【広島 蔦屋書店】不なる完全 人がつくりだす美しいもの

フェア・展示
2号館1F 2019年10月11日(金) - 11月24日(日)

不完全とは、どういう意味なのだろうか。

完全ではない。

しかし、完全に行き着こうとする道中にいるような、そんな捉えかたはできないだろうか。

 

円を想像してもらいたい。一方は、全て計算された均等な円。もちろん線の太さも1ミリの狂いもない。均等で完全な円だ。一方、墨で書かれた円。墨が滴るほどの筆で、書き始めの筆圧も凄まじく、後半はスピードに乗って一気に最初へと戻ってくる線。円も線も不均等。一見、最初の円の方が美しいと感じるかもしれない。だが、見つめ続けているうちに、愛着が湧いてくるのは、きっと墨で書かれた不均等な不完全な円の方ではないだろうか。

 

 

ひとつひとつ丹念につくられたモノがある。それらのモノには、同じ作り手が、同じ技巧を使っても、全く同じにはならない、個性が現れる。ゆがみ、したたり、ひび、発色。いわば、不完全だ。

その、不完全にこそ、わたしたちは、しばしば目を奪われる。どうしようもないくらい、カッコよく、美しいと感じる。いつでも触れることができる場所に置き、肌ざわりを確かめる。時間が変化させる風合いさえ、愛おしい。

 

 

不完全とは、自然の中に在る。作られる過程で加えられる、作り手には制御しきれない、自然の力。気温、湿度、重力、化学変化。制御しきれないが、作り手はそれに抗わず、その力さえも受け入れ取り込む。そして、受け取る側もまた、不完全をみつめ、不完全が加えられたモノこそ美しいと感じる。

 

そして、人もまた不完全だ。完全な人など、きっといない。どこかで完全を求めながら、不完全であることを嘆きも諦めもせず受け入れる。不完全であるからこそ、いいのだと。そして、人は不完全であるからこそ、とてつもないモノが生み出せるのだ。

 

人が作り出す不完全なモノは完全に美しい。

 

 

広島 蔦屋書店 犬丸

 

【お取り扱いショップ】

安土草多

 

 

岐阜県、飛騨高山で制作しているガラス作家。

1点1点吹きガラスでつくられるため、まったく同じかたちは存在しません。

ガラスの揺らぎがとても柔らかく、温かみを感じられます。

 

 

竹俣 勇壱(たけまたゆういち)

 

 

彫金を学び、独立後、フルオーダーの結婚指輪などの製作からキャリアをスタートさせる。

工業製品特有の使いやすさではなく、使い心地を大切にした時間をかけて手作業で仕上げたカトラリーを発表。

現在、新竪町・KiKU、ひがし茶屋街・sayuuに続く3店舗目を準備中。金沢大学非常勤講師。

 

 

藤内紗恵子

 

 

磁器土とガラス釉で、鮮やかな器を作っています。

ガラス釉の特徴でもある貫入(釉薬のひび模様)が、器に一つ一つ違った表情をあたえてくれます。

自分の意図と自然の無作為が、時に自分の思いを超えたものを作りだしてくれることに楽しさを感じます。

 

 

RiCKLE!

 

 

わざわざ足を運びたい「古着屋」リックル。

じつは11月3日をもってリックルは閉店します。

閉店までのカウントダウンはあと何日??

 ‘しあわせな閉店‘に向けてリックルは走り出しています。

このお店があった証として、リックルのカケラをあなたの手元に。

 

 

【ディスプレイご協力ショップ】

KAWAKAMI生花

 

 

広島の生花店に勤めた後5年前に独立   現在は、西区庚午にあるサイクルショップGrunpyの中にお店を構える。カフェも隣接しており、花だけではなく多方面で楽しめる空間になってます。   少し変わった花を仕入れ、多種類のドライフラワーも取り扱っています。

 

 

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  • 期間 10月11日(金) - 11月24日(日)
  • 場所 2号館1F

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