【本のBATON Vol.12】ライフスタイル再発見|人文担当 関

 ライフスタイル再発見
 

現代の日本に生きる私たちは、便利な電化製品や優れた道具に恵まれ、快適な暮らしを過ごすことができますが、そうしたものがなかった昔の人々は、どのような生活をしていたのでしょうか? 

さぞ不便な暮らしをしていたのだろうと思いきや、実は今よりもずっとエコで、健康的で、おおらかで、満ちた生活を送っていたのかもしれません。そんな人々のライフスタイルを、ちょっとのぞいてみませんか?きっと、今の暮らしをもっと豊かにし、楽しくできるためのヒントが見つかります。

 

『知られざる弥生ライフ』 譽田亜紀子/著 誠文堂新光社
 
弥生時代の人々はどんな家に住み、どんな服を着て、何を食べていたのでしょうか? 実は意外と快適な家で、おしゃれで、グルメでもあり、鋤や鍬など、現在もほぼ同じ形で使われる便利グッズを編み出したのもこの時代でした。そんな知られざる弥生人の暮らしを、カラーイラスト満載で紹介します。
 
『日本中世への招待』 呉座 勇一/著  朝日新聞出版社
 
本書は中世日本人の日常生活や習慣を、結婚や離婚、出産や葬儀、引越、旅行、お正月、誕生日会など身近なテーマで紹介しています。今も使われる「二日酔い」という言葉は、なんと、この時代に登場したのだそうです。そんな現代人にも通じる所があることを知ると、中世の人々に親近感が湧いてきます。
 
『忘れられた日本人』 宮本 常一/著  岩波書店
 
民俗学者・宮本常一が全国各地を訪ね歩き、老人たちから、江戸末期から昭和にかけて暮らしていた人々の生活習慣や伝承を聞きとり、まとめた貴重な記録です。当時の人々の溢れんばかりの生命力とたくましさに驚かされます。それらは時代とともに忘れられ、現代人が失いかけているものかもしれません。
 
『逝きし世の面影』 渡辺 京二/著  平凡社
 
幕末から明治初期にかけて日本に滞在した外国人の日記から、江戸時代の日本を描き出し、近代化によって、それまで日本人が持っていた美徳や文化が失われてしまったのではないかと問いかける本です。モノや経済的な豊かさとは異なる心の大切さ、人としての幸せを、この一冊から感じ取ってほしいです。
 
『秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』
J・ウォーリー・ヒギンズ/著 光文社
 
60年前の日本各地の日常風景が、カラー写真で蘇ります。著者は元祖「撮り鉄」のアメリカ人で、鉄道を中心に撮影した約6,000枚もの写真から382枚を厳選し、思い出話とともに紹介しています。当時の服装や街並みの様子がよく分かる貴重な資料で、人々の生き生きとした表情がとても印象的です。
 
 
プロフィール:人文担当  関
長野県出身。子供の頃から熱烈な中日ドラゴンズファンで、きしめんが大好物だったこともあり、名古屋に住むことに憧れる。高校卒業後、その夢が叶い、名古屋の大学に進学。学生時代はドラゴンズを応援するかたわら、大小さまざまな、個性豊かな書店に通いつめているうちに、書店員になりたいと思い、卒業後は愛知県内の書店に就職。以後、長年にわたり、大型店で人文書を中心に担当し、著者をお招きしたイベントを多数開催。イベントを通じて歴史学者のお話を聞き、優れた著作に触れるにつれ、歴史の面白さにますます魅了され、休日は各地の史跡を訪ねたり、博物館などの展示を見に行くことが多くなりました。やがて梅田 蔦屋書店にご縁をいただき入社。お客様の立場になって考え、提案できるコンシェルジュを目指して、日々奮闘中です。

「本のBATON」は梅田 蔦屋書店コンシェルジュによる書籍・雑貨の紹介リレーです!
12個目のバトンは人文担当がお送りしました。
 
 
ご感想はこちらまで:umeda_event@ccc.co.jp

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