【お菓子博 旅のお菓子のお話】英国菓子と紅茶のある暮らし OHISAMA

 
「不易流行」
 
宮島でお店を開いたとき、縁あって老舗もみじ饅頭屋やまだ屋さんの旧製餡所をお借りしました。その時、社長様から「不易流行」という言葉を頂戴しました。いつまでも変化しない本質的なもの(不易)と、新しい変化(流行)を取り入れていくこと、を意味する概念です。
 
もみじ饅頭は姿かたちを変えず、昔からずっと同じものと思われがちです。けれども時代に合わせて餡の味や生地を季節で少しづつ変えたり、新しい売り方を取り入れておられます。
 
僕の作っている英国菓子のほとんどは1世紀以上、古いものだと10世紀の歴史があるものもあります。レシピや見栄えは作られ始めたころと、ほとんど変わりません。もみじ饅頭のたどってきた歴史とよく似ています。
 
今はまだ昔のレシピを忠実に再現することで精一杯です。でもいつか、OHISAMAらしい英国菓子だね、と言われるくらい美味しいものを作りたいと頑張っています。
 
やまだ屋さんのもみじ饅頭を食べるたびに、思いを巡らせています。
 

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