【展示】 三澤亮介 展示「Fractal」

アート|アートスクエア
銀座 蔦屋書店 アートスクエア 2024年09月07日(土) - 09月20日(金)

三澤亮介 展示「Fractal」を2024年9月7日(土)~2024年9月20日(金)の期間で銀座 蔦屋書店アートスクエアにて開催いたします。

今回の展示では、現代社会における「個人と世界」や「肉体と精神」の関係性を、日本の伝統的な「静と動」の概念に接続させた。同時に、普遍的かつ時代性を伴ったその解釈を、自身のこれまでの作品変遷から抽出し重ね合わせることで、絵画を新たな視点でフォーマット化することに挑んでいる。これによって、作品自体の持つ意味合いはアート史と接続し、改めて強さを増している。
 
[今回の展示について]
現代における個人的な事象と混沌とした世界情勢との関係性が自身の制作するアート作品にどのような影響を及ぼすのかついて、ここ数年考え続けてきた。現代の作家であれば当然のことだが、私もその渦中で時には主観的に、時にはメタ的に、自問自答を繰り返していた。その結果、最近の私は「極めてパーソナルで個人的な思考の蓄積と編集こそ、世界で巻き起こる様々な事象へのアクションに繋がり、作品として意味を持ちうるのではないか?」と言う仮説に辿り着いた。そして、その取り組みこそ、自身と過去のアート史における仕事の関わりを見つけ出し、さらに新しい価値観を提示する事が出来る可能性を持つとも考えるに至った。またそれは、一見相対する現代社会に生きる我々を取り巻く概念と、ルーツとなる日本古来より存在する概念との関係性に言い換えられるとも考えている。その仮説を進める中で、まず私は、個人的な視点を発見するために描きためた日常のドローイングを、これまで自身が作品の中で人物を表現する時に使用してきたデジタル上でのピクセル移動による線の「ズレ」にリンクさせる形で静的なフォームで表現した。それこそ自分が人間をどう認知し、認識しているかの考察そのものだからだ。さらにその線のズレこそ、自身が生きてきた世代(アナログとデジタルの狭間で翻弄する社会)を象徴するものであることに着目し、その「ズレ」を人体を表現する為の素材として抽出する事で、自身の視点で「身体」への捉え方を再認識するとともに、画面上で構造化する機会を得た。それに呼応する形で、精神の揺らぎや動きをアクロバットで動的な線で表現することに取り組んだ。それは精神の純然さ、プリミティブさ、ある種での粗暴さやアンコトローラブルさを強調する効果を兼ね備えている。
 
三澤亮介

[アーティストプロフィール]
三澤 亮介(みさわ りょうすけ)
 
 1992年生まれ、福井県出身。立教大学現代心理学部映像身体学科卒業。

主要展示
2022年 「Tracing the night」/ 333 gallery (Taipei,Taiwan)
2023年 「NOH」/ HOFA gallery (Mykonos,Greece)、「Project the Process」/ IRRITUM gallery(NY,USA)
2024年「Symbiosis」MU gallery(Tennouzu,Tokyo)
 
[ステートメント] 
私は、心理学をベースに人間の身体性と精神の関係を考察する事で映像/写真を制作し学んだ経験を基に、作家活動する中で、一貫して身体と精神が織りなす事象を制作の根幹に据え、「メディアパラドックス」という独自の手法を提唱してきた。それは言い換えると、一枚の画(ここでは絵画ではなくピクチャーの意)の中に存在している<身体>という静的な美しさと、目に見えない<精神>の動的な無軌道さとの関係性への考察である。しかし、写真に映る人間(ポートレート)のみでその当事者ではなく、作家自身の心理的な部分を同時に表現、同在させることは難しく、徐々に人物を排除し抽象的で構造的な写真作品へと移行する事で、その心象を表現してきた。その後、写真編集の際に活用していたデジタルソフトを使用したピクセルの移動(ズレ)によって自身のイメージする感覚に非常に近い抽象化した人間を表現できることに気がつき、スタイルを得る。その後、パーソナルな事象である「自身の精神の揺らぎ」を経験する中で、自身とそれを取り巻く社会は同時代に存在しているだけである、と感じていた事が転覆し、自分の内面的な事とそ世界は根幹の部分で表裏一体であることに気がついた。その瞬間に、それらは切り離して表現出来るものではなく、画面の中に同在させ語る必要性が自分には求められていることを認識した。そしてそれらは、人間と世界というこれまで世界中の哲学者やアーティストが考察してきた理論に近づく事であり、人間という存在を軸に森羅万象の存在そのものの美しさへの再認識へと誘い、目に見えない精神への問いかけを絵画を媒介し、可視化する試みである。それは研ぎ澄まされた自身の哲学を反映するとともに、自身の精神状態の不規則さや無軌道さを表しており、それを、再現性のない美的な要素として絵画の中に持ち込んでいる。

三澤亮介
 
[販売について]
展示作品は、会場にて9月7日(土) 10:30より販売します。
※作品はプレセールスの状況により、会期開始前に販売が終了することがあります。
 
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2024年9月9日(月) 10:30~販売開始
  • 会期 2024年9月7日(土) - 2024年9月20日(金)※終了日は変更になる場合があります。
  • 時間 当店Webサイトをご確認ください。
  • 場所 銀座 蔦屋書店 アートスクエア
  • 主催 銀座 蔦屋書店
  • 協力 コレクション・オブ・アート株式会社
  • 問い合わせ先 03-3575-7755
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