【ブログmeganegoshi】青森滞在記 おまけ
十和田の隠れたアートスポット?!
「松本茶舗」に行ってみた

実はまだ続く青森滞在記。
青森に行ったのは夏なので…少し間が空いてしまったのですが、どうしても皆さんに知っていただきたい場所があるので、青森滞在記 おまけをお届けします。

十和田市現代美術館のスゥ・ドーホー展と青森県立美術館のめがねと旅する美術展を満喫したわたしですが、実はもう一箇所、ステキな出会いと体験をした場所があります。
それは・・・十和田市現代美術館からもほど近い場所に位置する「松本茶舗」さん。
実はこのお店、十和田に遊びに行くたびに気になっていたのです。

 
だって、商店街を歩いていると「中に展示室あります」って、謎の看板が立っているのですもの。アートファンにとって「展示室あります」という文言って心つかまれるじゃないですか!!
 
入ってみようかなーと思いつつ、その矢印の先に視線を向けけると、あるのは食器やら日用品がずらりと並ぶお店。展示室がある気配がない…。が、しかし!!ただならぬオーラを放っている。何なんだここは…と、気になりつつもいつもひるんで通り過ぎてしまっていました。
そんなわたしのチキンな心を押してくれたのが、銀座 蔦屋書店で文具を担当している田中暖さんです。

 
文具に対して深い愛と抜群のセンスの持ち主 田中さん。旅好きでもあり、いつもいろいろなおもしろいスポットを教えてくれます。そんな田中さんが、十和田に行くなら美術館だけではなく「松本茶舗」っていうお店に行くとおもしろいですよ!と教えてくれたのです。調べてみると…なんと、あのいつも気になりつつも通りすぎていたお店ではないですか。
ということで今回、田中さんのオススメともあって、意を決して「松本茶舗」の扉をたたいてみることにしました!
 

恐る恐る中に入ると
「こんにちは!展示ですか?」と中から優しい声が。
「案内しますよー。」とご主人が、店内を、いや展示室を案内してくださいました。

こんなかんじ。
って、普通にお茶碗とか売っているお店じゃないか!!と思いますよね?
それがですね、奥に進むと…。


じゃん!



じゃじゃん!!



じゃーーーん!

と、商品と作品がこんな感じに隣りあわせになっています。
もともとここはお茶やさんで、お茶や茶器を中心に取り扱っているお店です。
創業100年超え。そんな老舗店で茶器と作品がいい感じの違和感を醸しながら、いい感じに溶け合っています。

 

そ・し・て…

最後、このはしごを降りた先の地下室に最大の目玉が!!!!!
だ・け・ど、この下になにがあったかは、ひ・み・つ。

十和田市現代美術館ゆかりの作品にもつながると思うので、ぜひ、ご自身で確かめてくださいね。ちなみに、この地下室は1941年にできたそうです。なんでも同年の春に十和田で大火事があったようで、そこから復旧する際に、地下室を作りたいという要望が方々からあがったとのこと。この地下室もその時に作られたようですが、現在、機能しているのは、松本茶舗さんを含めて2箇所のみだそうです。
全ての展示を見た後に、ご主人にいろいろ説明をしていただきました。
現代アートの知識がとても豊富でいらっしゃる。脱帽。
アートに関する蔵書もいっぱい!

話を聞けば聞くほど、そもそも、なぜ、ご主人がこのようなことをしているのかが気になって仕方ありません。お茶屋さんに展示室、お茶屋のご主人が現代アートを熱く語るって、絶対、他にない光景。わくわくがとまりません。

はじまりは、十和田市現代美術館の企画展の会場の1つになったことだそうです。十和田市現代美術館ができてから10年がたちますが、開館2年目から街を巻き込んだ展覧会がはじまったのだそうです。
その先陣をきったのが「チェ・ジョンファ/OK!展(http://towadaartcenter.com/exhibitions/choi-jeong-hwa-ok/)」なんですって。韓国のアーティスト チェ・ジョンファさんが3ヶ月ほど、十和田に滞在をして、美術館だけでなく、商店街含めて16箇所で作品を展示されたそうです。お花屋さんや、お米やさん、洋品店、そして松本茶舗さんも会場になりました。
 
松本茶舗さんには、あの、サトちゃんがたくさんやってきました!チェさんが十和田で行きつけにしていた飲み屋のご主人のコレクションなのだとか。松本茶舗さんの店頭にズラリと並ぶサトちゃんフィギュアを見た子どもたちは、「これのどこが作品なの??」と率直な感想をぶつけてきたそうです。一方、ご主人はというと、サトちゃんがご自身のお店に色をつける生花のように見えたとのこと。なるほどなあ。子どもの感想とご主人の感想をチェさんに伝えたところ「そうだよ!豊臣秀吉の時代だよ!千利休は野に咲く一輪の花を、立派とは言えない茶室にいけて、昨日とは全く違う空間を作りあげたじゃないか」と話してくれたそうです。見立ての美ですねえ。この展示の経験とチェさんの言葉から、ものの意味は場所によって全く違ってくるし、場所もものによって別空間に変貌を遂げることに気づいたと、ご主人。
 
以来、松本茶舗さんでは、美術館と連動した企画がたくさん開催され、そのときに展示されていた作品が今も店内に点在し、日々展示室は更新中。
今や、十和田は、世界中の美術ファンが集まる、人気のアートスポットですが、十和田市現代美術館ができたての頃は、市民のみなさんの理解を得られていなかった部分もあったそうです。チェさんが滞在制作をされていたとき、すでに開館2年がたっていましたが、まだ1度も美術館に行ったことがないという人が多かったそうです。しかし、チェさんの街を巻き込んでの展示を通じ、だんだんと商店街のみなさん、市民のみなさんと美術館の距離が縮まっていったようですよ。

ご主人は語ります。「美術館でロン・ミュエックやら草間彌生やら、オノ・ヨーコを見た後に、商店街を歩くと、一気に現実に引き戻されるでしょ。で、とぼとぼ歩いていると、展示室ありますと説明不足だけど、なんだか気になる看板が見えてくる。

で、中をみると鍋やら、やかんとか茶碗が見える。子どもの絵が展示されてるのかな?店主のつまらない話を聞かされるのかな?と思って、店内に足を踏み入れると、現代アーティストが作った作品がずらりと並んでいるから、多くの人は驚くんですよ。」
 
いや、私も驚きましたよ!!まさか、こんなに素敵空間だとは!!!
今では、ご主人を筆頭に、商店街のメンバーで自主アートプロジェクトを開催したりもしているそうですよ。すごくないですか?!

ここは、日常と非日常が溶け合う場所。生活感が漂う空間で、アートが楽しめる場所。
美術館で決してできない経験がここで待っています。

「松本茶舗」さんを通じて、十和田のみなさんにとって、アートがぐっと身近に、そして観光客にとって十和田がぐっと身近になっているんだなあと感じました。
十和田のアートを通じてのまちづくりを語らせたら、ご主人の右に出る人はいないのでは?!とにかく、十和田とアートへの愛が深く、笑顔が素敵なご主人。十和田について知りたくなったら、ぜひ、松本茶舗さんを訪ねてみてください。

ご主人には本当に親切にしていただきました。
楽しい時間をありがとうございました!また、十和田に遊びに行った際は、会いに行きます!!
(ご主人のあたたかいおもてなしで、どんどん人と人がつながっていくんだなあとしみじみ)

最後に、お知らせ!なんと、「松本茶舗」さんが、日曜美術館のアートシーンに登場するとのこと!!放映日は11月25日!!お見逃しなく!

《松本茶舗さん情報》
〒034-0011 青森県十和田市稲生町17-5
WEBhttp://www.towadachuo.com/matumoto/
WEBサイトはお茶屋さん!!なのですよね。

《十和田グルメ情報》
農園カフェレストラン farm cafe orta
十和田に行くと、ランチはいつもこちらでいただきます。なんと言っても野菜がおいしい!!ここのキッシュが好物です。美術館からも近いので、是非。
WEBhttp://cafe-orta.jugem.jp/
 
呑兵衛
活気あるにぎやかな居酒屋さん。広い店内にこれでもかとメニューが張り巡らされています。十和田の海鮮、地元の名物をいただきながら、飲んだくれたくなったらここで決まりです。お財布にも優しい。
WEBhttps://tabelog.com/aomori/A0203/A020304/2002611/
 
 

【関連情報】
『スゥ ドーホー : Passage / s パサージュ』 展覧会図録
十和田市現代美術館の図録は銀座 蔦屋書店のオンラインショップでお買い求めいただけます。
 
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