時代印籠 ― INRO ―

銀座 蔦屋書店の日本刀売場では、根付と併せて時代印籠(いんろう)も扱っています。

印籠とは、漆工、木工、金工、などあらゆる江戸工芸を集約してつくられた装身具です。薬入れという実用性だけではなく、男性の装飾品として、洒落、美しさ、を楽しんだと言われています。

作りは小型の容器を数段重ね、両側の孔に紐を通ています。上に根付を付け、間の緒締め(おじめ)で開閉を調整し、紐を飾り結びにしています。

印籠についてのお問い合わせ:03-3575-7755

 
お取り扱い一覧
 
 
 

菊鶏図芝山三段時代印籠 銘 芝山一之
-SHIBAYAMA KAZUYUKI-

金地に芝山細工をほどこした豪勢な印籠。芝山は白蝶貝、黄蝶貝、鼈甲、珊瑚など貴重な材を精密に細工してモザイクのようにはめ込んで作り上げる特別な方法で、とても高度な技と時間を要する高級な19世紀の作品。中は梨子地(なしじ)というやはり贅沢な仕上げになっていて豪華です。
根付は、象牙にナデシコの図が金蒔絵で美しくあしらわれています。

 

 
 
 

宵梅図 蒔絵螺鈿五段時代印籠

梅の花は夜になるとなおいっそう香りがよく感じられます。そのため美術品では、夜の景色に描かれることが多いです。
この作品は黒地に金の蒔絵と高価な夜光貝を薄く切って仕上げたものをはめ込み、その上から更に漆をかけて研ぎ出し、なめらかにした高級な仕上げの19世紀初め(江戸後期)の一品。漆の美しい黒色を作ることは、とても手間のかかることで、漆の技術者はこの色の美しさを競いました。
また黒い色をバックにすると細工に失敗がゆるされないため、高い能力のある蒔絵師が手掛けたものであることがわかります。根付は象牙で七宝・車・巴紋の吉祥模様を透かし彫りにした、同じく19世紀の作品です。

 

 
 
 

猿と兎首引図蒔絵四段印籠 19世紀初

梨子地(なしじ)に高蒔絵という技法で制作されたものです。
月夜に古い大きな松(老松 おいまつと読み、日本では縁起のよい植物として尊ばれます)の下で猿と兎が、綱を首にかけて首引きという力くらべをしている図です。首引きは神話や狂言の曲にある、力くらべの説話です。おじめはメノウです。根付は、つげで19世紀に彫刻されたものです。
ちゃんちゃんこを着たかわいい小猿が、のみをとっている愛らしい図です。光秀という銘が入っています。

 

 
 
 

牡丹蝶図三段時代印籠 巨柳斎(こりゅうさい)作

冬に咲く寒牡丹が、雪でつぶれぬように雪囲(ゆきがこい)をされています。18世紀後半~19世紀初めのもので中は梨子地、牡丹の朱色も美しく豪華です。
日本江戸時代は、外は目立たせず内側を豪華にするスタイルが尊ばれました。その理由は豪華すぎる服飾品は、徳川幕府から禁止されていたからです。
※巨龍斎は、名工古満休伯の弟子のひとりです。

根付は2頭の獅子の図です。牡丹はすべてのお花の中で最も美しい花、獅子はすべての動物の中で最も強い動物としてよくいっしょに絵画などにも描かれています。能の石橋(しゃっきょう)の舞台の大道具などでもおなじみです。

 

 
 
 

海女龍神図蒔絵金工四段印籠 18世紀

幸若舞、能、浄瑠璃、歌舞伎などさまざまな芸能で有名である海女の珠取伝説の印籠です。
都の貴族と契った海女は、生まれた息子の出世のために命と引き換えに、海中の龍神に奪われた宝珠を取り戻す話です。
海の様子が凝った金の波蒔絵で表現され、海女や龍、人物の顔や頭の上の蛸や鯛を載せたなどには高級な金工細工が象嵌されたユニークな逸品です。
根付は18世紀後半の鹿角で彫られた貝尽くしです。蟹なども隠れていて、味のある作品です。
 
 
 
時間|10:00~22:30(営業時間)
場所|日本刀
主催|銀座 蔦屋書店
問い合わせ先|03-3575-7755
協力|提物屋 (SAGEMONOYA)
 

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