【展覧会】堀江栞個展「仮定法のない現在」

アート
2024年05月11日(土) - 05月31日(金)
堀江栞の個展「仮定法のない現在」を、店内アートウォールにて2024年5月11日(土)~の5月31日(金)の期間に開催します。
 
堀江栞は、動物や石、人形、そして人など“痛みや悲しみを内包したもの”をモチーフに、岩絵具を用いて作品制作を続けています。「絵の具の粒子一つ一つの存在を感じられる」と岩絵具の魅力を語る堀江は、細い筆で絵具をぼかすことなく何層にも塗り重ねることで、対象のもつ要素を余すことなく描き込んでいます。
大学を卒業してしばらくは、動物や石、人形のみをモチーフとしており、動物園などで対象の観察を続けました。その経験を重ねるうち、彼女は自分が心惹かれているのは表層ではなく、内面的な痛みや悲しみを内包する存在なのだと気づきます。その後、2016年に制作のため一年間滞在したパリで、多くの人々が祖国を追われ難民となって助けを求める光景を目の当たりにしたことで、人を描かなければならないと思い至りました。現在は特定の人物をモデルにするのではなく、出会った人々の記憶の蓄積からイメージを取り出しています。どんなモチーフも、痛みや悲しみを抱える存在の声を聞き漏らさぬよう、モチーフに寄り添い対話を重ねながら描き続けています。
本展では、堀江の現在を表す人物画を中心に、自身のスランプ時期を救った水彩画作品も合わせて展示します。
《痕跡#1》和紙、岩絵具 180×120mm 2024
 
[アーティストステートメント]
脳内にたまった不要な熱を逃すように、本来あるべきやさしい世界を想像してしまうことがある。厳しさを正しく受け入れたときにのみもたらされる、原型としてのやさしさ。 その源を信じて、私は目のまえに差し出されたあまりに見やすい擬餌鉤を、勇気をもって回避し、痛みを負った。おそらく、それは自分ひとりの痛みではなく、すでにどこかで、だれかが引き受けてきたものでもあっただろう。 いまを嘆き、先々の不確実さを案ずるために、見栄えのいい文法に従うのはしばらく止めよう。もう動詞は活用しない。やさしさの原型を使って、私の、私でないひとの「現在」を、あきらめずに描きつづけていきたい。

堀江栞
 
[アーティストプロフィール]
堀江栞/Shiori Horie

1992年フランス生まれ。2014年に多摩美術大学絵画学科日本画専攻を卒業。2015年の五島記念文化賞美術新人賞受賞により、奨学生としてパリで一年間の滞在制作を行う。第6回・第9回日経日本画大賞展入選、世田谷区芸術アワード“飛翔”美術部門、「VOCA展2022 現代美術の展望-新しい平面の作家たち」佳作賞、第32回タカシマヤ美術賞受賞。画集『堀江栞 声よりも近い位置』(小学館、2022)を刊行。主な展示に、神奈川県立近代美術館鎌倉別館「生誕110年松本竣介」/ [小企画]「堀江 栞 — 触れえないものたちへ」(2022)大川美術館「生誕110年記念 松本竣介デッサン50」(2023)。「The 日本・画ー大川美術館のコレクションを中心に」(2024年4月27日〜6月30日)に出品。

所属:√K Contemporary
 
[販売について]
会場展示作品は、店頭・アートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」にて販売します。
店頭|5月11日(土)10:30より販売開始
OIL by 美術⼿帖|5月13日(月)12:00より販売開始
※作品はプレセールスの状況により展覧会会期開始前に販売が終了することがあります。
 
\オンラインストアで購入する/
2024年5月13日(月)12:00~販売開始
 
  • 会期 2024年5月11日(土)~5月31日(金)※終了⽇は変更になる場合があります。
  • 時間 当店Webサイトをご確認ください。
  • 会場 銀座 蔦屋書店アートウォール
  • 料金 無料
  • 主催 銀座 蔦屋書店
  • 協力 √K Contemporary
  • お問い合わせ 03-3575-7755(営業時間内) / info.ginza@ccc.co.jp
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