【広島 蔦屋書店】学問のすすめvol2~世界について知っていることは知らないことほど多くはない

フェア・展示
1号館1F マガジンストリート 2023年01月24日(火) - 03月15日(水)
 
 
 
「学問のすすめ」第2段は世界についてみんなで考えてみた。世界のすべてについて知っている人はいないだろうと思う。知ること(学び)を楽しいと思える人にとって世界について学ぶことは楽しみの宝庫だ。外国へ訪れたことのある人は異国での様々な体験からかげがえのない学びを得るだろう。第1段でも触れたが、学校でのいわゆる勉強について思い出せることはあまりない。しかし多くはないわたしの外国での体験は良くも悪くも印象的で、やはりかけがえのない学びとなった。また訪れなくとも学ぶことができるのが本である。見たことのない景色や建物や食べ物にワクワクすることもあれば、足を踏み入れることさえできない国や地域の状況も知ることができる。アイデンティティについて考えるきっかけになったりもするだろう。それでもまだまだわたしたちが世界について知っていることは知らないことほど多くはないのだ。
今回も様々なジャンルの職業に就く旅好きな方々と書店の仲間で世界についての興味深い本を選び、それぞれ世界について思うことを教えてもらった。人が誰かとまったく同じ経験しながら生きることはないし、知識や考え方ももちろん同じ人はいない。だからみんなの体験や想いを聞くことは興味深くて楽しい。
 
 
 
 
 
 
 

 
それぞれの世界についての「学び」10章
 
 
 
ガイドブックにはのっていない、等身大の暮らしや風土、国民性を知りたい。そんなまだ見ぬ世界を知るためのヒントが本にはある。自分の中の普段は眠っていた想像力が目を覚まし、最大限に広げられるツールのような気がする。また、知っていたはずの身近な世界が、視点が違えば、そこには知らなかった別の側面があることにあることに気がつく。まさに自分の世界が広げられた瞬間だ。そうやって世界がつながっていく。
口尾麻美
料理研究家 フォトエッセイスト
旅で出会った食材や道具、ライフスタイルが料理のエッセンス。異国の家庭料理やストリートフード、食文化に魅せられ写真に収めている。旅をテーマにした料理は各メディアや書籍など通して発信。各国のキッチン道具を収集。著書に 『旅するリトアニア』『まだ知らない 台湾ローカル 旅とレシピ』『旅するインテリア Pieces of  Travel』他
 
 
学生の頃、縁あって訪れたオーストリアとチェコの国境の町。町を流れる川がちょうど国境にあたり、戦争中は岸辺で軍隊が睨み合っていたのだという。今はなんの検問もなく、歩いて渡れる橋を見た時思った…「ああ、自分はまだ何も知らないのだ」と。それは私が世界を歩く旅に出る、ひとつのきっかけになった。きっかけは何でも良い。何でも良いので、まずは知らないことを知ろうとすることから。そうして少しずつ、世界は身近になっていくのだと思う。
小幡(おばためい)
絵描き・イラストレーター・グラフィックデザイナー
京都・石川育ち、神戸在住。現在は関西を拠点に活動中。2011年に9か月かけて世界旅行をするなど、これまでに訪れた国は20か国以上。自分の「好き」をZINEのかたちで表現することがライフワークになっている。
 

旅行が好きです。インドでタブラを習ったり、トリニダード・トバゴでスチールパンまつりを観たり、カシュガルではデッカいかったいパンを食べながらお爺さんの詩に感動したり、ジンバブエで家族の中でどっぷり生活してみたり。エチオピアの市場ではきめきめの皆さまのファッションにステキすぎる!とかたまったり。世界中には、音あり、色あり、食あり生活があって、文化があって笑いもあり。世界中、ココもソコも学びにあふれてますね。
ハイチャイ農園
お茶の販売をしています。トゥルシーとサーターアンダギーと時々旅行せっせと畑へ山へ。ハイチャイです!
 
 
 
 
私が今なにか決めようとしていたとしよう。その時私の判断の基になる考え方というのは私が生まれ暮らしてきた場所の文化に紐づく。だからちょっと怖いと思っている。世界はもっと広い、私の知っている文化と全く違うところもある。この判断が本当に正しいのかわかりようがない。他を知らないのだから。そのために私は本を読む。世界をこの足で巡ることは難しいが、ここではない世界の本を読むことはできるから。
広島 蔦屋書店 文学コンシェルジュ 江藤
 
 
まねる(真似る)、まねぶ(学ぶ)が語源の「学ぶ」。高校時、アメリカのホームステイ先で、日本の歴史・文化・食を伝えたが、知識の未熟さに撃沈した。海外の人に伝えたい気持ちに駆られ、日本料理、華道、茶道を習い始める。師の言われた通り、素直に真似ることから、技術は身に付く。海外、国内旅行も趣味の私は、未知の分野に関心を持つ。次は何を学ぼうか?自分で何かを探し出す時間は、心の世界を広げる旅。もちろん!読書もしながら。
広島 蔦屋書店 旅行担当 古河
 
 
中学の授業で英語を習い始めた時、外国語を学ぶ事に何とも言えないしっくり感を感じていた私は、高三の段階で何でも良いから日本語と英語以外の言語を学びたくて、外国語学部のある大学を受験した訳なのですが、その中で運よく受かったロシア語学科では、得体の知れない”キリル文字”なるものを覚えるところから始まりました。当初は「これを理解出来る日が来るのか?」とも思えましたが、この国が持つ様々な素晴らしい面に触れ続けた事が、世界への扉を開いてくれました。
広島 蔦屋書店 ワークスタイルコンシェルジュ 竺原
 
 
 
 
1980年代にテレビで放映されていた番組「シルクロード」。雄大な砂漠の映像とシンセサイザーのメロディに 心惹かれ中学生のときからアジアが大好きになりました。その後NHKの中国語講座テキスト片手に中国語を勉強して、1994年に広島で開催されたアジア大会に語学ボランティアで参加したり、学園祭のテーマが東南アジアの食文化だったので図書館にあるアジア料理の本を片っ端から読んだり、当時まだ手に入りにくいココナツミルクやナンプラー等の取り寄せに苦労したこともありました。また、アジア映画大好きの友人の影響で映画館へ足繁く通ったり、お互いの推し俳優談義に盛り上がったり等、様々なかたちでアジアがわたしの中に関わっています。これからも大好きな思いを持ちながら何ができるのか?ということも思い続けていきます。
広島 蔦屋書店 文芸担当 作田
 
 
高校の英語のグラマーの先生は直訳を許さなかった。いくら構文を覚えてもそっちが出来ない。もはや文法の授業ではない。それが英語というものだと分かったのは随分経ってからだ。いろんな国を旅したり、外国人の友達も増えた。SNSのおかげで世界中の人とも言葉を交わせる。知識、想像力、表現力の乏しさ、日本語の未熟さと伝えたいことのギャップを埋めるための工夫が必要だが、意訳は自然なセリフになるのがいい。カタールでのサッカーWC、日本が敗退した時に友人からメールが届いた。Well that didn’t go to plan…前向きに、「残念だったね」と。
広島 蔦屋書店 雑誌担当 西尾
 
 
 
 
チョ・ソンジンの演奏を聞いた時の感動をどんなふうに表せばよいのだろう。それは、画面越しに聞いた音だったけれど、引き込まれるように身動きもせず聞いていた。本当に本当に素晴らしかった。もう、どれくらい繰り返し聞いただろう…。5年に一度のショパンピアノコンペティション。とうとう私は行ってみたくなったのだ。選ばれしピアニストの奏でる音色をその場所で聞いてみたい。世界を驚かす新たな才能が生まれる瞬間を見てみたい。ショパンの生地ポーランド、ワルシャワで。
広島 蔦屋書店 文芸担当 植野
 
 
行ってみたい国は台湾や香港、活気あふれるアジアの異国でラマンと不夜城ごっこ!なんてことを夢見ながら、本や映画でいつもアジアに恋していた。でもある本を読んで自分がどれほど物事の上辺しか見ていないか思い知った。いや、うすうす気づいていたんだけど、でも!それでもこの広い世界のことに興味を持たないなんてもったいないと思う。今ロシア料理の本を読んでいるし、まだ不夜城ごっこはあきらめていない。
広島 蔦屋書店 食コンシェルジュ 河賀
 
 
 

 
 
みんなで選んだ本を「旅journey」「食food」「文学literature」「スタイルstyle」「歴史history」の5つに分けて並べてみました。考えてみると世界について学べる本は無限にあり、まだまだ並べたい本があるし、200字程度では語りきれない想いもありました。今この時も世界では色んなことがおきていて、わたしたちにできることは何もないように思えるけど、学ぶこと、知ることはできると思うのです。あなたは今世界のどんなことに興味がありますか。一番こころ惹かれた本を手にしてみてください。美しい景色も珍事件も、悲惨な歴史でも、知りたいと思ったならきっとその本が教えてくれるでしょう。
 
 
 
 
 
  • 期間 1月24日(火) - 3月15日(水)
  • 場所 1号館1F マガジンストリート

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