【ギャラリーENウォール】吉田紳平 個展「Our silence」 (わたしたちの沈黙)
《「Transparent gray」透きとおった灰色の 》oil on canvas / 72.5×72.5cm / 2024
- ・概要
「Our silence」(わたしたちの沈黙)と題した本展では、吉田紳平が祖母との死別を経験した2013年以降、他者の存在やその間に漂う親密な関係性を強く感覚するようになり、手がけ始めたポートレートシリーズを展示します。
自身の家族との別れというプライベートな出来事を発端に、過去の人々の忘却されたささやかな歴史や、可視化されなかった極めて親密な眼差しに想いを馳せ描かれたポートレートは、判然としない表情から、あらゆる個人を彷彿とさせ、誰かにとっての「あるひとりの存在」として浮かび上がります。
あたかも「見えているもの」はすべて他者と共有可能であるとするような現代において、 忘れられていくものや、見過ごしてしまいそうな景色、曖昧でわかりづらいようなこともまた、人生のなかの大切な要素だと気づかされます。
作品を前にしたとき、鑑賞者は自身の周りのどんな人やシーンを想像するのでしょう。
《「Good night my father」おやすみ父よ》oil on canvas / 33.3×33.3cm / 2023
- ・アーティストステートメント
ポートレートと向き合うたびに、気がつくといつもある部屋を思い浮かべている。祖母がその生涯を終えるまで過ごしていた寝室である。
亡くなる前日にその部屋で会ったのが彼女との最期だった。窓辺のゆれるカーテン、傷の付いた古いフローリングの床、眠る祖母の微かに動く瞼、繰り返される呼吸の音、ベッドシーツの柔らかい手触り。浮かび上がっては消えながら、目に見えないほんのわずかな空気のそよぎが彼女の一部となってその部屋を満たしていた。
吉田紳平
《「My husband」わたしの夫》oil on canvas / 22×27.3cm /2024
- ・プロフィール
吉田紳平 Shinpei Yoshida
1992年奈良県生まれ。2014年京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)を卒業。絵画を主なメディアとし、現在は東京を拠点に活動 。
2018年にドイツのアーティストランスペース〈FRISE〉にてアーティストインレジデンスに参加 。主にファウンドフォトを題材にしたポートレイトシリーズや、自身のプライベートな体験から着想を得たインスタレーション作品を展開している。
主な個展
2019年「There was a silent night on my side」FRISE、ハンブルク
2021年「That star at night is closer than you think -夜のあの星は、あなたが思うよりも近くにある」keiokairai gallery 、京都
2021年「Blick der Imagination-空想のまなざし」Mikiko Sato gallery、ハンブルク
2022年「For example, it is the wind against your cheek たとえば、それはあなたの頬に当たる風」 GALLERY crossing、岐阜
2022年「An unforgettable room - 忘れられない部屋 」YOD gallery、大阪
2022年「unreadable letter - 読めない手紙 」myheirloom、東京
2023年「Absence of bedroom-ベッドルームの不在 」GALLERY crossing、岐阜
Photo by Hirotsugu Horii
- ・作品販売について
2024年2月17日(土)10:00より店頭販売開始、アートのオンラインマーケットプレイス 「OIL by 美術手帖」では2月19日(月)11:00より販売開始いたします。
※作品はプレセールスの状況により会期開始前に販売が終了することがあります。
https://oil.bijutsutecho.com/gallery/1022
- ・展覧会情報
吉田紳平 個展「Our silence」(わたしたちの沈黙)
期間|2024年2月17日(土)~2024年3月12日(火)
8:00~20:00 ※初日のみ10:00~20:00
※2024年2月18日(日)は臨時休業日となっております。
会場|京都岡崎 蔦屋書店 GALLERY EN ウォール
主催|京都岡崎 蔦屋書店
お問い合わせ|075-754-0008(営業時間内)
※展覧会終了日は変更になる場合があります。