日本”を感じてください。
伝統の手が、未来のかたちをつくる。
テクノロジーとクラフトが出会うとき、日本のデザインは新しい呼吸をはじめる。
海外でいま注目されているのは、派手さではなく静かに進化し続ける日本の美意識。
「プロトピア・ジャポニズム」では、アート・工芸・デザインの境界を軽やかに越え、未来の暮らしに寄り添うモノたちを集めました。
手の温度と、未来の質感。そのあいだにある“まだ見ぬ日本”を感じてください。
■Bottled Local
筑後の自然をテーマに、地域素材である久留米高良山の「竹」、久留米絣の「藍」を使ったクラフトジン。“ボトルに詰め込んだローカル”をコンセプトに、土地の風土を香りとして表現。
筑後の自然をテーマに、地域素材である久留米高良山の「竹」、久留米絣の「藍」を使ったクラフトジン。“ボトルに詰め込んだローカル”をコンセプトに、土地の風土を香りとして表現。
久留米産の素材や未利用資源(竹・藍など)を活用し、地域の魅力を再発見。環境負荷の少ない製造と美しいパッケージデザインにも注力している。
Instagram:@bottled_local
〈コンシェルジュおすすめポイント〉
わたしの地元でもある「久留米」の地域課題となっている放置竹林。人の手が入らず管理されなくなった竹林のことで、竹が繁茂して生態系や景観に影響を与える問題を指します。近年はこの放置竹林を資源として再利用し、竹材や製品へ循環させる取り組みが進められています。
また「JAPAN BLUE」の由来となっている「藍」のもつ薬効にも着目し、その香りと色を味わえるデザイン性の高さも見事!飲むことで地域課題を知り、伝統の承継と革新を支えることになります。できることからすこしずつ!
わたしの地元でもある「久留米」の地域課題となっている放置竹林。人の手が入らず管理されなくなった竹林のことで、竹が繁茂して生態系や景観に影響を与える問題を指します。近年はこの放置竹林を資源として再利用し、竹材や製品へ循環させる取り組みが進められています。
また「JAPAN BLUE」の由来となっている「藍」のもつ薬効にも着目し、その香りと色を味わえるデザイン性の高さも見事!飲むことで地域課題を知り、伝統の承継と革新を支えることになります。できることからすこしずつ!
■AISO
音の断片(サウンドピース)をリアルタイムに組み替える、終わりのない音楽生成システム。
プログラムとアートを融合させることに注力。アーティストと協働し、ランダム性・リアルタイム性を活かした音楽表現を追求している。
音の断片(サウンドピース)をリアルタイムに組み替える、終わりのない音楽生成システム。
プログラムとアートを融合させることに注力。アーティストと協働し、ランダム性・リアルタイム性を活かした音楽表現を追求している。
毎回異なる音が生まれる唯一無二の体験ができ、展示や空間演出にも適したサウンドデザインとなっている。
〈コンシェルジュおすすめポイント〉
近年当たり前となってきた「サウンドスケープデザイン」、音で風景をつくる、という考え方です。
近年当たり前となってきた「サウンドスケープデザイン」、音で風景をつくる、という考え方です。
先日閉幕した大阪・関西万博でも会場内は緻密なサウンドスケープデザインが施され、その中にAISOも導入されました。
カナダ人の作曲家、マリー・シェーファーは、「世界に溢れる音全てが既に音楽である」と認識し、音環境全体を「音の文化」として捉える概念を提唱しました。
カナダ人の作曲家、マリー・シェーファーは、「世界に溢れる音全てが既に音楽である」と認識し、音環境全体を「音の文化」として捉える概念を提唱しました。
同時に、そのような音環境に耳を傾けることができる「聴く力」を養う教育の必要性も唱えています。
そして、日本では古来から、鹿威しや水琴窟など、音を取り入れた空間デザインを行い、蝉しぐれや虫の音に風情を感じるという感性があります。
わたしはくり返されるBGMにすこし疲れてしまったとき、AISOが生成する音の流れで自分をフラットに戻してもらっています。
そして、日本では古来から、鹿威しや水琴窟など、音を取り入れた空間デザインを行い、蝉しぐれや虫の音に風情を感じるという感性があります。
わたしはくり返されるBGMにすこし疲れてしまったとき、AISOが生成する音の流れで自分をフラットに戻してもらっています。
■茶番
「日常の中の美を礼拝する」ことを理念に掲げる久留米発、八女茶ブランド。茶葉から茶器、手ぬぐいまで幅広く展開。茶を媒介に、空間づくり・器・道具・体験をトータルに設計。スタジオ併設ショップで提供やイベントも実施。
Instagram:@chaban.krm
〈コンシェルジュおすすめポイント〉
茶の時間を“体験”として楽しめるブランド。ストリートカルチャーを取り入れたデザインと世界観で、若い世代へ茶文化をかろやかに伝えています。
茶の時間を“体験”として楽しめるブランド。ストリートカルチャーを取り入れたデザインと世界観で、若い世代へ茶文化をかろやかに伝えています。
"hikicha"は純粋な抹茶なので料理にも使うのもおすすめ!
■走る舟/@hashirufune
■LEAK/@leak_sampo
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― わたしたちがすこしずつよくなっていくために ―
「完璧な理想郷」でもなく、「荒廃した世界」でもない。昨日より少しだけ、今日をよくしていく。
そんな”あいだ”の未来を描く言葉が、プロトピア(Protopia)。
そんな”あいだ”の未来を描く言葉が、プロトピア(Protopia)。
編集者であり未来学者、環境保全活動家でもあるケヴィン・ケリーが提唱した概念です。
子どもたちと過ごす時間の中で、わたしはこの言葉の意味を日々実感しています。失敗して、またやり直す。壊れて、また修復する。そのくり返しの中から、“世界が少しずつよくなるすべ”を見つけ出せるかもしれない。
子どもたちと過ごす時間の中で、わたしはこの言葉の意味を日々実感しています。失敗して、またやり直す。壊れて、また修復する。そのくり返しの中から、“世界が少しずつよくなるすべ”を見つけ出せるかもしれない。
日本の工芸や建築、テクノロジーは「壊れやすくつくることで、なおしやすくする」という視点でつくられてきました。
‘余白’や’あそび’を残すことで、しなやかに受け止める。古くなったら、ばらばらにして新しいものに生まれ変わらせる。
壊れたものをなおし、使えるものに循環させる。この日本のものづくりの思想に、世界が気づきはじめています。
‘余白’や’あそび’を残すことで、しなやかに受け止める。古くなったら、ばらばらにして新しいものに生まれ変わらせる。
壊れたものをなおし、使えるものに循環させる。この日本のものづくりの思想に、世界が気づきはじめています。
子どもの発想や感情の途中をひとつずつ拾い上げていくこと。完成を急がず、つづきを生きる知恵。
プロトピアとは、そんな関係の手ざわりを取り戻すことに似ている気がします。
プロトピアとは、そんな関係の手ざわりを取り戻すことに似ている気がします。
幼かった子どもたちを連れて、さまざまな国や地域を旅しました。その中で旅人や土地に住む人々に教わった、日本人の持つ精神性や技、習俗や民族性、自然への畏敬の念。
このフェアでは、「プロトピア」と「ジャポニズム(日本の感性)」を重ね合わせ、“未完を愛し、つづきを生きる”という文脈から、未来を感じる伝統工芸プロダクト、進化途中のテクノロジー、環境の循環を目指す商品、温度を感じる作品を集めました。
世界はいつも、よいこととそうとは思えないこととのグラデーションで成り立っている。それによって今日もわたしたちは生かされている。
けれど「昨日より少しだけよくなる」方向へ歩くことができるなら、それがきっと、わたしたちにとってのプロトピアだと言えるのかもしれません。