【春夏秋冬】未来のためのサステナブルアクション
鶏と暮らす農民。地域循環型養鶏と農業の専業農家。
銀行勤め、会社経営を経て、2012年34歳の時に、神奈川県小田原市の山奥で新規就農しました。
<取り組んでいる地域循環型養鶏と農業の特徴>
①抗生物質、ワクチンなど人工資材を使用せず、自然が持っている力を最大限引き出して鶏を飼育すること。
②近隣地域から出る農業残渣と食品副産物を発酵飼料や鶏舎の床材に利用して卵を生産し、お客様へ提供する地域循環型であること。
Q1.サラリーマンを辞めてこの仕事を始められたきっかけを教えてください。
A.地域の健全な循環を創り出したくて、養鶏を始めました。
新卒で銀行に就職し、退職後、商社を起業し、約10年間経営していました。
リーマンショックの時に倒産の一歩手前まで業績が落ち込み、再建と同時に、新しい事業分野を探し始めました。
そこで、見つけたのが、今、取り組んでいる地域循環型の養鶏と農業です。
現在、自分で作った養鶏舎3棟で400~600羽の鶏を平飼いするほか、
高齢化で手入れできなくなった近隣の田畑を管理するなど、山3つを含めた6ヘクタールの土地で農業もしています。
Q2.春夏秋冬の養鶏の特徴、卵の特徴はどんなところでしょうか?
A.鶏が自然界において食べるであろうものを給餌しています。
輸入飼料やメーカー製の配合飼料などは一切、使用せず、
鶏が自然界(野生)において食べるであろうものを給餌しています。
具体的には、地域から未利用資源(食品副産物や農業残差)を回収し、飼料として活用しています。
本来、自然養鶏は、数年前までは日本中で行われていたごく普通の養鶏だったはずですが、
生産の効率化やコストダウンによって失われた文化のひとつだと考えます。
私たちは、そうして省いてしまった部分にこそ価値を見出し、
地域といろいろな意味でつながりながら成長していきたいと思っています。
また、春夏秋冬は、「生命力が強い卵」つまり、良い雛がとれる卵こそが良い卵であると考えています。
「生命力の強い卵」の特徴は、
①あっさり味 ②薬剤不使用 ③無洗卵 ④有精卵 ⑤殻が丈夫 ⑥内容が優れている
健康な鶏が産んだ、生命力の強い健康な卵をぜひ一度、食べてみてください。
Q3.今の仕事のだいご味、そしてこれからチャレンジしたいことを教えてください。
A.養鶏と農業を通して、地域の抱える課題解決に貢献していきたい。
この仕事のだいご味は、養鶏と農業を通して、地域の抱える課題の解決に貢献できることです。
たとえば、地域の農家さんや食品生産現場から出る食品廃棄物、
いわゆる食品残渣を食品副産物として引き取り、加工して鶏の飼料にし、
鶏の糞は堆肥として農家に還元することで地域循環になります。
また、食品副産物を再利用していることは、提供する会社のブランディングにもつながるなど、
さまざまな形で地域社会やビジネスに貢献できるということを実感しています。
これからチャレンジしたいこととしては、今年度中に牛を飼い始める予定です。