【お菓子博 旅のお菓子のお話】Cukr チェコのお菓子屋ツックル

 
チェコといえばビールを思い浮かべる方が多いかもしれません。最近は日本のスーパーでも、チェコビールを入手することが出来るようになりました。
しかしアルコールの弱い私はチェコ留学中、チェコ語が上手く話せなくて落ち込んだ時やホームシックになって寂しかった時、ビールではなく「チェコのお菓子」が心の拠り所となりました。
ルームメイトが毎週末持ち帰ったおばあちゃんの手作りお菓子に癒され、宿題をやるついでにカフェ巡りをして、日本ではなじみのないお菓子に舌鼓を打ったり、時には衝撃を受けたり…。
そんな中で一番のお気に入りだったのは蜂蜜ケーキ・メドヴニーク(medovník)でした。ロシアやベラルーシ発祥といわれ、チェコでは共産党体制崩壊後に流行となったチェコ国内ではあまり歴史の長いお菓子ではありません。でも私が留学していた当時はまだ流行の最中で、どこのお店でも作られ、メドヴニークを家庭で作るキットも販売されていました。今でも料理上手なおばあちゃんたちは家庭で作っているようです。
蜂蜜たっぷりの生地にサワークリームやキャラメルを使ったクリームを何層にも重ね、クラムで覆います。地味な見た目ながら手間がかかりますが、香ばしく濃厚な味わいは日本人にも好まれ当店でも一番人気のケーキとなりました。今でもメドヴニークを作る時は留学中のほろ苦い思いも楽しい思いも一緒に思い出される、私にとって大切なケーキです。
 

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