【堀 直也さん(ビーチマネー事務局)】未来のためのサステナブルアクション
神奈川県横須賀市出身。海が大好きで、サーフィンが大好きで、海岸に漂着するゴミを自然と意識するようになり、湘南の辻堂海岸で一人黙々とビーチクリーンを1年継続し、見えてきた答えは「誰もが楽しく海のゴミを拾える仕組みが必要」ということでした。茅ヶ崎市にあるエコ洗剤メーカーがんこ本舗のご協力で、2007年にビーチマネーという仕組みが生まれました。ビーチマネーとは、海に落ちているゴミを拾いながら、ビーチグラスも一緒に探してもらい、それらを加盟店で使うと、ちょっとしたサービスが受けられるというもの。パンが少しだけ安く購入できたり、ランチの時にジュースをいただけたり、美容室で眉毛を整えてもらったり。現在、25都道府県&ハワイ&台湾の204店舗の加盟店で使えます。
Q1.ビーチグラスとはどんなものですか? 拾える場所や時間、コツなどあれば教えてください。
A.波打ち際で見つかるガラス瓶などのかけら。曇りガラスのような風合いがあります。
ビーチグラスとは、元々はビール・ワイン・焼酎などのガラス瓶が砕け、砂などによって角が削れ、曇りガラスのような風合いとなった物のことで、シーグラスとも言います。
拾える場所は、砂だけのビーチではなく、少しだけ砂利が混ざっているような波打ち際で探すのがポイントです。
Q2.どんなふうに活用できるのか、教えてください。マネーとして、クラフトの材料としてなど。
A.海で拾ったビーチグラスは、お店でいろいろなサービスに交換できます。
海でゴミを拾い、ビーチグラスも一緒に探して、それらを加盟店に持っていくと、色々なサービスを受けることができます。
例えば、ステッカーやポストカードと交換できたり、30円ほどの割引きになったり、サーフィンのワックスと交換できたりなど、お店によっていろいろなサービスを受けることができます。
また、紐や針金などを使ってペンダントにしたり、写真立ての額縁にボンドで貼り付けたりするなど、クラフトの材料としても使えます。
黒や赤、オレンジなど、珍しい色のもの、美しいものなど、のビーチグラスを持ち寄って優勝者を決めるビーチグラスコンテストも行っています。
Q3.ビーチグラスを通して伝えたいこと、そして今後考えている活動などあれば教えてください。
A.環境活動で大切なのは、1人の100歩ではなく、100人の1歩、日々の積み重ね。
一人でも多くの人に海に足を運んでもらい、今、海で起きていることに目を向けて欲しいです。
そして、この海のゴミ問題について皆で考え、皆で行動していきたいです。
ビーチマネーでは、現在、小学校で給食を食べた後の食器の拭き取り活動もしています。
給食1回分の食べ終えた後のお皿に付着している油の量は、平均すると約2gになります。
この2gを生徒500人が1回やっただけで約1kgの油を排水口に流さずに済みます。
これを1年、2年と継続したらどうでしょう?
この油を排水口に流さないことは、海を守る立派な活動につながります。
環境活動に大切なことは、1人の100歩ではなく、100人の1歩で、日々の小さな積み重ねなんです。