へいじつのよみきかせ~親と子の時間~「トイレトレーニング」

kidsコンシェルジュが提案する絵本を軸とした親と子の過ごし方。
今回は「トイレトレーニング」をテーマにお送りします。
 
もうすっかり景色は春色ですね。じゃんじゃん洗濯物が乾く季節です。
この頃からそろそろわが子もトイレトレーニングを始めようかな……と思われる親御さんが多いのではないでしょうか?
「いつ頃から始めるのがいいでしょう?」保育士の頃はよくそういった質問を受けていました。
やっぱり親御さんが一番大変なのが洗濯物が増えることなので、冬は避けてもらい、あとはお家の方の協力体制が整い、気持ちの余裕ができてから……が良いでしょうか。
あれ?大人側の覚悟が先?と思われると思います。もちろん子どものやる気とタイミングが一番なのですが、しかしそれだけでは乗り越えられないのが、トイレトレーニングなのです。
 
<いつから始める?>
子ども自身が排泄の感覚がわかるようになるのは、個人差がありますがだいたい1歳半前後でしょうか。それまでは、気づいたらおしっこが出ているという感じです。この段階でトイレトレーニングをがっつり始めるのはまだ早いかなという気がしますね。それでも、おむつ替えをするときに汚れていなかった時(排尿間隔が長くなってきた頃)、お風呂に入る前などにオマルやトイレに座ってみる経験を早くからするのも悪くないと思います。しかし、初めは喜んで座ってくれても、いざトイレトレーニングを始めようとすると、途端に嫌がるなんてこともよくあることなんです。だから、焦らずゆっくり子どものペースに合わせて進めていきましょう。
子どもは排尿の感覚がわかるようになったら、表情やしぐさでお家の人にサインを出しますので、トイレトレーニングの始め時かなと思います。
 
<トイレトレーニングとは>
トイレで排尿するだけが、トイレトレーニングではありません。
①    ズボン、パンツを自分で脱ぐ
②    おまるやトイレに座って排泄する
③    パンツ、ズボンを自分で履く
④    手を洗う
⑤    日中の2、3時間、布パンツで過ごせる

(お昼寝や外出時以外)
一連のことができるようになったらひとまずトレーニングの修了でしょうか。意外とたくさんの過程がありますね。まだ1年と半分を過ごしただけの子どもがこれらを習得しようと頑張るのですから、家族の協力は必要不可欠なのです!
 
<とにかく褒める>
トイレで排泄をすることだけを成功と捉えるのではなく、ズボンパンツを自分で履くことができたら褒める、トイレに嫌がらずに座ることができたら褒めるというように、
1つずつできるようになっている過程をしっかり言葉で認めてあげましょう。
トイレでなかなか排尿ができない、失敗が続き洗濯物が増えるなどイライラすることも多いですが、親御さんのそういった気持ちは必ず子どもに伝わり、子どもにとってトイレトレーニングは楽しくないものになってしまいます。そうすると、せっかくのやる気も頑張る気持ちも失せてしまします。失敗は当たり前なのですから、気長に子どもさんと同じ気持ちでチャレンジしてほしいなと思います。
 
<トイレをお気に入りの場所に>
トイレやオマルのある場所は、トイレトレーニングを始める前の子どもにとっては
馴染みのない場所です。きっと「ここどこ...?」というような気持ちではないでしょうか。
そんな寂しいスタートでは切ないので、ぜひ子どもの好きなキャラクターを貼ってみたり、
絵本を飾ってみたりして、そこに行きたくなるような工夫をお願いしたいと思います!インテリアにこだわっていらっしゃる親御さんの気持ちもとてもよくわかります。しかし、子どもはトイレという空間に慣れてしまえば、そこはもう排泄の欲求を満たす場所になってくるので、アンパンマンが見ていてくれなくても大丈夫なんです。トイレに一緒に行ってくれるうさぎのぬいぐるみが、たくさん応援してくれるでしょう!
ほんの少しの間だけ、子どものお気に入りの場所づくりに協力をしてあげてほしいなと思います。
 
 
子どもは自由人です。張り切ってトイレに行ってくれていたかと思うと、「いやだ」とダダをこねてパンツも履かない...その日の気分で生活しているのでそんなことは日常茶飯事ですね。うまくいっているときが続いていれば落胆もなおさらでしょうが、身についたものは簡単には忘れてしまわないのも子どものすごい才能です。
成功したり、失敗したり、時にはなまけたりしながら身についていくのが子どもなのです。
ここで、保育園での出来事を紹介します。
1歳児クラスの女の子Aちゃんが、もうすぐ2歳になる頃だったでしょうか。トイレトレーニングを始めて、トイレで排尿ができるようになり、日中は布パンツで過ごしていました。しかし春先など気温が安定せず肌寒い日は、やはり間隔が短くなりたまたま失敗が続く日がありました。そんなある日、Aちゃんは自分からすすんで紙パンツを履きました。「あれ?かわいいパンツ履かないの?」と声をかけると首を横に振りました(イヤというしぐさ)。何日かそんな状況が続き、紙パンツに排泄していることもあったので「あー、できてたのになぁ」と心の中で少しがっかりしたのを覚えています。しかし、温かくなってきたある日、Aちゃんはトイレに行った後、布パンツを履きました。Aちゃんはきっと、失敗した時に濡れる気持ち悪さがイヤで、紙パンツなら失敗しても大丈夫と思ったんだと思います。賢いですね。布パンツを履いたタイミングは、新しいものを買ってもらったから履きたかったんでしょう。それから、紙パンツはお昼寝の時だけになり、順調に排泄の自立に向かって成長していきました。
Aちゃんと同じような行動はよくあることで、布パンツの上に紙パンツを重ねて履いている子もいました(濡れますけどね)。子どもなりに、できていたのに失敗するのはやっぱり嫌だし、悔しいし、自信を無くしてしまいますよね。だから自分を守る方法を見つけ、安心する。そんなときこそ、周りの大人は「失敗しても大丈夫、次はもう少し早めにトイレに行けば、成功するよ!」と励ましの言葉を忘れずにかけてあげてほしいと思います。
 

<1歳前後~2歳頃の、目標とする排泄の自立とは>
排尿間隔が一定時間空き、日中は布パンツで過ごせることと考えます。
夜、おねしょをしてしまうのは小学生になってもあることですし、排便に関しても
完璧にクリアしようと思うと、3歳から4歳頃までの長い道のりになってしまいます。
ですから、焦らず今の年齢のわが子たちにできる「排泄の自立」を達成できるようすすめていくと、家族みんなの気持ちがラクになると思いますよ!
 

【おすすめ絵本】
『トイレでできた』北川 真理子/森 碧 絵/日本能率協会マネジメントセンター

 
【読み方ポイント】
絵本はあくまでも導入のためのもので、こんな風にできたらいいねという感じで、他の絵本と同じように読んであげましょう。
実際は一緒にトイレに行って様子を示してあげるのが一番です。初めて連れてこられた場所では、どうしたらいいのかわからないのは当たり前です。お手本があると安心して「やってみよう」という気持ちにつながりやすいのではないでしょうか。
それぞれのお家の事情がありますから、型にとらわれる必要はありません。
しかし、ズボンをはくための椅子や自分で選んで手に取れる着替えのかごなどは近くに揃えておくと良いと思います。お気に入りのパンツを履くことでやる気につながります!

 

 
 
宮本 陽子(みやもと ようこ)
Kidsコンシェルジュ
保育科卒業。保育士として広島市の保育園に勤務。
21年勤続の後、保育士時代に毎日読み聞かせをして培った絵本の知識を、リアルタイムに子どもたちそして親たちへ伝えられたらと思い、2017年広島 蔦屋書店に入社。入社してからも「へいじつのよみきかせ」で平日は毎日1日2回、ほぼ毎日絵本を読んでいる。
「0歳から就学前の子どもたちの好きな絵本」、「親が子どもにぜひ読んであげてほしい絵本」、「おとなの気持ちを癒す絵本等」等、多様な児童書というジャンルのなかでも特に「絵本」が持つ魅力を提案し続けている。

 
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