【六本松の6オシ!】2025年2月 VOL.2 旅担当者のオシ!『「その日暮らし」の人類学 』/小川さやか
当店の各ジャンル担当者が、今一番読んで欲しい本を厳選した『六本松の6オシ!』。
皆様におすすめの1冊をお届けします。
■旅担当者のオシ!
皆様におすすめの1冊をお届けします。
■旅担当者のオシ!
『「その日暮らし」の人類学 』
小川さやか
旅先で「1ドル持っていないか」、「煙草をくれ」と無心されることがある。
履いている靴を指し、「カッコいいからくれないか」とも言われる。
私たちの美徳では見ず知らずの人に物を乞うことはずうずうしく、卑しい行為だ。彼らはなぜ堂々とねだってくるのだろう。
そんな旅の疑問に対するヒントがこの本にある。
インフォーマル経済を研究する著者は、タンザニアで行商人(マチンガ)の中に入り込みその実態を調査する。
そこには私たちの商習慣や無意識にたよっている人間関係の定型とは別軸の世界があった。
そこには私たちの商習慣や無意識にたよっている人間関係の定型とは別軸の世界があった。
私たちが途上国を旅して出くわす謎。なぜ約束は守られないのか、なぜ計画性がないのか、それらのからくりが描かれている。そして明日がどうなるかわからない不安定な世界で彼らはしかし、充実して誇りをもち生きている。
その姿とマインドは、同じく不確かな日本を生きる私たちを勇気づけてくれる。
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これまで世界を3周し133カ国を訪問する「旅する書店員」。
旅の書棚ではジャンルを越えてセレクトし、旅先でおこる出会いの驚きを再現する。
イベント、フェア企画、観光プロモーション、メディア出演など、業務は多岐にわたる。
旅の書棚ではジャンルを越えてセレクトし、旅先でおこる出会いの驚きを再現する。
イベント、フェア企画、観光プロモーション、メディア出演など、業務は多岐にわたる。
【旅担当/森】