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【六本松の6オシ!】2024年11月 VOL.6 文学担当者のオシ!『あの日の風を描く』/愛野史香

当店の各ジャンル担当者が、今一番読んで欲しい本を厳選した『六本松の6オシ!』。
皆様におすすめの1冊をお届けします。
 
■文学担当者のオシ!
『あの日の風を描く』
愛野史香/著
 
-襖絵を復元するという作業は、まさに推理小説そのもの。着原点の妙味に感服する著者渾身のデビュー作。-
 
美大に籍を置きつつも、自身の絵の才能を信じ切れずに、引きこもっている主人公の元に日本画の襖絵の復元を手伝ってほしいという依頼が舞い込む。
彼の亡き父親はそれを生業としており、親しい従兄弟は父の弟子で、彼をこのプロジェクトに誘ったのも従兄弟だった。
戸惑いながらも参加することにした彼は次第に襖絵の復元にのめり込んでいく。
 
失われた部分に何が描かれていたのかをあらゆる事柄から推測して復元するという作業は、推理小説に酷似している。
その発想がまず素晴らしいし、襖絵の復元作業そのものも興味深く惹き込まれる。
眼前に描かれたものが立ち現れるような描写は圧巻。
これがデビュー作というのだから空恐ろしい才能だ。
 
襖絵の復元という父の歩んだ道をたどりながら、人として、芸術に携わる者として成長していく主人公の姿に心震えます。
 

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