【広島 蔦屋書店】歳を重ねる

西日の当たるこの部屋は、夏、この上なく暑い。

でもここから見える夕焼けは、素晴らしい。

朱色から藍色に変わるあの瞬間は涙が出そうなくらい私にとってかけがえのない時間。

それはこどもと一緒に眺めた風景。

様々な思い出があふれ出る。

一緒にいた頃は、ただきれいね、と感じていただけなのに。

歳を重ねると思いが重なり、見るもの聞くもの感じるものに奥行きがでてくる。

ひとつの景色にそれまでの思い出が加わるのである。

それは、年を重ね様々な経験をしたからこその貴重な財産であり宝物だ。

良い思い出もつらい思い出も今の自分を作っている。

しわやふくよかな身体もまたよい歳を重ねた証拠でもある。

そして、今のこの時間も未来の自分につながるひとかけらなのである。

例えば、散歩の途中で見かける花、空を見上げた時の鳥の隊列、友人からかけられる優しい言葉、大好きな人と一緒に聞く音楽、ペットの愛くるしい表情、恩師から届く毎年の葉書…

今の自分が感じることを素直に心の中に留めたい。

心のひだをもっと増やせば、未来の自分に怖いものはないのかもしれない。

梅の香りに誘われて縮景園に行ってみようかな。

【お取り扱いブランド】

■スミレソラ

野の花や草木、どこか懐かしい風景、おはなしの中に登場するような動物たちを刺繡で描いています。今回はブックカバー、がま口、ブローチなどを取り揃えています。

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