へいじつのよみきかせ〜親と子の時間〜「子どもが活躍できるお手伝い」

Kidsコンシェルジュが提案する絵本を軸とした親と子の過ごし方。
今回は「子どもが活躍できるお手伝い」をテーマにお送りします。
 
明けましておめでとうございます。
冬休みのお子さんや帰省して久しぶりに会える家族と一緒に、年末年始を楽しく過ごされていることと思います。せっかくのお休みなのでお出かけも楽しいですが、家で子どもと過ごす時間もたくさんあると思います。
「ゲームばっかりして…」
「早く寝なさい!」
など、お小言を言いたくなったりもします。だって親御さんは食事の支度やお洗濯の回数が増えたりして、忙しさが倍増ですよね。
そんな時はイライラしないで、子どもに遊び感覚でお手伝いをしてもらうのはどうですか?
「自分でやる方がはやいし」なんて言わないで、イライラしないコツは、子どもの相手ができる時間に一緒にするということです。本気の夕飯作りや片付けをしているときは、集中してやりたいですよね。しかも早く終わらせてゆっくり一息つきたいところ。無理をしないでいい時間に、子どもと一緒にやってみてください。子どもはお手伝いが好きですよ。そして、お願いすると意外に器用にどんなこともこなしてくれます。普段はできないことをさせてもらえるということと、誰かの役に立てる喜びを味わうこと、「ありがとう」と言ってもらえる心地よさ。子どもにとってプラスでしかないのです。私のコラムではよく登場しますが、「自己肯定感を高める」「子どもを褒める」というキーワードが、「お手伝い」の中にはいっぱい詰まっているのです。
 
私が働いていた保育園では、年末になると「お掃除ごっこ」のあそびをしていました。
もちろん全クラスです。小さい子には無理なんじゃない?と思われると思いますが、ちゃんとできるんですよ。
1歳になり歩行ができるようになった子どもに絞ったタオルを手渡すと、例えば大人の窓ふきの様子を見てそれをまねして喜んでやってくれます。床を拭く動作をすれば、それを模倣します。「ゴシゴシ」と声に合わせて楽しくやってあげると、それは子どもにとって「お掃除」ではなく、発達に欠かせない「大人の模倣」や楽しい「遊び」につながっていきます。
また、3歳が近くなると、両手でタオルを絞ろうとします。
4、5歳になれば、自分のテリトリーや持ち物をきれいにしようとします。
小学生になればお料理のお手伝いをしたり、家電を使って簡単な家事をこなせるようになったりもするでしょう。
 
こんなふうに、長く一緒に過ごせる時間のある時には、ぜひ子どもの力を借りてみてはどうでしょう?「えっ、すごい!」と思える瞬間をきっと見つけられますよ!
子どもができる「お手伝い」をいくつかご紹介します。年齢の表記は目安ですので、安全面に気をつけていただきながら、どれもチャレンジさせてあげてほしいなと思います。
 
窓ふき テーブル拭き 雑巾がけ(1歳~)
清潔なタオルを固く絞って手渡してあげましょう。大人の拭き掃除を見て、まねっこして楽しんでくれます。
ほうきで玄関をはく(2歳~)
柄の短いほうきを用意してあげましょう。ただ前後に動かすだけではゴミは集まりませんから、親から子へほうきの使い方を教えてあげることでコミュニケーションを図ることもできますね。
自分の靴、上履きを洗う(4歳~)
 寒い時期はお風呂に入ったついでに、たわしでゴシゴシこすってみましょう。洗剤を使いたくなければ、石鹸でOKです。
 夏は外でバケツに石鹸を溶かして泡あそびをしながら洗っても楽しいので、一石二鳥です。
クイックルワイパーで床のほこり取り(3歳~)
とても簡単ですが、高いところをお願いする時には注意が必要です。舞った誇りを吸い込まないように気をつけてあげましょう。
お料理のお手伝いをする
・野菜を洗う 皮をむく(1歳~)
 玉ねぎやトウモロコシ、そらまめの皮むき
じゃがいもやニンジン、ピーマンなどを洗う。子どもの手のサイズにちょうどいいものを選んであげるといいと思います。
・炒める・混ぜ合わせるなど(3歳~)
 小さめのしゃもじやお玉を自分専用にしてあげると、とても喜びます。
 
こんなふうに、子どもにも月齢や年齢に合わせた「お手伝い」がたくさんできます。
頑張ってやってくれたとき、上手にできたときはたくさん褒めてあげてください!失敗してもいいんです。でも子どもが、「もうやらない」なんて思わないように次に挽回できる機会をかならず作ってあげてほしいと思います。そして、「ありがとう」の気持ちも言葉や態度で必ず伝えてあげましょうね。
自信を持ってできることが増える機会を、これから成長していく子どもたちへたくさん用意してあげてほしいと思います。
 
 
【おすすめ絵本】
『いろいろおてつだい』
えがしらみちこ 作 絵/小学館
 
 
[あらすじ]
ごはんのお手伝いをしましょう!どんなお手伝いができるかな?はなちゃんが考えたお手伝い。まだまだできることがたくさんあるよ!今度はどんなお手伝いをしようかな?
[読み方アドバイス]
子どもが「やってみたい」という気持ちを育みます。子どもが「自分はどんなことができるかな?」と見つけられるように、問いかけてみるといいですね。
 

 
 
宮本 陽子(みやもと ようこ)
Kidsコンシェルジュ
保育科卒業。保育士として広島市の保育園に勤務。
21年勤続の後、保育士時代に毎日読み聞かせをして培った絵本の知識を、リアルタイムに子どもたちそして親たちへ伝えられたらと思い、2017年広島 蔦屋書店に入社。入社してからも「へいじつのよみきかせ」で平日は毎日1日2回、ほぼ毎日絵本を読んでいる。
「0歳から就学前の子どもたちの好きな絵本」、「親が子どもにぜひ読んであげてほしい絵本」、「おとなの気持ちを癒す絵本等」等、多様な児童書というジャンルのなかでも特に「絵本」が持つ魅力を提案し続けている。
 
 

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